数年前に作った杉のダイニングチェアー ↓

お客様より、後脚がグラグラするとのこと。
よーく見てみると確かに隙間が開いている ↓

そういえば、同じモデルの椅子で別のお客様からも、
同様の問題がおきて修理したことがありました。
どうも後脚の緩みは、このモデルの欠点のようですので、
今後、製作する場合は設計を見直さなければなりません。
さて、分解開始。
まずはダボ(木栓)外しから。
最初にドリルで下穴をあけてから、木ネジをまわしこみます ↓

すると難なくダボを外すことが出来ます ↓

こういうことも想定して、製作の際、ダボを打ち込むときは接着剤を使用しておりません。
木槌で叩いてホゾを引き抜いていきます ↓

ホゾに直行してビス止めしてありますので、
ホゾが緩んでも抜けてしまうことはありません。
引き抜いたホゾの寸法を測ってみますと、
ホゾ穴より0.5mm小さくなっていました ↓

これでは緩むはずです。
もともと作りが甘かったのか、材が柔らかく押し潰されて小さくなったのか、
または、直射日光や、冷暖房が直接当たる場所に置かれていて縮んだのか。
このまま、接着剤を塗ってホゾ穴へ入れましても、緩いので、また抜けてきてしまいます。
ですので、ホゾをこのようにノミで落として ↓

落とした寸法より1.5mm厚くした材を当てます ↓

これで縮んだホゾ寸法を補うことができました。
元通り組んだ後、念のため、ビスで補強 ↓

これで大丈夫と思います。
ワタクシの目の黒いうちは、このように面倒を見ていきたいと思っております。
もし、不具合等ございましたらご遠慮なくお知らせください。

年月が経った杉のチェアー ↑
惚れ惚れするような良い色艶となっておりました。