名瀬行きの「フェリーきかい」の出港を早朝に見ることが できた。
夜、湾の港に船が到着したのは経験したが、日の出と共に出港するのを見たのは初めてだ。
50年前に名瀬港を出る時は、別れのテープを桟橋と船にいる客と結んで、「蛍の光」に見送られて「ボーー」という汽笛とともに桟橋からゆっくりと離れて行ったものだ。そんな時母の涙が今でも脳裏に焼きついている。
今日の出港は、汽笛も無く、テープも無く、すーーっとゆっくり岸壁を離れていく「フェリーきかい」の姿に時代を感じた。
「フェリーきかい」が沖へ出て奄美に進路を変えた時、ふと彼方をみると、船を見送るように入道雲にかすかな虹が掛かっていた。
創世記 9: 13
「すなわち、わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。」