3月1日夕方に緊急外来で入院
点滴の痛み止めが効いて
あなたの痛みは少なくなった
ただ担当の医師からは
肝臓の数値が限界ギリギリ
いつ危篤になってもおかしくないと
どこまで延命処置をするのか考えておくこと
僕たちの意思は決まっていた
あなたが望んだ
いっさいの延命処置は望まないと
入院2日目
担当の医師からは
肝臓だけでなく腎臓や肺
すべての数値が跳ね上がっている
いつ危篤になってもおかしくない状態だと
コロナ第6波の蔓延で面会は不可だったが
特別に30分2人までの許可をもらう
子供たちや孫、あなたの妹や従姉を呼んで
順番に面会
入院3日目
京都から長男たちが到着
子供は面会不可だったが
交渉を重ね
病室からでて入口の自動ドアまで来れれば
ドアを解放して面会させてもらえることに
あなたは車いすでそこまで行くと訴え
二人の孫と2~3分話した
入院4~5日目
目の色が黄ばみ焦点も定まらなくなってきた
呂律が回らず呼吸も浅い
携帯も操作できない
テーブルの飲み物も取れない
コロナで看護師が少ない
呼び鈴を押しも看護師はこない
死んでいく人には冷たいんだな
一瞬でもいいから家に連れて帰りたかったよ
入院6日目
朝10時30分
病院から危篤の知らせ
三男が病院のロビーに到着してたので
大至急病室に行ってと連絡
でも三男が病室に着いた時には
すでに心臓は止まっていた
1時間後
僕と二男が病室に
まだ体は温かかった
最後の一番苦しい時に
一緒にいられなくてごめんなさい
いままで本当にありがとう
大好きだよ
死亡診断書
3月6日午前10時30分永眠
死因 多臓器不全