我が家秘伝のメイン料理
通称 ぶっかけご飯
そら豆の味噌汁
祖母の代には
初夏のこの時季はほぼ毎日 朝も夕も
戦中から戦後にかけては
商売で忙しかったし
どこの家庭でも
今みたいに肉や魚はめったに食べれなかった
昔 祖父の実家が乳牛を育てていたので
牛の肥料としてそら豆を畑に大量に植えてあった
まだ若い採れたてのやわらかい豆で
味噌汁にしてた
材料は
水と味噌とそら豆だけだ
味噌の辛さとそら豆の甘さが
ぶっかけご飯には最高の友だった
僕の母も豆類が好物だったし
3年半前に亡くなった母の弟も
我が家に来たときには
昔を思い出しながら美味しそうに食べてくれた
柔らかそうなそら豆を見つけると
あなたは昔のままの
味噌汁を作ってくれた
僕の最後の晩餐は
これで決まりだ
おっと
仏さんにお供えしないとね