七重八重 花は咲けとも 山吹の
実のひとつだに なきぞかなしき
車で実家に行く途中、やまぶきの花が目に入り
「七重八重・・・
七重八重、花は咲けどもやまぶきの・・・」と口にしたら、娘が「なに?それ?」って訊いてきた。
実を言うと、娘に説明できるほど私自身も詳しくはない。
ただ、その短歌が好きで、でも、それ自体もはっきりと思い出せず、消化不良?のまま実家に着いてしまった。
当然、母とその話題になった。
母は、大田道灌が鷹狩りに行って雨に降られ、蓑を貸して欲しいと農家に行って頼んだこと。そこの娘が黙って、お盆に一枝のやまぶきをのせて差し出したこと。道灌は蓑を貸して欲しいと言ったのにと怒って、城に帰ってからその話をしたら、家来から
「貧しくて、蓑を貸してあげられないことを古歌に例えてやまぶきの花を差し出したのだ」と聞いて、自分がその歌を知らなかったことを恥じて、その後勉強して、後に名を残すような偉い人になったことなどを娘に話してくれた。
「おばあちゃんて、何でそんなこと知っているの?」と、娘。
傍で聞いていた父が
「なんだ、おめーら、そんなこともしらねえのか?
じいちゃんもばあちゃんも上の学校なんか行ってなくったって、ちゃんと知ってるんだぞ」と笑いながら言った。
母が
「そん時のやまぶきは山のやまぶきではなく、庭のやまぶきだったんだよな。山のやまぶきは一重だから、庭の八重咲きの花を差し出したんだ」
なるほど・・・。
そうか・・・。
だから、『七重八重』なんだ・・・。と、私も妙になっとくしてもう一度復唱した・・・。
七重八重 花は咲けども やまぶきの
実のひとつだに なきぞ 悲しき
80代の母と、50代も半ばを過ぎた私と30代に入ってしまった娘の
親子3代のある春のひとこま・・・でした。
実のひとつだに なきぞかなしき
車で実家に行く途中、やまぶきの花が目に入り
「七重八重・・・
七重八重、花は咲けどもやまぶきの・・・」と口にしたら、娘が「なに?それ?」って訊いてきた。
実を言うと、娘に説明できるほど私自身も詳しくはない。
ただ、その短歌が好きで、でも、それ自体もはっきりと思い出せず、消化不良?のまま実家に着いてしまった。
当然、母とその話題になった。
母は、大田道灌が鷹狩りに行って雨に降られ、蓑を貸して欲しいと農家に行って頼んだこと。そこの娘が黙って、お盆に一枝のやまぶきをのせて差し出したこと。道灌は蓑を貸して欲しいと言ったのにと怒って、城に帰ってからその話をしたら、家来から
「貧しくて、蓑を貸してあげられないことを古歌に例えてやまぶきの花を差し出したのだ」と聞いて、自分がその歌を知らなかったことを恥じて、その後勉強して、後に名を残すような偉い人になったことなどを娘に話してくれた。
「おばあちゃんて、何でそんなこと知っているの?」と、娘。
傍で聞いていた父が
「なんだ、おめーら、そんなこともしらねえのか?
じいちゃんもばあちゃんも上の学校なんか行ってなくったって、ちゃんと知ってるんだぞ」と笑いながら言った。
母が
「そん時のやまぶきは山のやまぶきではなく、庭のやまぶきだったんだよな。山のやまぶきは一重だから、庭の八重咲きの花を差し出したんだ」
なるほど・・・。
そうか・・・。
だから、『七重八重』なんだ・・・。と、私も妙になっとくしてもう一度復唱した・・・。
七重八重 花は咲けども やまぶきの
実のひとつだに なきぞ 悲しき
80代の母と、50代も半ばを過ぎた私と30代に入ってしまった娘の
親子3代のある春のひとこま・・・でした。