漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

黄昏のエア (16/32) 姫読者&令嬢読者達の反感

2009年09月05日 13時30分31秒 | 第14話/黄昏のエア

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 アラベラさんの言っている事は本当で、
18世紀後半の英国では識字率が上がり、読書市場が拡大し、
特に女性読者が大変増加し、
本を読むだけでは満足できずに、自分も文章を書いて世間に発表しようとする女性も、
相乗効果で増加するという事になって行きます。

 当時の女性作家の人達は、
J.J. ルソーさんの 「 ヌーヴェル・エロイーズ 」 を読んでいたり、
リチャードソンさんやフィールディングさんの小説を読んでいて、
彼らの女性の描き方に納得のいかない所もあったのかもしれません。
それで、 「 わたし達はこう描くわ! 」
― と、意気込んでいたのかも ― 。

 ところが反対に、ジェイン・オースティンさんを総大将として、
いにしえの女性作家達には、慎みの観点からも、男性同士の描写が上手くできないという問題がありまして、
特に、「 トリストラム・シャンディ 」 にも顕著にあるような、
男性の ** ・ ** ・ ***** の世界については難易を極めるのでしょうし、
受け手と想定される、お姫様&お嬢様読者の方でも、

「 わたし達は、そんなの読みたくありませぬ! 」

― と、凄まじい抵抗となってしまうのでしょう。


 ちなみに、「 英国読者公論 」 での 「 トリストラム・シャンディ評 」 の方はと言いますと、

「 数十年前の人物の話なら、何とかまだ、
『 あららー、昔の人は大らかだったんですね~。 』
とあきれ半分にガマンもできるが、
今時、こんな親世代の悪を引きずって、知識の撒き散らし&下品なほのめかしをしている人物がいたら、
今時の世間からは蔑まれて当然ではないか! 」

 …との、キツキツ・バッテン・パーンチ! だったのでした。

 今日の続きは明日。

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