水槽をお掃除して、きれいな水を張り、
数日が過ぎたので、
七匹のメダカを買ってきました。
金魚屋さんで、
そのメダカたちは、
小さな陶器の洗面器に、
ぎっしりと、
佃煮になりそうになって、
それでも、
元気に泳いでいました。
その中から、運命の七匹を選びました。
家に帰ってきて、
ビニールの袋から、
私の水槽に放すと、
メダカたちは、大海へ出たと思ったのか、
皆、びっくりしていました。
なんだか、放生会みたいだなと思いながら、
小さな生き物を、大切に眺めました。
少しの間、
底の方でジッとしている一匹、
その他、群れになってしばし留まる六匹。
少しすると、今度は、
透明なガラスの水槽が珍しいのか、
全員が、さらに広い世界を目指して、
ガラスの向こうへ
まさに、泳ぎ出でんと欲す…。
鼻先でガラスをつついていました。
そうよ、メダカさん、
「In die Welt hinaus!(広い世界へ!)」
→注:ゲーテの詩より
ですよ。
広い世界、
広い水槽を自由に泳ぎまわってね。
気持ち良さそうな彼らに、
私も満足したのです。
さて、メダカたちが入っていた
ビニール袋を捨てようとすると、
赤い字で
「捨てないで!」。
・・・?
『ええっ、この袋を取って置くのかしら…?』
と私は、ゴミ箱の中の袋を改めて、
手にとり、
よく読むと、
小さい字で、
「生き物は最後まで飼いましょう」。
あらら、そんな悲しい事、書かないで!
こんなに大切にしているのですからね。