蓮舫議員の菅首相追及質問は当然・政府のやる気ない感染対策に国民の怒り代弁／少数派

　少数派シリーズ　特設｜新型コロナウイルス ＶＯＬ．１１９
蓮舫議員の菅首相追及質問は当然・政府のやる気ない感染対策に国民の怒り代弁



■蓮舫氏発言の根底に「苦しむ国民の声」であって権力者へ阿っていない
蓮舫議員が、過日、国会で菅首相への追及発言した件で、記事化するタイミングを逸したので、今、投稿します。投稿者は、蓮舫氏を擁護する立場から書きます。ことの経緯は、１月２７日の参院予算委員会での質問です。コロナに感染した自宅療養者が多く死亡したことに対し、首相が「大変申し訳ない」と立場上の陳謝だけでした。蓮舫氏は、「そんな答弁だから言葉が伝わらないんですよ」 「あなたには首相としての自覚や責任感、それを言葉で伝えようとする思いはあるんですか」と追及しました。この質問に、首相は立腹気味に「少々失礼じゃないでしょうか」と反論したのです。このやり取りに、ＴＶの情報番組やコメンテーター、ネットでは「一国の首相に言う言葉か」 「蓮舫は失礼だ、何様と思っているのだ」 「年寄りいじめ、菅さんが可哀そう」などと批判が高まりました。テリー伊藤氏に至っては、蓮舫氏が「未熟だ」とも言い切りました。果たして、そうでしょうか？ あなたは、コロナ対策について首相の言葉が伝わっていると思いますか？

投稿者がいつも思うことは、批判する人間は「その場面のやり取りだけ」に終始し、その前後の経緯（いきさつ）と、その裏に隠れている重大な問題点を掌握していない点です。女だてら（＊下記補足）に菅さんをいじめている、首相に対し失礼な態度など～そのやり取りだけを見ての批判ばかりです。つまりこの背景に、安倍・菅首相のコロナ対策のやる気のなさ、この１年の間に何度もの失敗や経験を参考にせず、多くの方が無念の思いで亡くなっていることです。それだけに留まらず、ＧｏＴｏなどに偏った経済政策ばかりを優先、肝心な国民への補償や心配を全く無視したことです。蓮舫氏の発言は、大多数の国民を代表した声だから、厳しい発言になったのは当然です。また批判者は、次の意識も全く抜けています。国会は、首相も一議員も関係なく、年齢、性別を問わず、公平・平等に発言する場です。年長者・男性・権力者へ、阿（おもね）ってはいけないことです。そして何よりも、国民の代弁者であることです。そういう点から、蓮舫氏の発言はしごく当然です。
＊補足／女性差別＝女だてら・女のくせに・男勝（まさ）り・（男性の）男泣き

■政治は「結果責任」、コロナ対策に実行力や説明力が伴わなければ叱責されて当然
菅・安倍首相の最高権力者が、たかが自民党幹事長職の二階氏に不甲斐ないほどに頭が上がりません。国民の大多数の声より、明らかに判断が間違っているこの人物に従うばかりです。投稿者がもう１つ注目したことは、菅首相が「私は一生懸命やっているんだ」、切れ気味に「少々失礼じゃないでしょうか」との反論です。蓮舫氏を批判する人達は、「首相が一生懸命やっている」んだから、このコロナ禍に「文句をつけるな」と言いたいのでしょう。でも首相が「一生懸命やっている」～それを言っちゃ“おしめ～よ”（お仕舞）。驚きました。なぜなら、政治は「結果責任」だからです。私達の日常生活において、常々、努力は大事と思います。しかし政治に関しては、一生懸命やっても結果が出ない・結果が間違っていれば、国民をあらぬ方向に導きその責任は取るべきなのです。なお国政の過ちとやる気のなさを質すのは、野党の正当な役目です。蓮舫氏の発言は失礼でも何でもなく、極めて全うです。あの程度の蓮舫氏の発言に怒るようでは、「政治家の器」を問われそうです。

一方、毎度、ネトウヨや一部の人間が蓮舫氏に批判的なのは、台湾出身だからでしょう。「ヘイトスピーチ」に値し、ＴＶ情報番組や国民がまんまと乗せられていることは恥ずべきことです。日本国籍を取り、日本国籍だからこそ議員の資格・発言権がある訳です。右翼主義の自民党や維新など政党・ネトウヨほど、「日本国民は偉い」 「男は女よりも偉い」と思う代表格です。蓮舫氏を近視眼的に批判するのは、心が劣化している証拠です。前述のテリー伊藤氏の「蓮舫氏は未熟だ」は、そのまま本人に返したい。もっと深掘りすれば、国籍・肌の色・性差別などの日本の遅れたジェンダー問題に行き着きます。それは別の機会に譲り、政府のコロナ対策に戻ります。蓮舫氏の“母国”は、世界に先駆けてコロナ対策を徹底・収束させ日常生活を取り戻した国です。蓮舫氏の心の中には、日本の緩いコロナ対策への歯がゆさがあったのではと推測します。さて「失礼だ」 「一生懸命」云々と切れる前に政治家のトップなら、蓮舫氏が言う「多くの国民が無くなった原因」を謙虚に反省し、国民に伝わる言葉でコロナ対策に邁進すべきです。

新型コロナウイルス投稿１００回を迎える
「特設｜新型コロナウイルス」カテゴリも、今号で１００回を迎えました。しかし内容に鑑み、祝うことはできません。思えば昨年２０年２月から、夢中で書いてきました。その間、書く度に、政府の無策・与党の無神経な対応に、何度も虚しさを感じてきました。書かなくても済む日が早く来るのを心待ちにする、少し春めいた今日この頃です。　　投稿者（ブログ管理者）より


次号／１２０・米国感染死５０万人・第２次世界大戦を超えており南北戦争死者数まで迫るのか
前号／１１８・コロナ対策に無軌道な人間は「無差別殺人」に匹敵、家族・他人を感染させ殺すことに