浜名湖佐久米駅には約一時間ほど滞在しました。次に乗る列車が15時30分発なので、それまでずっとホームで待ちました。カモメの群れが次から次へとエサに集まってくるのが、見ていて飽きなかったのでした。
見ていて気付いたのですが、このカモメは眼の後ろに黒い斑点があるのですね。正式名称はユリカモメで、ユーラシア大陸北部やイギリス、アイスランドなどで繁殖し、冬は南下しヨーロッパ、アフリカ、インド、東南アジアへ渡りをおこない越冬するそうです。
日本においては冬鳥として、北海道から南西諸島まで広く渡来し、全国の海岸や河川、沼地などに渡来しており、各地で見かける小型のカモメ類の大半がユリカモメであるそうです。
私自身も手持ちのビスケットを砕いて撒いてみたら、数羽がパーッと寄ってきてつつき始めました。それがキッカケのようになって、地元のカモメ世話人の方々と少し話をしました。
お話によれば、ユリカモメの飛来地域は本来は多岐多様にわたるのですが、ここ浜名湖佐久米駅に飛来している群れはほぼ毎年同じであるらしく、数年ほどは三つから五つほどの群れが固まってローテーションを組むようにして、1月から3月上旬にかけての時期に次々と飛来している、ということでした。
エサが豊富に得られることによって浜名湖佐久米駅のエリアをお気に入りの飛来地として覚えて毎年やってきているようで、動作や飛び方など、見た事のあるカモメがかなり居るよ、そういうのは完全に慣れてしまっていて帽子の上や肩に躊躇なく停まってエサを要求してくるんでな、と話しつつも、手は常にパンくずを撒き続けてカモメを引き寄せていました。
エサのやり方にもちゃんとルールがあるんでな、カモメはみんなちゃーんと見とるでな、イチゲンの観光客には目もくれないで我々に集まってくるでな、と話していました。見事な撒きぶりでした。
そのカモメの群れを蹴散らすようにして、15時19分発の掛川行き列車がホームに停まりました。何人かが降りてきましたが、乗った人は居ませんでした。
車輌が発車して動き始めると、それを見てカモメたちがホームに舞い戻ってくるのでした。
その11分後の15時30分に、乗る予定の新所原行きの列車がやってきました。カモメの群れは大半が湖面か湖上へと避難していて、ホームにとどまっていたのは50羽ぐらいでした。
その50羽の群れを、乗り込んだ車輌の前方窓から見ました。先ほど話をうかがった地元のカモメ世話人の赤ジャンパーの方が私に手をあげて挨拶してくれましたので、こちらも丁重にお辞儀を返して謝意を示しました。
車輌が発車して動き始めました。線路に降りていた数羽がパアッと舞い上がりました。
続いてホームに並んでいた十数羽が次々に羽ばたいて車輛を避けるように外へカーブして舞い上がってゆきました。他ではなかなかみられない、鉄道とカモメの景色でした。
それからは席で半ばウトウトしていました。終点の新所原駅には16時2分に着きました。
隣接するJR新所原駅の二階通廊より、降りてきた車輌を見ました。このノーマルカラーの車輌はなかなか見かけませんので、こうして新所原駅で見るのも初めてのような気がしました。
デジカメの望遠モードで引き寄せて記念に撮りました。本当にこれのNゲージが欲しいのですよ・・・。
それでは、さようなら。
JR新所原駅の駅名標。
16時8分発の上図の豊橋行き普通列車313系に乗り、16時18分に豊橋駅で下車、16時39分の新幹線こだま733号に乗り換えて帰途につきました。京都には17時44分に着きました。
以上で、富士山スタンプラリーキャラクターパネル巡り、天竜浜名湖鉄道ゆるキャン車輌最後の乗車、の二つの行程を組み合わせた三泊四日の聖地巡礼を終えました。
次の巡礼レポートは、2024年8月時点での原作コミック連載の最新話までの舞台となっている、各務原なでしこ、斉藤恵那、瑞浪絵真のトリオの群馬キャンプ編の前半エリア、榛東村および安中市のアプトの道の行程を綴ります。 (了)