食品のカラクリと暮らしの裏側

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150キロ走行中の東海道新幹線の運転士が「トイレ離席」批判と擁護、あなたは?/少数派

2021年11月15日 | リニア・交通網
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150キロ走行中の東海道新幹線の運転士が「トイレ離席」批判と擁護、あなたは?

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■規定は運転免許を持つ他の乗務員と交代か非常ブレーキで停止させることになっているが
投稿は毎日新聞を活用しております/時速約150キロで走行中の東海道新幹線で5月、男性運転士(36)がトイレを我慢できずに約3分間運転席を離れた。JR東海の規定ではこのケースは指令所に連絡して列車を止める必要があったが、運転士は「止めて遅らせたくなかった」という。東海道新幹線の1列車当たりの平均遅延は12秒(2019年度)。定時運行が当然とされる中で起きた今回の問題。JR東海や、列車の運転経験がある人たちはどう受け止めたのか。今回の問題は5月16日午前7時33分東京発新大阪行きの「ひかり633号」で起きた。運転士が腹痛を感じたのは、同7時51分に新横浜を出て次の停車駅・小田原へ向かう途中のこと。運転を交代しようと車掌を運転室に呼んだが、車掌が駆けつけたのは小田原駅を過ぎ、熱海駅を通過した後だった。次の停車駅・名古屋までは1時間あまり。交代してもらおうとした車掌に運転免許がないことが分かったが、運転士は同8時14分ごろ、腹痛に耐えきれず、運転席から25メートル離れた1号車の客室トイレへと向かった。当時の時速は約150キロ、車内には約160人が乗車していた。

運転士がトイレから運転室に戻るまでの約3分の間、新幹線は熱海―三島駅間の7.6キロを運転士不在のまま走行、時速は約130キロにまで落ちていた。新幹線を走行中に運転席を離れることは、社内規定違反と国土交通省令違反に該当し、客を乗せたケースでは1987年にJR東海が発足して以来、初めてだった。同社規定では、走行中に運転士の心身に異常があった場合、指令所に報告して指示を仰ぎ、運転免許を持つ他の乗務員と交代するか、交代要員がいない場合は非常ブレーキで停止させることになっている。しかし、運転歴8年の運転士は「プロとして腹痛を理由に停止させることは恥ずかしく、列車を遅らせたくなかった」として指令所に報告しなかった。東海道新幹線は自動列車制御装置(ATC)を装備しているため、前を走る列車に近づくなどの異常があった場合は自動的にブレーキが作動し、走行中に運転士が席を離れても安全性は担保されているという。

■専門家は「遅延に寛容な社会に」「事実を正確に報告できる組織の土壌づくり」
今回の問題がニュースで報じられると、ネット上では「安全運転がないがしろにされている」との批判の声が上がる一方、「生理現象で誰にでも起こり得る問題」「交代要員がいない体制が問題」と運転士を擁護する声が多数を占めた。東海道新幹線の乗務員は通常、運転士、列車の責任者を担う車掌長、ドア開閉や車内改札を行う後部車掌の3人に加え、ワゴン販売などを行うパーサーがいる。同社によると、車掌長約800人のうち約500人は新幹線の運転免許を持っているという。96年までは運転士2人体制だったが、現在は安全・安定輸送を確保できる設備が整えられたとして1人体制だ。JR東海の金子慎社長は、記者会見で「運転士が無断で離席したことが問題だった」と説明。「言いにくかったようだが、ちゅうちょなく連絡すればいい」と述べた。免許を持つ交代要員を最低1人配置することについて「運転士の資格には身体的な要件や養成に長い時間を要する。大変難しい」との考えを示し「規定通りの対応で十分にカバーできる」と強調した。

「脂汗をかきながらトイレを我慢したこともある。万が一に備え、空の牛乳パックや携帯トイレを持ち込む同僚もいた」。新幹線の運転歴があるJR社員に聞くと、こう明かした。もともと、おなかが弱いため、乗務前日は辛いものを食べないなどの体調管理をしていたといい、「自己統制できるのが運転士」と話した。元名古屋鉄道(名鉄)の運転士で鉄道アナリストの西上いつきさんは「安全を侵してルールを違反するのはあってはならない。鉄道の運行は安全第一」と強調。一方で「自分の都合で遅らせるという判断は勇気がいること。新幹線は高速運転なので1回の停止が大きな遅れにつながってしまう。鉄道業界は指示命令系統で動き、トップダウンになりがちなため、現場から報告がしづらい環境になりやすい」と指摘した。2人体制について、西上さんは「人材確保や運用面から難しさがあるのではないか」と指摘した上で、こう訴える。「ルールを守るのは当然だが、社会や鉄道業界全体が遅延に対してもう少し寛容になればいいと思う。事実を正確に報告できる組織の土壌づくりが必要だ」

投稿者によって一部割愛や接続文章等の修正・タイトル付けを行いました。

投稿者からのひと言/あなたはどう考えますか? ネットでは賛否両論が錯綜したが、運転士に同情的だった。投稿者も同感。JRは建前ばかりで、実際、生理現象で運転停止は言い出しにくい。極限に定時運行を求める社内体制だから、運転士はこうしたと思われる。一旦、話は逸れるが、2005年に起きたJR福知山線脱線事故。乗客と運転士合わせて107名が死亡、562名が負傷した。これは定時運転への運転士への締め付けがきつく、遅延すると日勤教育と称したパワハラに近い研修を受けなければならない。そのため運転士は定められた速度以上でカーブに突入、曲がり切れずに脱線した。新幹線運転士にも、実際はかなりJRの圧力があるのではないか。投稿者は、運転士は人間である以上、生理現象は起こり、体調管理の自己統制だけを押し付けるには限界がある。以前にも新幹線の運転士が、いびきが原因で突然睡眠状態に陥る「睡眠時無呼吸症候群」でトラブルを起こした。昔から感じていたのは、運転士1人だけでは問題がある。新幹線発足時の旧国鉄は、運転士2人と検査掛けの3人が運転台に並んでいた。やはり96年以前のように、2人制が必要。あるいは、運転資格がある車掌とのセットを義務付けること。航空機は、正副操縦士である。安全より利益(人員削減)を優先する、JR民営化の歪みが出てきたのではないか。これを機会に、運転士の責任追及や精神論を誘導するのではなく、実質的な安全への体制作りを優先して欲しい。

Akahatatop

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