トニママ ジャーナル

カリフォルニアより自閉症と音楽と私の日々

マジックメーカー

2008-08-13 | Weblog
スペシャルニーズバンドの2回目の練習がありました。

この“バンド“ただものではありません。
たったの2回しか音合わせしたことのないメンバーがいきなりジャムったのです。

しかもメンバーは全員“自閉症”。
ぶったまげました

「とりあえずみんなが知っている曲からスタートしようよ」
というディレクターの指示でビートルズの数々を選曲。

まずはイエスタディ。

“今日だけどイエスタディ“とベースのバーナルドがつっこむと、

“明日弾いてもイエスタディ”とドラムのジョージが真顔で言った。

くだらない親父ギャクなのに、“自閉症にしては上等なジョークだ“とマジで感心

楽譜を見るわけでもなく、キーをあわせるでもなく、ドラムのカウントひとつで演奏がはじまって、誰からともなく音をハモり、リピートもコーダも能書きなしでマスターしている。

演奏レベルとは裏腹に、曲の間で誰かがクリスマス曲を弾くと「誰だあ~!8月なのにクリスマス弾いてるのは!!」と耳を押さえて怒鳴る子や、

「イマジンはビートルズの曲ではなくジョンレノンの曲だ」と頑固に言い張りストライキを起こす子がいて、

このギャップさすがだ(笑)!!

2時間ぶっ通しで演奏した彼らは一向に疲れる様子なし。
トニーだけが最後の15分を前に退場を申し出た。

「もう疲れた。今日は終わり」

と席を立つとディレクターが、

「勝手にどこ行くんだ?ユニオン(音楽家の労働組合?)に所属しているのか?」と笑わせてくれた。

ミュージシャンユニオンでは45分演奏して15分休憩というのがスタンダードらしい。

真に受けたトニーは、

「どこのユニオン?Berryessa?」

と自分の学校のユニオン(教職組合)と勘違いしていました(笑)。

練習後このバンドをマジックメーカーと命名。

マジックメーカーの今後の活躍に乞うご期待!!