西洋哲学史―古代から中世へ岩波書店このアイテムの詳細を見る |
ひと月くらいかかかったか?
全く畑違いの哲学入門書
ことばが違いすぎる!2000年ひとっ飛び。しかし、なんとなく分かる。
この本を読んだ理由は、自然科学における現代のジレンマ:決定論的科学/還元論的科学=物理帝国主義と確率論的科学と複雑系科学をめぐる人間の思考の背景となった世界観をめぐる歴史を知りたいと思ったからである。地球科学はもちろん後者の中にある。
この本を読んで、この論争は実に哲学のはじまりから延々と続くものであることが伝わってくる。時代とともに、ことばを整理、定義しながら前へ前へと進んで来ていることがわかる。中世の神を巡る議論など圧倒的におもしろい。
先日の国際会議缶詰の時に、言葉の定義を巡って議論していた時、一人のアメリカ人が「科学は自然とは異なる、自然の真理、それを神と呼びたい人は読んでもいいのだがーー」と議論を展開した。この本の中の「存在」を巡る議論や、神を巡る議論はまさに、我々が知っている法則や、根本原理、そしてそれを希求している最中の科学の議論と同じである。私はこの本の中で紹介されていることばを科学上の言葉や私の中のことばに置き換えながら読んだ。すると面白いほど、伝わってくる。古代人も優れて賢かったのである。深く考えない?現代人以上であることは確実である。
この続編こそ、科学発展を受けて哲学世界へどうはね返っているのか。それを哲学者はどう俯瞰しているのか?楽しみである。