所謂「薩長同盟」は他ならぬ薩摩が構想し西郷隆盛が中心になって当時薩摩配下にあった坂本龍馬らを使って工作を進め成立したもので、“坂本龍馬が薩長の和解連携を発案し、彼が仲介して気乗りしない両者を説得し手を結ばせた”という「薩長連携発案仲介伝説」は数多い架空のウソ話「龍馬伝説」の一つに過ぎない。
NHK大河ドラマ『花燃ゆ』の第34回「薩長同盟!」を観た。所謂「薩長同盟」は薩摩が望んだもので其の結果成立したものである、という描き方がされていた。その点は史実の通りである。『龍馬伝』からすると大変な進歩だ。
だが、「薩長同盟」を坂本龍馬が“仲立ちした”というウソ話龍馬伝説「薩長同盟仲介伝説」が相も変わらず踏襲されていたのはガッカリである。
当時坂本は薩摩の配下にあって「薩長同盟」成立を画策する西郷・小松帯刀らの指示を受けて動いていたに過ぎない。上司命令に従って働いた単なる“お使い”のした仕事を「仲立ち」とは言わない。
番組内で「亀山社中」「薩長同盟」という呼称が登場したが、両方とも明治になってから創作された言葉である。