家具の製作において、墨付けは神経を使います。
切ったり、掘ったりと、木材を加工する時の基準となりますので手は抜けません。
大工さんは、墨壷(墨のついた糸をパチンとするやつ)や墨差し(竹で出来た筆)なんかでやりますが、
私は主にシャープペンシルを使っています。
鉛筆では使っていくうちに芯の太さが変わってきますが、シャープペンシルは一定ですので間違いありません。
たまーに、長い直線を引くときなんかは、墨壷を使ってみたりするのですが、
墨糸を長く出せば出すほど、パチンとやった時には真っ直ぐに墨付けすることが出来ません。
ピンと張った糸をつまみ上げて、慎重にパチンをするのですが、線が曲がってしまうことが多々あります。
つまみ方が悪いのか、パチンする時の指使いが悪いのかわかりませんが、墨壷は結構難しいのです。
つまり、下手くそということです。
墨差しについては、むかーし、買った覚えがあるのですが、使い方がよくわからないので、どっかへいってしまいました。
まあ、普段使い慣れているものが一番ということです。
タイトルにあります毛引きですが、
これはホゾ穴を掘る線をつけるときに重宝しています。
黒檀と真鍮で出来た欧米の毛引き(¥3,150) ↓

毛引きは、材へ押し当てて使いますので、何度も使っているうちに本体が磨り減ってきてしまいますが、
この毛引きは、堅い材に真鍮が埋め込んでありますので、簡単には磨り減ることがありません。
見た目も格好良いです。
線をマークするのは刃です ↓

ですので、シャープペンシルよりも細くマーキングできます。
例えば、柱材のセンターへ、ホゾ穴の線を罫書く時には、柱の左右に当てて、一回ずつ引けば、
丁度真ん中に、均等に墨付けすることが出来ます。
いちいち、定規を当ててメモリを読んでから記す必要がありませんので、作業が早いです。
つづいてこちらの毛引き(数百円の日本製)↓

材はカシの木だと思います。
この毛引き、マークするところを、よーく見てみると ↓

刃が二枚ついています。
ということは、ホゾ穴幅の位置をセットすれば、一回引けば二回分のマーキングをすることが出来ます。
先ほどは、センターへの墨付けでしたが、
この毛引きの場合は、センターでない場合に使います ↓

このように二種類の毛引きを使い分けております。