楽学天真のWrap Up


一語一句・一期一会
知的遺産のピラミッド作り

人間をみつめて

2006-11-13 02:57:30 | 読書
 仕事に一息の日曜日、読みかけの司馬遼太郎「人きり以蔵」を読み終えた。本当にこの司馬遼太郎は、人間とくに奇人変人のたぐいに興味があったらしい。それも歴史の革命的時代に価値が見いだされる、というか活躍できる人。このような人間は通常の時代はどう生きるのであろうか?科学の世界ではわかりやすい。奇人変人は普通ではないことを考えたり、行動できたりするので科学のパラダイムの大転換の革命の時代にとてつもない力を発揮する。しかし、通常の時代には、パラダイムの常識を外れるので、だいたいは科学の世界でも相手にされないことが多い。そして、それらは再び革命の時代が訪れた時も、復活、再評価されるのは本当にわずかであり、多くは科学の歴史の中で埋もれてしまう。奇人変人と歴史の共鳴は運なのである。
 それに対し、大きな野望と人間としての常識(人間関係のうまさ)をそなえ、反骨(常識への挑戦)精神旺盛なる人は、科学者は、通常科学の時代と、革命的科学の時代(トーマスクーン参照)の両方の時代に強いように見える。そのような人間(例えば徳川家康)を司馬は好きではないらしい。でも、そのような印象は、日本が安定期に入った昭和30年代後半と、彼の30代後半という、人生の中で最も充実する(40代前半)直前の彼についてである。その後、そのような彼の人間観はどのように推移したのであろうか?まだまだ、興味が尽きない。
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