エロクエンス(eloquence)とはあまり耳慣れない言葉かもしれない。エロとついていても、意味が違う?
日本語には弁論とか雄弁と訳すらしいが、それはあまり正確ではない、と先日読んだ塩野七生著「ローマ人の物語」(新潮文庫23巻)に解説してあった。このエロクエンスという言葉の中には、弁舌を明確にすることによって自分の頭の中を整理する、そして人格形成をはかることも含むのであると。だから、ローマ人はこれを身につけることを最重要視したらしく、説得性と訳すのがもっとも基の意味に近いらしい。
今や、弁論といえば何やら政治家を多く輩出している、とある大学の弁論部を思い出してしまうが、実は自己の教育をも含む深い意味があったのである。
さて、科学はこのエロクエンスあることばで正確に書き記して成立している世界である。学会における講演もしかりである。しかし、日本人は講演における説得を身につけたり、いい絵をつくることに精力を注ぐことへの努力が不足がちである。
わたしは、学会講演は学芸会の発表と一緒だよ、と言っている。長い期間練習に練習を重ねた後の、ここ一番の本番であると。学会という場でエロクエンスのある講演が出来て、科学者としてデビューするのですね。言葉を大切にしてエロクエントな仕事と人生を送りたいものですね。
追記:塩野七生著「ローマ人の物語」は実におもしろい。私は自然科学で飯を食わせてもらっているが、歴史や芸術も大好きである。世界を、人間を、歴史を知る上での絶品である。このような本を高校生の時に読んでいたら、人生は違ったものであったろうと思うほどである。いま、そのローマの北の守りであったドナウ川の曲がり角、ウイーンにいる。明日は早々と帰国だ。もっとゆっくりとしたいものである。観光をする暇もなく、ウイーンなのにコンサートへ行く暇もない。ホテルでばったりあった中国系カナダ人の友人は、奥さんとふらり、学会の後観光とか。とほほ---。
日本語には弁論とか雄弁と訳すらしいが、それはあまり正確ではない、と先日読んだ塩野七生著「ローマ人の物語」(新潮文庫23巻)に解説してあった。このエロクエンスという言葉の中には、弁舌を明確にすることによって自分の頭の中を整理する、そして人格形成をはかることも含むのであると。だから、ローマ人はこれを身につけることを最重要視したらしく、説得性と訳すのがもっとも基の意味に近いらしい。
今や、弁論といえば何やら政治家を多く輩出している、とある大学の弁論部を思い出してしまうが、実は自己の教育をも含む深い意味があったのである。
さて、科学はこのエロクエンスあることばで正確に書き記して成立している世界である。学会における講演もしかりである。しかし、日本人は講演における説得を身につけたり、いい絵をつくることに精力を注ぐことへの努力が不足がちである。
わたしは、学会講演は学芸会の発表と一緒だよ、と言っている。長い期間練習に練習を重ねた後の、ここ一番の本番であると。学会という場でエロクエンスのある講演が出来て、科学者としてデビューするのですね。言葉を大切にしてエロクエントな仕事と人生を送りたいものですね。
追記:塩野七生著「ローマ人の物語」は実におもしろい。私は自然科学で飯を食わせてもらっているが、歴史や芸術も大好きである。世界を、人間を、歴史を知る上での絶品である。このような本を高校生の時に読んでいたら、人生は違ったものであったろうと思うほどである。いま、そのローマの北の守りであったドナウ川の曲がり角、ウイーンにいる。明日は早々と帰国だ。もっとゆっくりとしたいものである。観光をする暇もなく、ウイーンなのにコンサートへ行く暇もない。ホテルでばったりあった中国系カナダ人の友人は、奥さんとふらり、学会の後観光とか。とほほ---。