楽学天真のWrap Up


一語一句・一期一会
知的遺産のピラミッド作り

思わずなまつばーさぬきうどんの思い出ー

2006-11-12 21:36:38 | 生活
今日、ずいぶん前に勤めていた大学のお世話になった先生が定年であり、その記念の会を来春開くとの連絡があった。
なぜか、讃岐うどんを思い出した。
私は、実はうどんは大の苦手の食べ物であった。こども時代のトラウマがある。
私の子供時代、北海道の田舎に住んでいた。父は小学校貧乏教員。おそらく教育と、食料調達とを兼ねて、にわとりを買った。どこからか見つけて来てくれた、メスのひよこを育て、やがて卵を産むようになった。鶏の管理はこどもの仕事。そのかわり卵はごちそう。
そんな鶏が冬もちかづいたある日、どうも元気がない。寒いのか?
段ボールに新聞紙を引いて、ストーブの燃える家にいれていた。
「なんとか元気になってくれ」
そして、家族がちゃぶ台を囲んで、夕食となった。「うどん」。
つるつると皆、食べ始めたとき、突然、鶏がカ、カ、カと叫び始めた。
<う!どうした?>
皆、振り返った。そして断末魔の雄叫びとともに、ガクとくずれた。
みると口から、大量の水が吐き出された。死んだ。
その時のショックは、うどんとともに私の頭にプリントされた。
以来、私の食べられない食べ物の筆頭にうどんがあった。
そばやラーメンは好物なのに、うどんは全くだめなのである。

そんなわけで、長い長い学生生活の後、就職の決まったことは天にも上る喜びがあったが、その時はその赴任の地が「うどん」で有名なことなど全く眼中になかった。
そして、赴任。
「うどんを食べにいこう!」と今回、定年する先生が誘ってくれた。
『え!うどん?』
私は困った。食べたいと思わないのである。うしろ、嫌悪感さえある。
しかし、いかない訳にはいかない。
大学の近くの、製麺工場のうどん屋。
長蛇の列が出来ている。どうも一般人には、讃岐人には有名らしい。
そして、私の注文の番が来た。
「かけ、小、エビ天とコロッケ」
教えられた「専門用語」を並べて注文。
おそるおそる、箸をつける。
コロッケのしるの中での絶妙のくずれがうまみを増す。
『ん?これってうまいかも』
それ以来、私は毎日、毎日、時には日に三度、うどんを食べるようになった。そして学生にもつれられ、家族をつれ、うどん屋めぐりもするようになった。
その大学には12年もお世話になり、同時にうどんを食べ続けた。
その後大阪、東京と転々とした。探しても探しても、やはり讃岐ほどのうどんに巡り会わない。
最近、讃岐うどんブームではあるが、現地にはどうころんでもかなわない。ちょっとした街角のうどんやにさえ、である。
その先生の定年のお祝いを口実に、久々に讃岐うどんを食べにいこうかな?と思う。
ご近所のうまいうどん屋、ネットで見ると、いまでも健在らしい。(丸山製麺<ここは朝>、さか枝<ここは昼>、そして夜は讃岐家<ここは本当に最高で、いつも飲んだ後によった。しかし、私がいた時から時々、旦那が体調をくずしていた。残念ながら閉店したとある。>残念無念)
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