今回はエリーゼSやMRS等に搭載されている1ZZエンジンです。
散々ダイナパックでテスト、ECUチューニングを行ってきた結果明らかになった傾向を元に、チューニングのプランを提案してみます。
以下、Lotusの車輌での情報ですが、トヨタの車輌でも同様の傾向にあると思うので参考にはなるかと思います。
1、ノーマルエンジンの特性
1ZZエンジンは7A-FEや4S-FE等の実用エンジンの後継となります。斜めスキッシュの採用でコンパクトな燃焼室、連続可変バルブタイミングにより幅広い領域でトルクを発揮する扱いやすいエンジンです。中低速トルクを重視した造りの為、レッドゾーンまで回しても6000回転でパワーが頭打ちとなり、スポーツ走行には物足りなく感じやすいです。
スキッシュ率が高く、コンパクトな燃焼室の様子
2、吸排気の改造について
エアクリーナー、マフラーの変更は手が出しやすいので、交換している人も多いと思います。
エアクリーナーは2ZZと全く同じなのですが(以下の説明もw)、純正のエアクリーナーBOXにエアフローセンサーが付いている為、社外キットに交換するとエアフロセンサーの取り付け部分が変更されることになります。このセンサーにてエンジンへの流入空気量を検出しているわけですが、センサー周辺の気流の状態が変わると、センサーの特性も変わってしまいます。キットによっては検出量を誤魔化して燃調を変更するような作用を狙った物もあります。こういった製品の場合、副作用として特定の領域で息つき症状の発生や軽いノッキングの発生が見られます。本来、燃調や点火時期はECUのマップ上で変更するべきところなので、エアフローメーターは正確に空気量を検出できる状態のほうが適正なECUセッティングが可能です。
純正クリーナーのエアフロセンサー取り付け部分周辺形状。吸入口には別体パーツのファンネルを追加して気流が乱れないよう注意深く設計されています。
失敗しない選び方としてはセンサー前後(8cm程度)で内径がなるべく変化しない、センサーがスロットルから離れた物が良いと思います。
フィルターは不織布を使用したタイプ(いわゆる濾紙タイプ)がお勧めです。スポンジタイプはろ過性能が不十分な物が大半な為、エンジンの寿命に悪影響を及ぼします。
選択に迷ったら当社製品もご検討下さい。
マフラーはそこそこ抜けが良い物(最小内径55φ以上)で有れば特に問題は無いように思います。
2ZZ用と異なり、フロントパイプとの接続部はセパレーター無しで4-1集合となっています。
エキマニはトルク特性に大きく影響するので製品によって当たり外れが大きいです。現状の結果だと純正が一番無難です。残念なことにECUチューニング時にどう頑張っても純正エキマニよりも伸びない製品というのを度々見かけております。
適切な吸排気の変更とECUの書き換えで10ps程度の向上が目安となります。純正データには2ZZとの差別化の為もあるのでしょうか、高回転でマージンが非常に大きい為、高回転では大幅に改善できます。適切なデータ変更で、きっちり7000回転まで使用できるようになります(*エキマニに因る)。
3、ファインチューン仕様
オーバーホールのついでに圧縮比を少し上げてやると全体的にトルクが向上します。使用する回転域によってはハイカムの組付け&動弁系の強化も良いと思います。圧縮比のみアップなら純正ECUでも対応は可能です。
ポート研磨の一例
カムの変更で高回転でのトルクの落ち込みを減らせ、上までパワーが付いてくる気持ちよさが味わえます。仕様によっては+30馬力以上も狙えます。
4、ボアアップ仕様
スリーブ入れ加工済みのブロック。ボア82φ
82φハイコンプピストン&強化コンロッド
ストロークは91.5mmとかなり長めなので、ボアアップで排気量を稼ぐ方向になります。純正の79mmから、スリーブ組み込みで82mmまでは比較的簡単に拡大できます。排気量で7.7%増すので、トルク&パワーもそれくらい増加します。ピストンを交換するので、圧縮比を仕様に合わせて変更します。
5、4連スロットル仕様?
エンジンの設計コンセプトへの反逆です。既製品が無いのでコストがやたらと掛かるので全くもってお勧め出来ませんw
6、ターボ仕様
1ZZは純正でも意外と丈夫なエンジンで、チューニングに耐えるマージン(安全率)は確保されています。MR-S用ではボルトオンターボキットも販売されていたように、250ps程度までは問題なく耐えられます。低速重視のエンジン特性により、ブーストも比較的低回転から掛かりやすいです。上手い事製作すると、低コストで2ZZ搭載車輌をカモれます。
エンジン内部に手を入れた場合、450ps仕様の実績があり、ここまでいくとフルブースと掛けるのに躊躇する程の加速感が味わえます。予算や希望によっては500ps程度までは対応できそうです。スターレットと同系統のミッションなのですが、ターボで200ps超えるとミッションの耐久性に不安が出るので要注意です。
インタークーラーが空冷だと、2ZZのSC同様あまり冷えないので水冷にすると苦労に見合う性能が出ます。
7、エンジンスワップ
2ZZならエンジン脱着+α程度の手間で載せかえられます。ECUも1ZZ用を2ZZ用に書き換え出来ます。ハードにやるならK20Aをお勧めします。いずれにせよ、載せ換えるならやりすぎる前に検討する事をお勧めします…。
散々ダイナパックでテスト、ECUチューニングを行ってきた結果明らかになった傾向を元に、チューニングのプランを提案してみます。
以下、Lotusの車輌での情報ですが、トヨタの車輌でも同様の傾向にあると思うので参考にはなるかと思います。
1、ノーマルエンジンの特性
1ZZエンジンは7A-FEや4S-FE等の実用エンジンの後継となります。斜めスキッシュの採用でコンパクトな燃焼室、連続可変バルブタイミングにより幅広い領域でトルクを発揮する扱いやすいエンジンです。中低速トルクを重視した造りの為、レッドゾーンまで回しても6000回転でパワーが頭打ちとなり、スポーツ走行には物足りなく感じやすいです。
スキッシュ率が高く、コンパクトな燃焼室の様子
2、吸排気の改造について
エアクリーナー、マフラーの変更は手が出しやすいので、交換している人も多いと思います。
エアクリーナーは2ZZと全く同じなのですが(以下の説明もw)、純正のエアクリーナーBOXにエアフローセンサーが付いている為、社外キットに交換するとエアフロセンサーの取り付け部分が変更されることになります。このセンサーにてエンジンへの流入空気量を検出しているわけですが、センサー周辺の気流の状態が変わると、センサーの特性も変わってしまいます。キットによっては検出量を誤魔化して燃調を変更するような作用を狙った物もあります。こういった製品の場合、副作用として特定の領域で息つき症状の発生や軽いノッキングの発生が見られます。本来、燃調や点火時期はECUのマップ上で変更するべきところなので、エアフローメーターは正確に空気量を検出できる状態のほうが適正なECUセッティングが可能です。
純正クリーナーのエアフロセンサー取り付け部分周辺形状。吸入口には別体パーツのファンネルを追加して気流が乱れないよう注意深く設計されています。
失敗しない選び方としてはセンサー前後(8cm程度)で内径がなるべく変化しない、センサーがスロットルから離れた物が良いと思います。
フィルターは不織布を使用したタイプ(いわゆる濾紙タイプ)がお勧めです。スポンジタイプはろ過性能が不十分な物が大半な為、エンジンの寿命に悪影響を及ぼします。
選択に迷ったら当社製品もご検討下さい。
マフラーはそこそこ抜けが良い物(最小内径55φ以上)で有れば特に問題は無いように思います。
2ZZ用と異なり、フロントパイプとの接続部はセパレーター無しで4-1集合となっています。
エキマニはトルク特性に大きく影響するので製品によって当たり外れが大きいです。現状の結果だと純正が一番無難です。残念なことにECUチューニング時にどう頑張っても純正エキマニよりも伸びない製品というのを度々見かけております。
適切な吸排気の変更とECUの書き換えで10ps程度の向上が目安となります。純正データには2ZZとの差別化の為もあるのでしょうか、高回転でマージンが非常に大きい為、高回転では大幅に改善できます。適切なデータ変更で、きっちり7000回転まで使用できるようになります(*エキマニに因る)。
3、ファインチューン仕様
オーバーホールのついでに圧縮比を少し上げてやると全体的にトルクが向上します。使用する回転域によってはハイカムの組付け&動弁系の強化も良いと思います。圧縮比のみアップなら純正ECUでも対応は可能です。
ポート研磨の一例
カムの変更で高回転でのトルクの落ち込みを減らせ、上までパワーが付いてくる気持ちよさが味わえます。仕様によっては+30馬力以上も狙えます。
4、ボアアップ仕様
スリーブ入れ加工済みのブロック。ボア82φ
82φハイコンプピストン&強化コンロッド
ストロークは91.5mmとかなり長めなので、ボアアップで排気量を稼ぐ方向になります。純正の79mmから、スリーブ組み込みで82mmまでは比較的簡単に拡大できます。排気量で7.7%増すので、トルク&パワーもそれくらい増加します。ピストンを交換するので、圧縮比を仕様に合わせて変更します。
5、4連スロットル仕様?
エンジンの設計コンセプトへの反逆です。既製品が無いのでコストがやたらと掛かるので全くもってお勧め出来ませんw
6、ターボ仕様
1ZZは純正でも意外と丈夫なエンジンで、チューニングに耐えるマージン(安全率)は確保されています。MR-S用ではボルトオンターボキットも販売されていたように、250ps程度までは問題なく耐えられます。低速重視のエンジン特性により、ブーストも比較的低回転から掛かりやすいです。上手い事製作すると、低コストで2ZZ搭載車輌をカモれます。
エンジン内部に手を入れた場合、450ps仕様の実績があり、ここまでいくとフルブースと掛けるのに躊躇する程の加速感が味わえます。予算や希望によっては500ps程度までは対応できそうです。スターレットと同系統のミッションなのですが、ターボで200ps超えるとミッションの耐久性に不安が出るので要注意です。
インタークーラーが空冷だと、2ZZのSC同様あまり冷えないので水冷にすると苦労に見合う性能が出ます。
7、エンジンスワップ
2ZZならエンジン脱着+α程度の手間で載せかえられます。ECUも1ZZ用を2ZZ用に書き換え出来ます。ハードにやるならK20Aをお勧めします。いずれにせよ、載せ換えるならやりすぎる前に検討する事をお勧めします…。
直接伺わないとダメそうですね。