えん罪・布川事件 国賠を求めてたたかう夫の傍で

えん罪を晴らし、普通の一市民に戻った夫。二度と冤罪が繰り返されないようにと、新たな闘いに挑む夫との日々を綴ります・・・。

「要支援2」

2020-06-27 | 日記
 母の介護保険申請で「要支援2」と決定した。
父が88歳で他界してからまもなく8年。
母は、実家の跡取り娘でそれもあって「家を守らなければ」の強い思いがあった。
だから、私や東京の兄のところへ行くことよりも、生まれ育った家で最期を迎えたいという強い気持ちが母の健康を維持してきたように思う。

 現在、94歳。
ずっと一人で頑張って来てくれた。
でも、今年に入り体調を崩し、なかなか改善せず、気弱にもなって「介護申請しようか?」の問いかけに「そうだな。そうしてくれや」と言うことになったのだ。
 今月は、保健師さんの訪問があり、ケアマネージャーさん、福祉用品のレンタルの件で担当の方、ベッドの配送やさん、ヘルパーさんとの打ち合わせと慌ただしい日々が続いた。

 7月から、母にとっても、私にとっても新しい生活が始まります・・・。
家族以外の人と触れ合う中で、少しでも「外への関心」が向いてくれることを期待しているのですが・・・。



母の気持ち…

2020-06-16 | 日記
 息子の誕生日。
その日、母に
「幾つになったんだ?」と聞かれ、
「う〜ン。最近子どもの歳もすぐに計算できなくなってね」と私。
昭和、平成、令和と来てとにかく計算できなくなった。自分の歳も分からないくらいだからどうしようもない(^_^;)
(西暦でやれば良い。昭和○○に25を足して、それから計算すればいいんだ、とは夫の助言。確かに、と思うんだけど…。)

「○○君(私の弟)の歳を超えちゃったね、あの子も」と私。

「そうだなぁ…」

会話はそこで終わった。

 弟は、次男坊。
お母ちゃん子だった。ずっと家を離れて働いていたが、家を継ぐため実家に戻り、これからという時にガンを発病。そして、2年で逝ってしまった。

 あの時の母の悲しみの深さを私は知らない…。
今、自分の息子があのときの弟の歳を超えたことを認識し、改めて母の気持ちを考えている…。

「二人でいること」

2020-06-01 | 日記
  新型コロナウィルス感染拡大防止のための、緊急事態宣言が出され、外出自粛が言われ、まるまる2ヶ月家にいた夫が久しぶりに遠出している。

クーの様子がおかしいと思ったのは、初日の夜。いつもと違った大きな鳴き声で、家の中をあちこち歩き回っていた。
翌朝、いつも私の足の上で眠っているはずのクーがいないと思ったら、夫のベッドで寝ていた。少し、ひんやりした朝だったのに…。
リビングに降りても、何か落ち着かない。
 そうか・・・。
夫を探しているんだと気づいた

この家に「二人いる」っていうのが、クーにとってこの2ヶ月間で普通になってきていたんだ、と思った。。
 
 私にとっても…
こんなに長くずっと一緒にいたのは、結婚してから初めての体験だった。
(最初の10年は、お互い別々に住んでいたし、再審が終わった後約9年間ずっと、月の半分、夫は遠征?していたから(笑)

私も「二人いる」生活に、4月よりも、5月の方がもっと慣れてきていました。
その前に、夫の病気のことがあって、食事作りがあったから、実際には今までになく密度の濃い時間が私たちには流れていて、それはそれで結構緊張の続いた半年だったように思う。
不器用で気の利かない私と、否応なく死と向き合わざるを得ない緊張の中で過ごす夫と、気持ちの擦れ合いみたいなものをお互いに感じながらの時間だった。
でも、それがこの「2か月」は、お互いにスケジュールがほとんど白紙状態になり、普段よりゆとりを持って互いの姿を見せあえたとても良い時間だったように思えるのだ。
やはり病気の夫が目の前にいてくれた方が私は安心する。
「見えない」ことがどんなに不安を増幅するか・・・。
傍にいてくれ、欲を言えば「同じこと」が一緒にできたらいいんだけれど、とにかくお互いの趣向が違うのがネックかな…

母の「終活」

2020-06-01 | 日記
 母と夕食を一緒にし、帰るとき、
「玄関、外から閉めるね。玄関にわざわざ降りなくてもいいようにね」と言って帰ってきた。

「もし、私に何かあったとき、外から○○(兄)も、お前も入れなかったら困るなあって思ってたんだ。お前らが、持っててくれるなら安心だ」と言うことで、
先週、母の了解を得て、兄と私がそれぞれに実家の鍵を持つことにしたのだった。

「遺言」も母の体調の悪化がもとで思いがけずに聞く流れになり、私は動揺もしたが、母は母なりに終活を一通り終えた気分で、心も軽くなって元気になってきたのかな…。

夫は、「一旦死を覚悟したことで、逆に安心したのかも知れないね」と言った。

母の姿が見えない!ことへの不安・・・

2020-06-01 | 日記
 母のところに行った。
いつも、居間で横になってテレビを見ているはずの母がいない。電気も消えている。外は気温が28度もあるというのに廊下もカーテンがしまったまま。寝室も暗く、でも、姿がない。
台所にはいつも作りおきの煮物や、残った味噌汁の鍋があるのに、それらもきれいに洗われていて…。
玄関には杖もおいたまま…。
えっ?
何?どこに行ったの?
 先週まで、それも3ヶ月間も具合が悪かった母だ。急に胸がドキドキしてきた。庭に出て、家の回りを見回したら、
おばあちゃん?
痩せてほんとに小さくなってしまった母が背中を丸めて、草取りをしていた

「あれ?なんだ?(検査結果が出て)病気の名前が分かって来てくれたの?」と母。

「違うよ。顔を見に来たの。どうしたかな?って思って…。」

母は、いつもの穏やかな笑顔を見せてくれた。
私は安堵感で気が抜けた。
あの不安感は何だったのかと、一人苦笑した。
(それだけ、私にとってはこの数ヵ月の母の姿を見てきて、このまま弱っていってしまうのかなって思う気持ちがマックスになっていたのだった)

「大丈夫なの?私もやるわ。」

それから二人で庭の草取りをした…。
日陰に吹いてくる風は、カラッとしていて気持ちよかった。