今号では、一般社団法人日本パントマイム協会代表理事およびスーパーパントマイムシアターSOUKI主宰を務める江ノ上陽一さんの日記をお届けします。なお、日本パントマイム協会は、日本におけるパントマイムの振興と発展、また、パントマイムに関わるアーティストの交流とサポートを目的とする団体で、流派を越えて多くのパントマイミストが参加しています。
2020年は新しいやり方への模索の年となった。
それは、旧来のやり方が不可能になった為である。
我々は、舞台と客席という環境で長い間「人」と繋がってきた。
ところが、我々は無観客、あるいは人数を制限した状況でパフォーマンスをし、その映像をネットで配信する。
観客はそれぞれの場所でPCなり、スマホなりで見る。
そのような状況に変化した。いや、激変と言っても良いと思う。
これが、2020年、我々の「繋がりかた」になってしまった。
人と人との繋がり。
「濃密な時空間」の共有を意識していた我々は、
この時空間を作ることができなくなり模索が始まった。
しかし、簡単に見つかるわけもなく、まだまだ試行錯誤を繰り返している。
これから先、完全に2019年以前に戻るとは考えにくい。
暗中模索。だが、光は見つかるはず。
歩みを止めない限り、必ず見つかると信じてる。
一般社団法人日本パントマイム協会も設立され、もう少しで3年になる。
2021年最初の試みは、協会員に広く参加して頂き、YouTubeプレミア公開にて
パントマイム・パフォーマンスを配信しようと、現在役員にてミーティングを行っている。
協会所属のパントマイミストには実に様々な「特徴」がある。
各々が各々の「色」を持っている。
これを広く発信していきたい。
「身体への興味」「無言の可能性」「想像力の再発見」、パントマイムには様々な魅力がある。
まだまだ広く周知できずにいるという事は、発信力が足りていないということ。
この機会を良い方向に持っていきたいと願い、企画を立ち上げていきたいと思っている。
一般社団法人日本パントマイム協会代表理事
スーパーパントマイムシアターSOUKI主宰
江ノ上陽一
