ガルパンコミックのひとつ「プラウダ戦記」だけに登場する車輌は全部で5種類が知られます。これらを再現製作しようと思い立ち、プラウダ高校チームのBT-5、KV-1、聖グロリアーナ女学院チームのクロムウェル、ボンプル高校チームのヘッツァーの4輌を作りました。残るは1輌、プラウダ高校チームのISU-152です。
作中では上図のようにSU-152となっていますが、これは間違いです。車体をよく見ますとIS-2のそれと同一になっているからです。したがってIS-2の車体をベースとしているISU-152が正しいです。
作中車がISU-152であることは、上掲のシーンにおける背面の描写からも分かります。車体がIS-2のそれです。SU-152のほうはKV-1をベースにしますので違いは明白です。正面観や側面観ではちょっと見分けにくいかもしれませんが、背面を見ればすぐに分かります。
手元には、嫁さんからプレゼントで貰ったイタレリの古いキットがありました。私がプラウダ戦記の作中車を製作しようと考えている事を知って、いつものように中古ショップで買ってきてくれたものですが、嫁さんは最初はSU-152とISU-152は同一の車輌で、ISU-152のキットでもOKだと思っていたそうです。
「このISU-152って、プラウダ戦記の作中車だよね」と言うので、作中ではSU152だよ、と返したら、ええー違ったの、と慌てていました。しかし作中のSU152の表記が間違いで、正確にはこのISU152なんだ、と話すとホッとしていて笑顔になりました。当時のツィートはこちら。
はじめは私自身も作中車はSU152だと思っていました。サークルの知人に「プラウダ戦記の作中車はSU152となってるが、おかしい」と言われて説明を受けるまでは、SU152とISU152の相違点を知りませんでした。一見しただけでは同じに見えたからでした。
中身はこんな感じです。履帯は、個人的に救われた思いにもなる有り難いことこの上ないベルト式履帯でした。ベルト式履帯パーツが入っているので、かなり古い時期の製品なのだろうと思いました。
説明書および組み立てガイドです。しかし、イタレリ製品にしては全然それらしくない簡素なガイドでした。ということは、これもどこかからのOEMなのかな、と考えてキットの中身をチェックしてみました。
すると案の定、車体の底面のパーツの表面にズベズダのロゴが入っていました。ズベズタのキットをイタレリが仕入れて販売していたわけです。以前にもイタレリ販売のズベズダキットを作りましたので、またこれか、というのが正直な感想でした。
同時に、これは手間がかかるだろう、と思いました。作中車は、「プラウダ戦記」に登場する5種類の車輌のなかで最も独自の仕様つまりガルパン独自の要素が多く見られるので、当然ながら改造や修正などの工作が追加されます。さらに作中車の装備品の一部は今回のキットにパーツが含まれないので、ジャンクパーツから該当するパーツを探し出す必要がありました。
ステップ1およびステップ2で下部車体と足回りの軸部を組み立てます。ガイドの指示通りに進めます。
ステップ1およびステップ2の工程をまとめて行うべく、パーツを全て準備しました。が、ズベズダの古い製品によくみられる歪みや反りが幾つかのパーツに生じていました。
歪みは主に車体のパーツに出ていました。それでテープで歪みをおさえて是正しつつ接着固定しました。
車体の底面パーツ1Aに至っては前後の端が反っていたため、テープで上図のように6ヶ所をおさえて瞬間接着剤で強引に繋ぎました。
なんとか形になりました。おさえつけて瞬間接着剤ですぐに固定したため、歪みや反りはほぼ消えました。最初の工作でこのように手間取りましたから、今回も楽には作れそうにもないな、と思いました。 (続く)