化学系エンジニアの独り言

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博士論文

2014-03-29 | 再生可能E
割烹着を着たリケジョが昨今話題になっていますね。近頃は彼女の書いた博士論文にもいろいろと批判がありますが、いわゆる一般の人には良く分からないことも多いです。

曲がりなりにも科学、あたしの場合は技術かもしれないが、それで飯を食ってきた身から感じたことをつらつかと。

SATP細胞は本当に出来ていたの?

専門外なので全くわかりません。単純に出来ていたらいいねー、というしかありません。

博士論文がコピペ?!

どんな論文でもそうですが、いわゆる序章というはじめの部分で、自分の研究を一口でアピールします。
これまでどんな研究、論文発表がなされてきたか、今何がわからなくてどんなことができたらいいと考えられるか、そして自分の研究は何を見つけてどんなことが出来るようになったかを書きます。

過去の研究を整理しなければならないので、普通はこの序章を書くのに過去の論文をたくさん(100とか200とか)読んで、それをまとめます。ですから博士論文を書くのに一番時間がかかり労力を費やすのがこの序章です。第2章以降はこれまで自分がやってきて既に学会誌に論文発表したものを書き直すだけなので、実はそんなに時間もかかりません。

そういうわけで同じ分野の博士論文の序章の内容が同じなるのは、ある意味当然です。でも他人の文章、例えば先輩の博士論文の序章を丸写しというのはアウトですよね。

それから彼女の英文の博士論文の序章をネットで見つけてちょっと見てみましたが、引用文献が全くない。早稲田の論文の書き方はこういうものなのでしょうか?

ネイチャー投稿論文取り下げ?

いわゆる技術雑誌にもランクがあります。誰が決めたわけじゃありませんがね。その分野の業界が出している雑誌、日本の学会誌、アメリカなど海外の学会誌、そしてネーチャーです。たとえばある工場の職場のQCサークル活動でこんな工程改善をやりました、というような投稿は業界の技術雑誌に乗ります。
もちろんだから次元が低いというつもりは毛頭なく、そのような改善の積み重ねが今の日本の技術力を支えているわけです。

STAP細胞の論文が話題となったのはネーチャーに載ったからです。もちろん理研が記者会見まで開いて宣伝したからです。

雑誌に論文が載るには、査読といわれるその研究分野の専門家がその論文を読んで審査をします。ですから、全くのデタラメでは査読者が納得してくれません。

例えそれが間違っていたとしても一度査読を経て論文誌に掲載されたんですから、そのまま残しておいたらいいじゃないですかね。もし間違っていてもその間違いが後世にまで残るということが、論文投稿者への警鐘にもなるように思います。

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