メガリス

私の文章の模倣転用は(もしそんな価値があるなら)御自由に。
私の写真についての“撮影者としての権利”は放棄します。

NHK小松帯刀、何故かトーンダウン。

2008年11月27日 23時25分16秒 | NHK大河ドラマ『篤姫』

 “戦”と聞いただけで条件反射的に「戦だけは避けねばなりません!」と金切り声をあげていたNHK大河ドラマ『篤姫』の小松帯刀。

 ところが、第四十五回「母からの文」で“何故反戦平和でなければならないか”の理由を解説するようになり、ついに、11月23日放送第四十七回「大奥の使者」では、「“無益な戦は”避けねば」というふうにトーンダウンしてしまった。
 どうした、NHK帯刀?情勢分析も戦略も駆け引きも大義名分も何も関係無しに、ただ反戦平和主義者の馬鹿の一つ覚えで「戦だけは避けねばなりません!」と絶叫してこそのキミじゃないか。
 それとも、“戦争はしないほうがいいに決まってるが、避けて通れない戦争もある”という人類普遍の当たり前の真理に、キミも、四十七回目にしてついに気づいてしまったのか?だとしたら、遅すぎる。

 前回「大奥の使者」の終わり方や第四十八回予告編をみると、どうやら物語は、“江戸城無血開城は、勝海舟に西郷隆盛との直談判を命じ其の談判の席で西郷に江戸総攻撃を思いとどまらせることになる何かを託した篤姫の手柄”という展開になりそうな気配だ。
 実在の天璋院(篤姫)もあの世でビックリだろう。現代風の言い方なら「えー!?私、そんなことしてないわよぉおお!」と言ってるだろう。
 テレビドラマや小説や萬画の内容を真実だと思い込む◯◯が沢山いるんだがね。。。どうするんだ。


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龍馬伝説「大政奉還発明奔走伝説」はウソである。

2008年11月21日 20時40分00秒 | 幕末維新

 ”坂本龍馬が大政奉還を発明し、彼の奔走によって実現した”という龍馬伝説「大政奉還発明奔走伝説」はウソである。

 5・6年前に買って飛ばし読みして以来行方不明だった、幕末明治期の政治・思想史研究者として著名な松浦玲氏の『検証・龍馬伝説』(論創社刊)遂に発見した。エッチなビデオ・DVDを入れていた箱から出てきた。松浦先生、ごめんなさい。 

 ざっと読んだだけだったので具体的な内容は余り記憶していないのだが、歴史的実在の坂本龍馬と、主に司馬遼太郎の空想歴史小説『竜馬がゆく』によって形成された通俗的坂本龍馬像は全然違うのだという大雑把な認識をこの本によって持った。 

 とりあえず私が関心を持った部分を引用させて頂く。
 大政奉還は龍馬の発案ではない、というお話である。
 引用文中に登場する「A氏」とは、松浦氏が会った「ある初対面の、狭義の龍馬専門家ではないけれども龍馬に関する著述をお持ちの人」である。 
 (ルビは当該文字・語句の直後に”《 》”でくくって表記した。文字強調は私メガリスによる。) 

-------------------引用開始 

 大政奉還についても触れて置こう。『竜馬がゆく』では、これから後藤と共に上方に向うという六月の長崎、小曽根家にいる「おりょう」に書置きを残して外へ出た龍馬が、夜の石畳を歩きながら大政奉還の思案を続けるという場面になる。
 そこで龍馬の思いついている大政奉還は、後藤から土佐藩の政治的行方について相談されたときに「とっさにひらめいた案」で、「驚天動地の奇手」というべきものだとの司馬さんの解説が入る。これは小説の主人公龍馬に対する司馬さんのサービスである。 
 実際には大政奉還論は早く文久段階から大久保一翁や松平春嶽によって、政局に影響力を持つ議論として持出されている。文久二年(一八六ニ)の一翁はその論が一因となって側用取次という旗本としては最高の、将軍に対して強い影響力を行使できる地位から左遷された。文久三年の春嶽は攘夷を拒否して将軍職を返上せよと政事総裁職のポストを賭けて争い、敗れると任務を放棄して福井に引込んだ。 
 一翁も春嶽も政権を返上すべきだとの考え方を生《き》まじめに堅持し続け、機会あるごとに繰返し持出している。近いところでは十四代将軍家茂《いえもち》 が長州再征中の大坂で死んだあとのことがそうだ。春嶽は、徳川本家も尾張徳川家や紀伊徳川家と同じ一徳川家の位置に下がり、政治方針は朝廷の招集する大名 の会議で決するべきだとの意見であった。慶喜は春嶽を裏切って十五代将軍の地位に就いたのである。 
 龍馬は一翁や春嶽から直接に話を聞かされているのだから、文字通りの直弟子である。したがって「とっさにひらめた案」だとか「驚天動地の奇手」だとか言うのは褒めすぎ、龍馬に対するサービスのし過ぎである。龍馬の功績は、春嶽や一翁から受売りの大政奉還を、藩から幕府に建白させる「きっかけ」を作ったというに過ぎない。 
 しかしこれも、かく言う私の意見は「歴史」ではなくて、司馬さんの『竜馬がゆく』の方が「歴史」なのであるから、たとえばA氏では、そのような驚天動地の 奇手を思いつく龍馬の存在を、統制型人間である薩摩の大久保利通は許すことができず、殺意を固めるという話になるのである。大政奉還論は龍馬の発明ではありませんよと私などが横から言っても耳には入らない。 
 司馬さんが龍馬に対するサービスとして「驚天動地の奇手」と書いたことが、或る種の読者の側では、実際の大政奉還を龍馬が殆ど一人で実現したかのごとき思 い込みにつながり、龍馬暗殺の真犯人を大政奉還反対派に求めるという賑やかな(これはもちろんA氏だけではない)議論につながっていくのである。 

引用終了-------------------

 

  

 

 

 


坂本龍馬は反戦平和主義者ではないよ。NHK『篤姫』

2008年11月16日 23時33分30秒 | NHK大河ドラマ『篤姫』

「どうすれば戦にならずに済むか。坂本(龍馬)さんはそればかり考えていた。」
 NHK『篤姫』第四十六回「慶喜救出」でNHK小松帯刀がこう言った。ただの作り話である。

 幕臣大久保一翁(おおくぼ いちおう)や福井藩主松平春嶽(まつだいら しゅんがく)らが発案提唱した大政奉還策を、坂本龍馬は地元土佐藩浮揚の一手として後藤象二郎に示した(と伝わるが、この話にもちゃんとした根拠は無い)。ただそれだけで、龍馬は大政奉還に関して他に何もしていない。何もしていないどころか、大政奉還建白に走り回っている後藤が知らないところで、木戸孝允への手紙に“(武力討幕派の)乾(板垣)退助に相談し、後藤は土佐か長崎に引っ込める”などと土佐藩政に何の影響力も持たない龍馬に出来るはずの無い出鱈目なハッタリをかましたりしている。
 龍馬は所謂「武力討幕派」と「大政奉還派」の間を状況次第で右往左往していて、「結局、キミはどうしたいワケ?」と聞きたくなるようなみっともない尻軽男ぶりである。

 坂本は「どうすれば戦にならずに済むか」ばかりを考えている“反戦平和主義者”ではない。だいたい反戦平和主義者がピストルなんか持ち歩いて、奉行所の捕り方を二人も射殺したりするか。

 この番組において坂本龍馬や小松帯刀を反戦平和主義者であるとするのは製作陣らの作り話である。
 何のための作り話か。
「反戦平和主義者である坂本龍馬や小松帯刀は早く死に、彼らと違って好戦的な西郷・大久保らが近代日本を造った。近代日本は最初から好戦的な“間違い日本”だったのだ。“好戦的間違い日本”がアジアを侵略したのは当然なのだ。」このように明治維新・近代日本誕生にケチをつける為だろう。

 NHKは、そのプロパガンダを再来年の大河ドラマ『龍馬伝』でまたしつこく繰り返すつもりでいるのだろう。






反戦平和を”解説”する篤姫・小松帯刀

2008年11月14日 23時04分16秒 | NHK大河ドラマ『篤姫』

 最近NHK篤姫・小松帯刀が反戦平和の“解説”をするようになった。

 「戦はもう嫌にござりますね。」
 「戦だけは避けねばなりません!」
 NHK大河反日サヨクプロパガンダドラマ『篤姫』に登場するNHKサヨク篤姫・小松帯刀は、以前は、条件反射的にこう言うだけだった。

 だが、平成20年11月9日20時より放送の『篤姫』第45回 「母からの文」 から、なぜ戦だけは避けるべきなのかの“解説”をするようになった。
 薩長と徳川が武力衝突する可能性を勝海舟から示唆されたNHK篤姫がこう言う。「戦はならぬ。戦だけは避けねばならぬ。」「勝とうが負けようが、戦とは決して人を幸せにはせぬもの。それだけは私にも判る。」
 また、薩摩の計略に乗った旧幕府方による薩摩藩邸焼き討ちにより双方の軍事的衝突が確実な情勢に至ったことを知ったNHK小松帯刀は悲嘆しこう言う。「戦が起これば人が死ぬ。日本国の行く末が見えぬままの戦なら、その者たちは皆無駄死になる。そうせぬ為に必死に闘ってきたはずだったのに。」

 興味深い変化だ。
 「戦争反対!と叫びさえすれば、一人残らず黙って賛同し拍手してくれるはずだったのに。。。どうも、最近そうじゃないみたいだ。。。」
 「反戦平和主義」信仰で頭が凝り固まった製作陣らも、さすがに、やっと世間の空気を察したのではないだろうか。

 「これではいけない!反戦平和・暴力反対・人命第一の真理を愚かな国民どもに再教育しなければならない!」
 お節介にもそう思い、ご丁寧に“解説”を付け加えるようになったのだろう。

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突然、足痛発症NHK小松帯刀

2008年11月14日 13時59分23秒 | NHK大河ドラマ『篤姫』

 NHK小松帯刀が足痛を患った状態で登場した。

 平成20年11月9日20時より放送のNHK大河ドラマ『篤姫』第45回 「母からの文」 で、突然、小松帯刀が足痛により歩行困難な状態で登場した。視聴者の多くが「彼の身に突然何が起きたのだろう」と当惑したに違いない。

 実在の小松帯刀は元来病弱で、彼の足は以前から調子が悪かったのだ。(美食家だった彼は糖尿病を患い足痛もそれによるものという説がある。)大政奉還の後に急病を発したわけではない。
 事前に“病で足の状態が思わしくない”という状況を描き込んでいればよかったのに、何故そうしなかったのか。

 そう言えば、物語がまだ序盤の頃、薩摩時代の篤姫が幾島(松坂慶子)と初めて会った時、それまで今で言う共通語で喋っていた篤姫が突然薩摩訛りに変身するという奇妙な場面があった。後に続く「姫様の言葉には薩摩訛りがある」と幾島が注意するセリフと辻褄を合わせる為の泥縄式演出である。

 この番組の製作陣は“伏線を張る”というごく基本的なことも出来ないほど無能なのかな? 

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馬政権の”自殺点”か?陳水扁前総統逮捕

2008年11月13日 01時09分12秒 | 台湾

 この逮捕劇は、馬政権にとって”自殺点”となるのではないか。

 ”支那人”のやり口を目の当たりにした”台湾人”からの猛烈な反発があると予想する。

 どうせやるなら、支持率が高いうちにやるべきだった。

 以下、iZaより引用。

--------------------引用開始

“韓国化”する台湾政治 前権力者の逮捕ショー
11/12 21:44更新
 台湾の陳水扁前総統が12日、総統府機密費横領やマネーロンダリング(資金洗浄)などの容疑で逮捕された。逃亡の恐れもない前総統に手錠をかけるなど、与野党の根深い対立を反映した政治ショーの色合いも濃厚だ。一足先に民主化した韓国で、2人の大統領経験者が逮捕された歴史を想起させる。しかし、中国の統一攻勢にさらされる台湾には島内抗争にかまけている余裕はないはずだ。

 1990年代初頭、筆者はひょんなことから台北市内の陳水扁氏宅を訪ねたことがある。陳氏が民主進歩党の若手立法委員(国会議員)として、めきめき頭角をあらわしていたころだ。

 テロの疑いのある事故で下半身不随になった妻の呉淑珍氏の治療のために著名気功師を招き、夫妻で一心に回復を念じているところだった。気功師の助言に謙虚に耳を傾けている姿は、選挙運動での激しい弁舌ぶりとは別人のようだった。

 それから10年もたたない2000年5月、李登輝氏に続く2人目の本省人(日本統治時代からの台湾住民とその子孫)総統となった。しかし政権発足当初は80%近かった支持率は半年後には30%台に急落した。

 議会多数派の中国国民党との意思疎通を欠き、与野党の抗争が日常化した。2004年の総統選では投票日直前の銃撃事件で負傷して同情票が集まり、奇跡的な逆転劇を演じた。

 ところが2期目に入ったころから親族、家族など周辺の金銭スキャンダルが相次ぎ、退陣を求める大規模な抗議行動が長引いて政治が空転した。陳氏は求心力の低下を台湾ナショナリズムの鼓吹によってカバーしようとの動きを強め、中国の反発はもちろん日米との摩擦も強まった。

 5月末の退任からわずか半年での逮捕劇には、「水に落ちた犬をたたく」華人社会の苛烈(かれつ)さを感じざるを得ない。近く夫人や子弟も逮捕されるもようだ。

 真相の徹底究明は司法に委ねるとしても、総統職を2期8年続けた要人や家族に対しては相応の紳士的対応が必要だろう。陳氏は手錠をかけられたうえ、連行の際に警官から暴行を受けたと主張している。

 陳水扁政権下で“冷や飯”を食わされた親中派外省人(中国大陸出身で戦後台湾に渡来した住民とその子孫)勢力の報復を思わせる。

 しかしこうした行為、対応は台湾の民主政治をおとしめる。与野党(国民党対民進党)や、本省人対外省人の根深い対立を増幅することになりかねない。

 馬英九総統ら外省人を中心に構成する現政権は20%台の低支持率にあえいでいる。このため「前政権のスキャンダルを徹底的に追及することで不満の矛先をかわし、政権の浮揚を図ろうとしている」(民進党関係者)との指摘もある。

 これが本省人の台湾人意識を刺激し、政局の混迷を加速しかねない。台湾民主政治の混迷は、中国の共産党独裁政権を喜ばせることになる。

 韓国は1988年に盧泰愚氏が初の民選大統領に就任して民主体制に移行したが、後任の金泳三大統領の時代に全斗煥、盧泰愚の元・前大統領が逮捕された。

 その後任の金大中政権以降は政権交代に伴う報復はなくなり、民主政治が定着したようだ。強大化する中国と対峙(たいじ)する台湾には韓国のような回り道をしている時間はないはずだ。(編集委員 山本勲)

 


西郷・大久保役は博多華丸・大吉に

2008年11月06日 21時54分28秒 | 幕末維新

 平成22年度NHK大河ドラマ『龍馬伝』の主役に福山雅治氏が決まったそうだ。

 篤姫・小松帯刀・坂本龍馬・勝海舟らを反戦平和・暴力反対・人命第一の”サヨク志士”にでっち上げる一方で、西郷隆盛・大久保利通らを近視眼的・好戦的な愚者に貶め、「西郷・大久保らが造った近代日本は最初から間違いだったのだ」と、明治維新と近代日本誕生にケチをつけるのが目的のNHK大河反日サヨクプロパガンダドラマ『篤姫』の路線を継承し強化するだろうから、内容的には全く期待していない。

 だが世間ではそれなりに注目を集め多くの人が見るわけだから無視もできない。つまり私にとっては「要注意番組」なのだ。

 毎週毎週、呆れたり怒ったり失笑したりと不快な思いをさせられるに決まっているので、せめて配役などで楽しませてもらいたいと思う。 

 で、西郷隆盛と大久保利通役に、お笑いコンビの博多華丸大吉を推薦する。もちろん華丸氏が西郷、大吉氏が大久保である。二人とも長身で顔つきもそれぞれに似ているから適役だ。『篤姫』では同じお笑い芸人のネプチューンの原田泰造氏が大久保を演じているのだから、無理では無いだろう。

 それが叶わない場合は、西郷役に高嶋政宏氏を希望する。高嶋氏は以前何かのドラマで西郷役をやったことがあり、今年公開された鹿児島を舞台にした映画『チェスト!』ではほぼ完璧な鹿児島弁を操り鹿児島のオヤジを見事に演じきった。現在の有名俳優のなかで彼以上に西郷役に適した人物はいないと思う。西郷隆盛を悪人扱いし貶めることに必死の日本テレビ『日本史サスペンス劇場』でも、西郷役に高嶋氏を使って欲しいものだ。そしたらほんの少しだけ許してやる。

 大久保利通役は、いろいろ考えた末、鹿児島出身の沢村一樹氏の起用を思いついた。ただ、彼は”エロキャラ”が定着しつつあるので、どうかな。面白いとは思うけど。


大政奉還は龍馬の発明ではないし「反戦平和主義」だからでもない。

2008年11月06日 21時08分00秒 | 幕末維新

 坂本龍馬は、幕臣大久保一翁(おおくぼ いちおう)や福井藩主松平春嶽(まつだいら しゅんがく)らが発案提唱した大政奉還策を、地元土佐藩浮揚の為の一手として後藤象二郎に示した(とされるが、根拠が有るわけではない)。大政奉還実現に奔走したのは後藤象二郎であり、龍馬は何もしていない。

 テレビで坂本が取り上げられる場合によく出てくる“戦争を避け平和的に政権交代する為の方策として龍馬が大政奉還策を発案し、彼の奔走で実現した”という「大政奉還発明奔走伝説」はフィクションである。 

 平成20年11月5日(水)19:58分より日本テレビ系で放送された『日本史サスペンス劇場 坂本龍馬が愛した女達』(プロヂューサー・総合演出:近澤駿)でも、“坂本龍馬が、内乱を避け新しい日本国を作る為に、大政奉還を提起した”といういい加減な描写をしていた。

 NHK大河ドラマ『翔ぶが如く』『琉球の風』『篤姫』の監修をした鹿児島大学教授:原口泉氏はその著書『龍馬を超えた男 小松帯刀』でこう語っている。(文字強調は私メガリスによる。)

-------------------引用開始

  激動の幕末を考えるうえで、とくに大政奉還についてはいろいろな考え方がありましたが、歴史作家・桐野作人氏は、これを三つに分けて整理しています。

 一つは、最高意思決定機関としての幕府は否定し、行政機関としての幕府存続を認めるという「大政奉還」です。これをA型とするとB型は、行政機関としての幕府も否定するが、徳川家の存続は認めるという形での「大政奉還」です。そしてC型は、王政復古のクーデターを起こして徳川家の存続までをも否定しようという形での「王政復古」です。

 最終的に、龍馬はA型、帯刀はB型、西郷、大久保はC型だったというのが桐野氏の見方ですが、私も同感です。そういう意味で、帯刀は、龍馬ともすこしずれていっていたのかもしれません。

引用終了-------------------

 坂本龍馬はすっかり反日サヨクマスコミ好みの「反戦平和主義者」に仕立て上げられてしまっている。お気の毒に。坂本龍馬ファンの方々は少しは怒ったらどうかと思う。坂本は「反戦平和主義者」ではない。「反戦平和主義者」がピストルなんか持ち歩くもんか。捕縛を逃れる為とはいえ伏見奉行所の捕り方2名を射殺したりしないだろう。自分の身を守る為に武装し、議論による説得に応じない相手は計略や実力で言うことを聞かせることも厭わないという、あの時代のごく普通の武士だ。

 私の予想に反して、今回の『日本史サスペンス劇場』では龍馬暗殺犯について「薩摩藩陰謀説」を明示的に紹介することはなく、“何者かによって暗殺された”という説明しか無かった。

 だが、明らかに、視聴者に「西郷が怪しい」という印象を抱かせようという意図のこもった演出だった。大政奉還を提案したのが坂本龍馬であることを知った西郷は激怒し「坂本どん、行く道が違うてしもうたな」とつぶやき、その直後に龍馬暗殺の場面が続く。平均的な思考能力の有る者なら誰でも「西郷が龍馬暗殺を命じたということだな」と理解する。
 歴史学者の間では“京都守護職を勤めていた会津藩主松平容保(まつだいら かたもり)〔或いは、正式な命令系統からは外れるが、容保の実弟で京都所司代の任にあった桑名藩主松平定敬(まつだいら さだあき)〕の命令により彼の配下にあった京都見廻組(きょうとみまわりぐみ)が殺害した”というのが定説となっており、其れに対する反証反論は殆ど無い。にもかかわらず其の定説を解説することすらしない。
 理屈もへったくれも無く、何が何でも西郷隆盛を悪者にしなければ気がすまないらしい。

  諸大名から天皇へ領地・領民を返還する「版籍奉還」が明治2年(西暦1869年)、藩を県とし知藩事(旧藩主)を東京へ移住させ各県に県令を派遣する「廃藩置県」が明治4年(西暦1871年)に実施されている。慶応3年(西暦1867年)の大政奉還から僅か2年目と4年目に行われた、幕藩体制を完全に終結させる為の特筆すべき大改革なのだが、一般的にはさほど馴染みがある出来事とは言えない。反対者による実力行使を伴う抵抗などの大事件が起こることなく、ほぼ平穏無事に実施されたからだ。
 それは一体誰のお陰なのか。
『日本史サスペンス劇場』が目のカタキにしている、反日サヨクの天敵西郷隆盛と大久保利通らが、徳川家・譜代大名ら旧幕府側の軍事的経済的政治的実力を奪う“実質倒幕”を断行したからではないか。

 保守的な坂本龍馬が企図したように徳川家ら旧支配勢力を温存したままだったら、あのような早い時期に「版籍奉還」「廃藩置県」は実行できなかったはずだ。そもそも、彼らが勢力を保持したままの新政府では、そのような政策の決定がなされること自体が有り得なかったのではないか。

 西郷・大久保らによる“実質倒幕”が無かったら、近代日本の歩みは間違いなく10年、場合によっては数十年遅れただろう。そして、まごまごしている間に日本は欧米列強の植民地にされてしまったかも知れない。

 坂本龍馬を反戦平和主義の「サヨク志士」にでっちあげ、西郷隆盛を権力奪取の為に平和を乱す単なる戦争好きに貶める『日本史サスペンス劇場』のプロデューサー・総合演出:近澤駿氏は、そうなった方が良かったと思っているのだろうか。




龍馬殺害実行者の定説「京都見廻組(きょうとみまわりぐみ)」

2008年11月04日 01時47分01秒 | 幕末維新

 坂本龍馬殺害実行者は「京都見廻組(きょうとみまわりぐみ)」というのが既に定説となっている。

 平成20年11月5日(水) 19:58から日本テレビ系で『日本史サスペンス劇場 龍馬を愛した女たち』(プロデューサー・総合演出:近澤駿)が放送予定だが、龍馬殺害事件についても言及されるらしい。

 反戦平和・暴力反対・人命第一の反日サヨクにとっての天敵西郷隆盛を目のカタキにするこの番組のことだから、龍馬殺害事件についても専門の歴史学者からは嘲笑されている俗説の一つでしかない“薩摩藩黒幕説”をことさら強調し、またしても西郷を悪者扱いにするに違いない。大政奉還後の徳川氏の処遇について坂本龍馬と意見を異にしていた西郷らが坂本の居場所を幕府側に漏らした、あるいは直接「人斬り半次郎」こと中村半次郎(後の桐野利秋)を差し向けて坂本を暗殺したという説だ。昨年9月18日に放送されたこの番組の前身である『本当にあった日本史サスペンス劇場』でもそうだった。

 歴史学者の間では坂本龍馬殺害実行者については確定した定説がある。「京都見廻組実行説」だ。

 NHK大河ドラマ『翔ぶが如く』『琉球の風』『篤姫』の監修をした鹿児島大学教授:原口泉氏の著書『龍馬を超えた男 小松帯刀』から龍馬暗殺に関しての記述を引用する。

--------------------引用開始

 犯人はいまだにわかっていません。ただ龍馬はこれまで、帯刀の庇護下で活動していました。その庇護がなくなったとき、龍馬をかねてから狙っていた京都見廻組の佐々木只三郎らに殺されたと見るのが妥当でしょう。

引用終了--------------------

 もう少し詳しい説明をウィキペディアから引用する。(文字強調は私メガリスによる。)

--------------------引用開始

京都見廻組実行説
大正時代になって元見廻組隊士だった今井信郎、渡辺篤の口述で、佐々木只三郎らが実行犯であると証言している。また、勝海舟は幕府上層部の指示であるとも推測している。この見廻組実行説がいわば通説となっており、これに疑問を呈する歴史学者は皆無に等しい。ただし、今井や渡辺の口述に食い違う部分(刺客の人数構成、現場に置き忘れた鞘の持ち主など)があるため、主に作家を中心に色々な異説が唱えられている状況である。なお現場に駆けつけ中岡慎太郎を見舞った谷干城は京都見廻組説を信じていなかったという。

(中略)

薩摩藩陰謀説
大政奉還以降、龍馬は幕府に対する態度を軟化させ、徳川慶喜を含めた諸侯会議による新政府の設立に傾いていたともいわれる。武力倒幕を目指していた西郷隆盛、大久保利通らが、こうした龍馬の動きを看過できなくなり、故意に幕府側に龍馬の所在を漏らしたとする説。徳川慶喜の処遇をめぐっては、西郷隆盛と坂本龍馬では意見の相違があったことは明らかになっている。維新クーデターによる大政奉還派の暗殺説は、佐々木多門の書状や近江屋の女中たちの証言などの資料をもとにしている。また、この説は大政奉還路線と武力倒幕路線の対立を必要以上に強調しすぎたきらいがあり、両者は相容れない路線ではなかったとする学説を全く考慮に入れていないところが最大の問題で、その点で根拠が弱い。この説には一部で熱狂的な支持者がいるものの、歴史学界ではほとんど相手にされていないのが実情である。

引用終了----------------------

 エライ学者さんたちの間の定説だからこれが正しいのだ、などと言う気は無い。だが、この定説を覆すような事実は殆ど見当たらないのだから、やはりこれが真実であろう。

 土佐の大政奉還運動の主役は後藤象二郎だった。坂本龍馬が其の中心人物だったというのはフィクションに過ぎない。龍馬は薩長と足並みをほぼ揃えていて、もし徳川慶喜が大政奉還策を受け入れないなら慶喜を襲撃殺害する計画まで練っていた。“龍馬は平和的大政奉還論者でその運動の中心人物だった”というフィクションを前提とし「あくまで武力討幕を目指す薩摩が平和的大政奉還論者の龍馬を疎んじ殺害した」という見当違いのリクツを述べているのが「薩摩藩黒幕説」である。

 「西郷降し」の目的で、あるいは、単にお話としての面白いからという理由で、西郷や薩摩に濡れ衣を着せるのは止めて頂きたい。


西郷は腹を切ってない。

2008年11月03日 23時13分00秒 | 幕末維新

 昨晩平成20年10月29日19時58分より日本テレビ系で放送された『日本史サスペンス劇場 大奥を去った篤姫物語』(プロデューサー・総合演出:近澤駿)の西南戦争のくだりで、西郷隆盛が刀で腹を切る映像があった。

 馬鹿が。
 西郷は腹を切ってはいない。作法としては切腹の作法だったが、自分で腹を斬ることはなく別府晋介の介錯のみで果てたのだ。出鱈目やりやがって。馬鹿マスコミが。

 この『日本史サスペンス劇場』での西郷隆盛に関する描写はインチキばっかりだ。不勉強で正しい知識が無いからというより、初めから扱いがゾンザイなのだ。他の歴史上の著名人には有名な俳優・タレントを起用しているのに、西郷役は無名の役者で済まし”その他大勢”扱いをしているのもその証左だ。

 『日本史サスペンス劇場』は、事実と異なる描写と出鱈目な解釈を積み重ね必死で西郷隆盛を貶めようとしている。NHK大河反日サヨクプロパガンダドラマ『篤姫』と並ぶ、反日サヨクマスコミによる「西郷降し」の急先鋒番組だ。

 事実に関する”解釈”はともかく、明らかに事実に反する描写については、鹿児島県・鹿児島市・西郷南洲顕彰会などはちゃんと抗議して欲しい。あの連中に好き放題させてはいけない。

 「あの連中」の皆様
 プロデューサー・総合演出:近澤駿
 構成:田中直人・根本ノンジ・沢口義明・藤澤大介
 リサーチ:金丸純也・大井佐智・佐伯ゆかり
 演出:武田幹治
 プロデューサー:岩間玄・首藤由紀子・金佐智絵
 チーフプロデューサー:鈴江秀樹