屋久杉といえば、言わずと知れた銘木です。
そんな銘木で作られた一枚板のテーブルともなれば数十万円は当たり前で、
ちょっと高いものは100万円以上するものも珍しくありません。
そんな超高級家具であります、屋久杉テーブルは、
実は、ここ屋久島でのご家庭、特に、おじいちゃん、おばあちゃん世代にとっては、
日常的なテーブルでありまして、古いお宅には一つや二つあるといっても過言ではありません。
今でこそ、大径木から切り出した、一枚板の屋久杉テーブルは大変貴重で高価なものですが、
昔のように、上等な屋久杉がたくさん山から出されていた頃は、
地元屋久島の人たちにとって、屋久杉テーブルは、ひとつの実用家具に近い存在だったかもしれません。
そのため、ちょっと古い大きな邸宅に伺いますと、座敷にはお決まりのように、
一枚板の屋久杉テーブルが、ど~んとある訳なんです。
今回、リメイクのご依頼頂きました屋久杉テーブルは、30年ほど前に新築した際に、
大工さんが作ってくれたとのこと ↓
幅 1500mm、奥行き900mmの屋久杉一枚板の座卓です。
ご年配の夫婦で、脚や膝の痛みから、今ではテーブルでの生活になっており、
この座卓は使われること無く、家の片隅に置かれたままでした。
また、大きくて重たいのも、掃除の時に不便とのこと。
そしてこの度、この座卓を、一回り小さくして、来客用のテーブルとして作り直したいとのご要望でした。
最初に取り掛かったのが、脚の取り外し ↓
なんと、脚周りすべてが、天板裏に10mmほど掘り込んで収めてありました。
ボンドが効いておりましたので、取り外すのにちょっと手間取りました。
作り直すテーブル寸法は1300mm×600mm。
せっかくの一枚板を小さく切断するのは躊躇するものですが、
この座卓の天板のおよそ1/3には、大きな節のような木目がついており、
その節の芯も割れかけておりましたので、木目の良い部分を残して遠慮することなくカット。
次に電気カンナで荒削りして、表面の塗料を落としながら、
反りを修正していく。
このサイズですと自動カンナという機械に通して面を出すことが出来ませんので、
人力(手カンナ)で仕上ていきます。
屋久杉だけありまして、削るたびに、あの独特な匂いが立ち込めます。
年月も経って、良く乾いておりますので、カンナもサクサクとかかり、気持ちよいです。
出来るだけ、切った端材を再利用してリメイクしたかったのですが、
節部分は木目の切れが激しく、脚周りの構造材としては不向きでしたので、
一部、地杉を使いながら組み立てしました。
完成 ↓
ベンチとセットで使いますので、
出入りしやすいように、このような脚にしました ↓
天板裏は、座卓脚の掘り込み跡を埋め木しておきました ↓
見違えるように復活した屋久杉のテーブル。
お客様には大変喜ばれて、こちらも嬉しい限りです。
お宅に眠っている無垢の家具、リメイクいたしますよ!
但し、屋久島内限定です。