福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

椅子座面の張替え(預かり品)

2015-01-04 22:50:06 | 製作記録
ご近所さんより、椅子座面の張替えをお願いされました。

何と、40年くらい使っているそうです。



その椅子がコレ ↓







見た目はきれいで、とても40年の年月を感じさせませんが、

座面クッション部分は見事に潰れております ↓






この椅子の座面はドライバー1本で簡単にはずすことができるタイプで、

恐らく、このような張替え作業を想定して作られていると思います。


今回、お預かりしたのは6脚。

ご近所さんは、年末年始を留守にするので、このお正月休みを利用して作業しました。



座面を外したところ ↓






白の布を取って ↓






ステープル(業務用のホッチキスの針)を抜いていきます ↓







通常のタッカーのステープルよりもごっつい針です。

おまけに錆びているのでがっちりと食い込み、

抜くのにも途中で折れたりで、なかなか手間が掛かります ↓






ふぅ~、 1脚するのに30分以上も時間が掛かりました ↓






スポンジはボロボロです。

インテリアバールをスクレーバー代わりにして、

スポンジが合板と接着しているのを剥がします ↓






取り外した座面の合板と椅子にそれぞれペアの番号を記したテープを貼って置きます。

それぞれの椅子に合わせて合板の形状が微妙に違っているのでペアを認識できるようにしておかないと、

いざ取り付けのときに合わないこともあるからです。

さらに、4本のビス穴の位置も、張り替えたあとでもわかるように鉛筆で合板に印をしておきました。


合板をスポンジにのせて、形状をペンでトレースします ↓





スポンジにも番号を記すことを忘れないように。



今回は、3種類のスポンジを使います ↓






まず、2種類のスポンジをボンドで接着 ↓





3つ目は、座面よりも大きめに切り取っておき ↓






座面の側面に接着剤を塗布して、包み込むように接着します ↓





このとき、スポンジが剥がれて来ない様に保持するのにステープルを使います。

速乾性の接着剤とはいえ、手でギュッと押さえるだけでは、スポンジの弾力で剥がれてしまうのです。


ステープルは仮留めしておいて、後で外しやすいようにしておくのが良いです ↓






接着剤が乾いて、剥がれて来ないことを確認してから、

ステープルを抜いて、はみ出たスポンジを合板の面に合わせてカット ↓






これで、側面の合板もスポンジで覆われて、当たりが優しくなります ↓






続いて、布張りです。

素材は、東レのエクセーヌ、パンチング仕様を3種類 ↓






タッカーで留めていきます ↓





できるだけ皺が出ないようにしますが、なかなか難しいです。



完成しました! ↓






エクセーヌ パンチング 濃紺 ↓






エクセーヌ パンチング サンドベージュ ↓






エクセーヌ パンチング ベージュ ↓






ぺしゃんこだったクッションが新たに蘇りました!

物持ちの良いご近所さんですから、まだまだ10年や20年くらいは大丈夫でしょう。




このようなシンプルな椅子の張替えでしたら承ることができます。

東レのエクセーヌの場合、1脚あたり6,000円~。

椅子の構造、座面の形状、手間のかかり具合により単価は高くなります。

多少の皺は出ることをご了承くださいませ。

技術的に難しいものや損傷が激しいものはお引き受けできないことがあります。

色につきましては、その時の在庫状況によりご希望に添えないことがあります。

屋久島島内限定です。


コメント
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