日本のパントマイムの開拓者の1人であった、ヨネヤマママコさんが9月20日に永眠されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
本メルマガは、マイムリンクの活動にも深く関わっていただいた、ヨネヤマママコさんに哀悼の意を捧げるため、特集記事を企画しました。
ママコさんと同時代に活躍し、長年にわたって親交のあった日本マイム研究所の佐々木博康さん、清水きよしマイムワークスの清水きよしさんのお二人によるママコさんとの思い出の文章を紹介させていただきます。
【ヨネヤマママコプロフィール】
1935年山梨県身延町生まれ。幼少より石井漠門下であった父よりバレエを習う。東京教育大学体育学部在学中に江口隆哉、大野一雄両氏に師事。1954年処女作「雪の夜に猫を捨てる」が激賞され、NHKテレビ「私はパック」のパック役でデビュー、しばらくテレビで活躍の後1960年渡米。UCLA大学、ACT劇団等でマイムを教えながら13年かけて基本メソッドを築く。1972年帰国し、ママコ・ザ・マイムスタジオを設立。「新宿駅ラッシュアワーのタンゴ」「禅とマイム~十牛」「凧上げ」「二人綱引き」「シャーンベルグ/月に憑かれたピエロ」などの様々な作品を発表し続けながら数多な後進を育てあげる。1992年蘆原英了賞受賞。2023年9月老衰のため、永眠。享年88歳。著書に「砂漠にコスモスは咲かない」(講談社)「表情とエスプリ」(人間と歴史社)、出演映画に「里見八犬伝」「スピーチ」「ビューティフルサンデー」などがある。
マイムリンク主催公演では、2009年「パントマイムウィーク4 MIMEMODE」、2012年「パントマイムウィーク6マイムマルシェ」、2014年「東京マイムフェス」、2016年「シアターパントマイムフェス2016」、2017年「シアターパントマイムフェス2017」に出演し、その卓越した演技で多くの人にマイムの素晴らしさを伝えた。
●2017年「シアターパントマイムフェス」当日パンフレット 「愚者(ピエロ)の玉」作品のコメントより
ホドロフスキーがマルソーに書き贈った『壁』という一編の美しい詩。そこから生まれた「壁」という歴史的なマイムテクニック。そして私はその表現技術を心の過程に託して、「その壁の中でどうしたのか」「その壁はどう変わっていくのか」を創りました。ご覧くださる方にまた何かが継がれていくことを願って。