フランス映画 監督・脚本:オリヴィエ・アサイヤス
出演:ジュリエット・ビノシュ、シャルル・ベルリング、他
夏時間の庭 - goo 映画
写真をクリックすると拡大します。
パリ郊外の広大な敷地に建つお屋敷に一人で居る母親の誕生日を祝う為に
3人の子供と大勢の孫達が集まる。
母はめったに帰って来ない息子に遺産相続の相談をする、広大な敷地
由緒ある立派な家、画家だった大叔父の残した作品の数々と蒐集した美術品
母は美術品のリストまで作成して準備していた。
一体どのくらいの価値が有る物なのか蒐集品の中にはオルセー美術館から
展示を求められている物も有る。
母はこれらを処分して3人の子供達で分ける様に指示する。
母親の亡き後3人の子供達はそれぞれの事情が有り遺産の処分について
意見が分かれるが、いよいよ家の処分も決まり開け渡す前の最後の夏に
孫の一人が学校の友人達を招いて大パーティをやる。
子供の頃から親に連れられておばあちゃんの家に遊びに来ていたので
思い出が一杯有る庭だ。自分に子供が出来たら連れて来るようおばあちゃんに
言われていた事を思い出す。
お屋敷の庭で家族が揃って賑やかに囲む食卓、光があふれ緑に囲まれ
優雅な空間だ、日本では外で食事する環境も習慣も無いのでとても
羨ましく見える。
とても想像もつかないが美術館から展示を求められるような美術品に囲まれて
暮らす毎日、何気なく花を活けてある花瓶もとても数少ない貴重な品だという。
フランスの現代の相続税についてもだが、3人の子供のそれぞれの事情が
いかにも今の時代だ、思い出に彩られた家への愛着と現実のジレンマ
そして母との思い。
しかし以外な事に超現代的な孫達におばあちゃんとの思い出とお屋敷の良さが
理解され心に残されていたようだ、ラストがほのぼのした暖かさが残る。
オルセー美術館の全面協力で登場する美術品のほとんどは本物との事なので
カメラが人の動きを追って動き回るのが落ち着かない、豊かな自然と
素晴らしい美術品に囲まれた環境をじっくり見せる静かな美しさが欲しかったと思う。