公園に
白い花を咲かせている
一本の木がある。
今にも雨が降りそうな
曇り空の中
花の白さがやけに
目を引く。
この公園まで
歩くようになって
もうかれこれ
6年ほどたつ。
毎年この時期に
白い花が咲いていた記憶は
漠然とある。
どうして今まで
立ち止まって
観なかったのだろう?
公園の建物の陰で
ぼんやり輝くように
咲くこの花に今日は
吸い寄せられるように
近づいてしまった。
この花の名は
「ナツツバキ」
別名シャラノキ。
夏に咲く
ツバキに似た花
と言うことだ。
5枚ある白い花弁は
紙細工のようでもあり
ほんのり頬を赤らめた1枚が
愛おしくさえ感じる。
この花が一日で
落ちてしまうのは
何とも惜しい。