「毎日、抗原検査をすればコロナクラスターは３割に減少する」名大研究チーム発表／少数派

　少数派シリーズ　特設｜新型コロナウイルス ＶＯＬ．１８７
「毎日、抗原検査をすればコロナクラスターは３割に減少する」名大研究チーム発表

　
新型コロナの検査の頻度とクラスター発生確率の関係／名古屋大などが発生確率計算

■クラスター低減には「抗原検査が有効」と発症前や無症状は「適切隔離」で抑制
毎日新聞を活用しています／新型コロナウイルス感染症で、抗原検査により発症前の感染者を見つけ出すことで、クラスター（感染者集団）の発生確率を試算する手法を開発したと、英オックスフォード大と名古屋大の研究チームが発表した。ウイルスの性質にも左右されるが、抗原検査を毎日実施して感染者を隔離すると、発生確率を３０％程度に抑えられるという結果を得た。新型コロナでは、症状が出る前から体外にウイルスを排出して他人に感染させる例や、発症せず感染に気づかないままウイルスを排出する例が知られている。感染者を適切に隔離しないと、学校や高齢者施設などでクラスターが発生する。今回の研究では、集団の１割以上が感染した場合をクラスターと定義した。研究チームは、オミクロン株に感染した米プロバスケットボールNBAの選手５２１人のデータを使い、感染初期から治るまでの体内ウイルス量の変化を調べた。NBAでは日常的に検査をしており、感染初期からのウイルス量を把握していた。この５２１人のデータから、体内ウイルス量などの個人差などを考慮し、集団内で感染が広がる様子についてシミュレーションするツールを開発した。

オミクロン株に感染した人が、１．５人の他人に感染させると仮定した場合、抗原検査をせず発症前の感染者の隔離ができなければクラスターの発生確率は５８％だった。これに対し、毎日検査をして感染者を隔離することで、３２％に下げられた。一方、検査を２日に１回の割合にすると、４３％までしか下がらなかった。ただ、１時間に１回の検査でも、発生確率はゼロにならなかった。今後、ワクチンの効果をかいくぐり、感染力が強い変異株が登場すれば、他人に感染させる人数も増えるため、クラスターの発生確率も変わってくる。研究チームの岩見真吾・名大教授（数理科学）は「毎日の検査は非現実的かもしれないが、流行期に高齢者施設などで実践することは有効だ」と説明する。その上で「検査で感染の連鎖を完全に防げないので、ワクチンの追加接種や、その他の感染予防を併せてしていく必要がある」と話した。成果は、米科学アカデミー紀要（PNAS）に掲載された。

■国や厚労省は失敗したコロナ政策資料こそ残して将来の方々にも責任を全うすべきだ
ここから投稿者の文章／コロナ禍を経験して４年、研究成果は素晴らしいが、「隔離」と「抗原検査」あるいはＰＣＲ検査は当たり前と言えば当たり前。それを頑なな厚労省の医系技官に阻まれたにせよ、安倍政権以降の政権が本気で立ち向かうことをしなかったために第９波までに至った。初期の頃から、「隔離」と「抗原検査」を専門家が国会やＴＶ情報番組で訴えていた。また米国や中国などＰＣＲ検査キットを無料で、また大量に投入した。日本と言えば、やる気なく検査キットや検査施設さえ用意しなかった。また経済ばかり優先して、いつまで経ってもコロナが減らない（第１０波の予測も）のは政府・厚労省による「人災」である。地道に「隔離」と「抗原検査」を繰り返せば、亡くなった方や後遺症で苦しむ方も少なかったろう。１時間に１回の検査でも、発生確率はゼロにならなかった結果は衝撃的だ。一旦終息しても、５年後、１０年後には再びやって来ると言われる。こうした研究成果を増して、後世の人に役立てるのが研究と言うものだ。本来なら国や厚労省が将来のために悲惨なデータや効力ある対策を残して置くのが役目だが、政権の失敗したコロナ政策（恥や怠慢）を将来に伝えたくない意向が大きく、貴重なデータも簡単に捨ててしまう。役人は政権のためにではなく、そうした資料こそ残して将来の方々にも責任を全うすべきだ。


次号／１８８・厚労省がコロナドメインを手放しオークションで３２５万円の高額落札・悪用される恐れ
前号／１８６・尾身会長と脇田氏退任・扱いは“お祓（払）い箱”、歴代政権はコロナ失敗の尻拭いをさせる