明けの明星

ラテン語で「光もたらす者」、釈迦も空海もこれを観て悟りを開いたとか。
ちょっと、だいそれたタイトルになっちまったかな。

最後の6日間

2022年08月07日 04時45分45秒 | 心の旅

3月1日夕方に緊急外来で入院

点滴の痛み止めが効いて

あなたの痛みは少なくなった

 

ただ担当の医師からは

肝臓の数値が限界ギリギリ

いつ危篤になってもおかしくないと

 

どこまで延命処置をするのか考えておくこと

 

僕たちの意思は決まっていた

 

あなたが望んだ

いっさいの延命処置は望まないと

 

 

入院2日目

 

担当の医師からは

肝臓だけでなく腎臓や肺

すべての数値が跳ね上がっている

いつ危篤になってもおかしくない状態だと

 

コロナ第6波の蔓延で面会は不可だったが

特別に30分2人までの許可をもらう

 

子供たちや孫、あなたの妹や従姉を呼んで

順番に面会

 

 

入院3日目

 

京都から長男たちが到着

子供は面会不可だったが

交渉を重ね

病室からでて入口の自動ドアまで来れれば

ドアを解放して面会させてもらえることに

 

あなたは車いすでそこまで行くと訴え

二人の孫と2~3分話した

 

 

入院4~5日目

 

目の色が黄ばみ焦点も定まらなくなってきた

呂律が回らず呼吸も浅い

携帯も操作できない

テーブルの飲み物も取れない

コロナで看護師が少ない

呼び鈴を押しも看護師はこない

死んでいく人には冷たいんだな

一瞬でもいいから家に連れて帰りたかったよ

 

入院6日目

 

朝10時30分

病院から危篤の知らせ

 

三男が病院のロビーに到着してたので

大至急病室に行ってと連絡

 

でも三男が病室に着いた時には

すでに心臓は止まっていた

 

1時間後

僕と二男が病室に

 

まだ体は温かかった

 

最後の一番苦しい時に

一緒にいられなくてごめんなさい

 

いままで本当にありがとう

大好きだよ

 

死亡診断書

3月6日午前10時30分永眠

死因 多臓器不全

 

 

コメント
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