えん罪・布川事件 国賠を求めてたたかう夫の傍で

えん罪を晴らし、普通の一市民に戻った夫。二度と冤罪が繰り返されないようにと、新たな闘いに挑む夫との日々を綴ります・・・。

お祭り大好き!

2006-07-16 | 日記
 京都祇園祭・・・
宵山にふたりで出かけたんだって・・・。

 syoujiさんがkeikoさんを誘ったんだ。

「人ごみは息苦しくなってしまうんだよな」
「行くかどうか、keikoさんが決めていいよ。」
そう言いながら、どうもそわそわして朝から落ち着かないsyoujiさん。
電車で一時間?の奈良市に滞在中で、「やっぱり、行きたい!」という思いがkeikoさんに伝わって来た。
それもそのはず、syoujiさんは40年前、故郷茨城の「強盗殺人事件に巻き込まれる」少し前まで京都で働いていたんだって・・・。
syoujiさんにとって、今年の祇園祭は本当に40年振りの懐かしい、懐かしい思い出のお祭りだった・・・。
 昼間は、ふたりで奈良市内のお寺などを回りながら、夕方やっぱり京都へ行こう!って言うことになったんだ・・・。

 まず、京都駅を降りた所から、人、人、人の波。
「迷子になるなよ」とkeikoさんに声をかけ、先にたってその人の流れに乗って歩いた。いくつもの山や鉾が出ているのを見ながら、syoujiさんは歩行者天国まで時間があるから、と閑静な裏通りに入った。

「ここに○○っていうお店があった」「○○さんという人がいて・・・」「この辺に・・・」と、syoujiさんは19歳のころの自分と40年前の京都の街の記憶を辿って歩いた。

「茨城に帰って来なければよかったのに・・・」
「・・・」

決していい思い出でばかりでない、苦い思い出があるらしい・・・。
keikoさんは、syoujiさんの反応にそんなことを思った。
一緒に歩きながら、keikoさんも「19歳のsyoujiさん」と「40年前の京都」の空気を感じていた・・・。

 
 歩行者天国は先刻より、何倍にも見物客が膨れ上がり、人波の流れに沿って歩くので精一杯だった。
それでも、syoujiさんは、いくつも、いくつも鉾や山を案内してkeikoさんに説明してくれた。syoujiさん、嬉々としていたね。本当に、嬉しそうに、懐かしそうに、心から楽しんでいるようだった。

 「こんな人ごみ、生まれて初めて!これじゃ、痴漢もスリもあり得るよ・・・」と緊張しながら歩くkeikoさん。
早く人ごみから解放されたいと流れの空きを見つけて歩くsyoujiさん・・・。

 それでも、ふたりで充分楽しんだ宵山祭りだった・・・

「俺、大丈夫だったよ。少しづつ、人混みに慣れてきている・・・」
ほっとしたように言うsyoujiさんの顔は明るかった!

京都へ足を延ばしてよかった・・・
「また、少し、syoujiさんに寄り添えた・・・」
keikoさんは、離れて暮らす不安が少し軽くなったようなそんな気がしていた・・・。

syoujiさんって、お祭り大好き!みたい・・・
今度は、「水戸の『黄門祭り』、一緒に行こう!」だって・・・



出会いはタイミング

2006-07-12 | 日記
「タカクラ・テル」?
実は、あの時はどんな人なのか詳しいことは何も知らず、ただ、ただ、
「人間を信じる心」という言葉に心を惹きつけられてしまったkeikoさん。

そうだ・・・
思い出しちゃうね・・・
あの時回ったところ、事前に調べて、そして歩いた訳ではなかったんだ。
「無言館」以外は、行き当たりばったりのコースだった。
それなのに、不思議なくらいsyoujiさんとkeikoさんの行く末を予見するかのように印象に残る場所がいくつもあった。

 まだ、お付き合いが続くかどうか分からないまま、初めて二人だけで会っただけだったのに・・・。
keikoさんは、ある程度「意を決して」のことだったけれど、syoujiさんはどうだったのかなぁ・・・

 syoujiさんは、仮釈放で社会に戻ってまだ1年8ヶ月目だった・・・
やっと、「自分の生活」が落ち着き始めた頃だった・・・
まだ、まだ自分の力で「生活を確立」することを最優先しなければならない時期だったように思う・・・。

「自分が、働いて得た給料で生活できる」喜びを知り、
少しづつ「社会でやっていける」そんな自信を感じ始めた時期だった・・・
女性と付き合ったり、ましてや結婚なんて考えてもいなかったと思う。
もちろん、keikoさんだってこの頃は・・・

そうでもなかったかな?・・・

あれから丸8年・・・
人生って本当に面白いね。
不思議だねぇ・・・

でもね、二人の会話・・・
「出会いってタイミングだよね」
「そうだね。あと少しだけ出会うのが早くても、あと少しだけ遅くても
きっと、私たちこうはならなかったよね」

初めてのデート

2006-07-11 | 日記
 keikoさんとsyoujiさんの初デートのこと・・・

 約1ヶ月、手紙と電話でいろんなこと話し合って、それから、とうとう「東京で会おう!」と言う事になったんだ。
正直、keikoさん、東京ってあんまり行ったことがなかった。
茨城の「山の中」で育ち、高校に入ってからは「ずっとずっと水戸」で暮らしていた。
(時々、syoujiさんが冗談に「水戸は田舎だ!」と言ってからかったりするもんだから、keikoさんも負けずに「利根町だっておんなじ茨城でしょう?」と返したりしていたっけ・・・。)

 常磐線に乗れば、上野駅が終点だから行く気になれば行けない事もないんだけれど、でも、どうせ行くなら・・・と考えたkeikoさん。
約束の前日になって、いきなり
「行きたいところがあるんだけど、変更してもらえますか?長野県の無言館に行きたいんです!」ってsyoujiさんに言ったんだ。

 keikoさん自身、生きていく目標みたいなものが見えなくなっていたときだから、必死だった。
前から行きたかったところで、syoujiさんと行くにはピッタリのところ、そう思ったんだ。
「生きる」ってこと、一緒に考えようって・・・。

 ちょっと受話器の向こうにsyoujiさんの「とまどい」を感じたけれど、「いいよ」という返事が返ってきた。(実は、後で知ったことだけれど、先約があってその数日後、おなじ無言館に行く約束が入っていたらしい・・・。keikoさん、そこへ割り込んじゃったんだ・・・。でも、あの時出かけなかったら今の二人はなかったかもしれない・・・)

 翌日、上野駅のホームでkeikoさんを待っていてくれたsyoujiさん。
「私の顔、おぼえているかな?」と少し心配していたkeikoさんをすぐに見つけて、それから長野県上田市までエスコート、案内してくれた・・・。

 そのときのkeikoさんの驚いたこと。
「なんて、電車の乗り継ぎに明るいんだろう!」
「29年も社会と離れていたはずなのに・・・」と大感動!

 今、振り返って・・・

「無言館」で感動!
翌日、
タカクラテルの「人間を信じる心」の碑の前に偶然立ったことも、keikoさんのこころを一層強くした・・・んだった・・・。

だけど・・・
syoujiさん、ずっと暗い顔をしていてkeikoさんは気になっていた・・・
後で聞いて分かるんだけど、
実はsyoujiさん、この時大きな悩みを抱えていたんだ・・・



よかったね・・・

2006-07-04 | 日記
「7度目の結婚記念日、おめでとう!」

「7年目のジンクス」、なんとかクリアできたね。
よかった!よかった!

いろいろあったね。
keikoさんの涙も何回も見ちゃったよ・・・。
些細なことで気持ちがすれ違ってしまい、激しい口論になったことも度々・・・
お互い、
「どうして、こうなっちゃうんだろう?」って思って自分を責めていた・・・

 ワタシから見てると
二人とも同じくらい強情なんだ・・・。
でも、仕方ないよね。
しっかりと「自分」というものを持っているふたりだから・・・。
どちらかというと、syoujiさんのほうは「カッと怒ってあとはサッパリ」タイプ。
keikoさんは「勝手に怒り出して、自分だけでもういいなんて、私の気持ちはどうすればいいの?!」とねちねち、ぐずぐず。それに、思ったことをそのときに言わないで溜めてしまい、時折不満を爆発させるタイプ。

keikoさんの奥の手は

「話があります。時間をとってください!」

 これが、意外と二人が本音を出して話し合うきっかけになって、仲直りのきっかけになってきたんだ。

 気短なsyoujiさんと、強情っぱりのkeikoさん・・・
互いの感情をぶつけ合うことで、時には傷つけあいながらも、回を重ねて話し合うこともしてきたから、お互い理解が深まってきたことは事実だと思う。
keikoさんは、syoujiさんのこと
「きちんと話せば、きちんと受け止めて返してくれる人」と信頼しているし、syoujiさんも、keikoさんへの信頼は揺らいでいない(と、思う)

 8年目に入るに当たって、「ありがとう!」とお互い笑って「記念日」を語り合える二人だから、
きっとこれからも大丈夫でしょう

生きてきた証し・・・

2006-07-03 | 日記
 この前、keikoさんが古いアルバムを引っ張り出して、なにやら探していた。
夜中遅くまでかかって、二晩ぐらい・・・
見終わったアルバムが次々に重ねられていって、とうとう20冊ぐらいになったかな・・・

 アルバムを見ながら、keikoさん「むかしのこと」約30年分ぐらい、いろいろ思い返していた・・・。

 とうとう最後まで目的の写真は見つからなかったんだけど、その積まれたアルバムの高さと、そこに残されている写真の量と、遠い記憶につながる写真を前に、ふとsyoujiさんの言葉を思い返していた。

「俺には、二十歳から49歳までの写真がないんだ・・・」

 淋しいよね・・・
20代、
30代、
40代・・・

 自分の生きてきたその時代、時代の「姿がない」んだよ・・・
 あまりにも酷いことだよね・・・
 悲しいことだよね・・・

失った時間は戻ってこないんだよ。
取り返そうにも、取り返せないんだよ。
ワタシだって、小さい頃から17年間の写真があるっていうのに・・・。

 もちろん、そんなことを口にして落ち込む姿を見せるようなsyoujiさんじゃないけれど、悔しいよね。
それを思ったら、keikoさん、余計に胸がいっぱいになってしまってね・・・。

 まだまだ、過去を振り返っている余裕などない生活のsyoujiさんだけど、闘いが済んで、ふたりで振り返ることができるように、社会に戻ってきてからの10年、今ある写真は、ちゃんと整理をしておこう、そうkeikoさんは考えていた・・・。