2027年度大河ドラマ『逆賊の幕臣』で主人公となる小栗上野介忠順。
大隈重信が「明治政府の近代化政策は小栗上野介忠順の模倣」と語った話は有名。
大隈の妻綾子は小栗の従姉妹で、親戚である小栗の功績を過大に表現したのでしょう。
幕府の近代化政策は小栗一人でやっていたわけではない。例えば小栗のライバルとされる勝海州だって働いている。
佐賀藩出身の大隈は佐賀藩主:鍋島直正や薩摩藩主:島津斉彬がペリー来航の前から近代化事業を進めていたことを良く知っているはず。(幕府が実行した近代化政策は多くがペリー来航の後に慌ててバタバタと始めた、悪い言い方をすると「泥縄近代化」)
そもそも、あの時代の近代化と言ったら、幕府だろうが薩長土肥だろうが全部欧米の模倣。何か幕府独自の、小栗上野介忠順オリジナルの、近代化が有ったわけではないです。
小栗上野介の功績を明治政府が「封印した」とか「抹殺した」とか言ってる人もいるようですけど、そんな事実はありません。幕府側の人間だから注目度・評価が低かったのは事実だけど、「封印」も「抹殺」もされてません。
前述の大隈重信の発言や、有名な“東郷平八郎が小栗の子孫を自宅に招き「日本海海戦の勝利は小栗上野介忠順が横須賀造船所を造ってくれたおかげ」と謝意を顕した”という話などはその証拠。もし「封印」「抹殺」されていたなら有り得ないでしょう。
戦前の文部省による国定教科書『初等科國史』(大阪書籍発行)では、幕末維新期の軍事・産業の近代化にはたった一か所しか触れていないのですが、そこに出てくる名前は、幕府側と言うしかない高橋四郎太夫(高橋秋帆)と江川太郎左衛門(江川英龍)の二人。江川がペリー来航前に幕府に建設許可を求めたものの、ペリー来航の後にやっと許可が出た韮山反射炉の写真まで載ってます。さっきも言ったようにペリー来航の前から近代化事業を始めていた実用反射炉建設其の他の佐賀藩:鍋島正直や集成館事業などの薩摩藩:島津斉彬とかではなく、幕府側の二人なんですよ。どこに幕府側の人間の功績に対する「封印」「抹殺」があると言うのでしょうか?
みっともない被害者ヅラはやめて頂きたいものです。
