楽学天真のWrap Up


一語一句・一期一会
知的遺産のピラミッド作り

不都合の真実パート2

2007-02-18 05:35:09 | 科学
 昨年末、アメリカの地球物理学会がゴアを招待し、数千人が集まったことは前に記した。ここへ来てやっと日本でも話題になって来た。私もリンクを張らせてもらっている毎日記者:理系白書ブログhttp://rikei.spaces.live.comでも議論となっている。今朝の朝刊を見ると安倍首相もこの映画を見たという。しかし、理系白書の議論を見てもピンぼけである。

地球温暖化が真実や否やという議論より、その背景に潜む根本問題、地球人口が爆発していることに触れようとしない。是非、世界人口動向に注目し欲しい。http://www.census.gov/main/www/popclock.html">。すでに65億を超え、時々刻々と増加している。それらの人が皆生きるためにエネルギーを使っている。最低でも、動物レベルの2,000キロカロリー、アメリカは一人当たり50,000キロカロリー、日本人でも25,000キロカロリーである。この増殖する人間がアメリカとは言わず、日本人や欧州人並みにエネルギーを使ったらどうなるか?アインシュタインの発見E=mc^2によって地球を食いつぶしても足りないのである。

それが地球温暖化問題、地球環境問題の根源である。温暖化による海面上昇や激烈環境の出現などはその表面にすぎない。
地球が暖かくなっていいのでは、という議論さえ成り立ちうるかもしれない。氷河期へむかう瞬間的擾乱などという人さえいる。

しかし、エネルギー不足、これはあまりにも明らかなことである。これは文明国がいくら節約しても追いつくような話ではない。日本は人口減で大変だ、などと閉じている話ではない。中国インドという国が急速に発展している。アジアは人口増加の主舞台の1つである。そして他の国は皆、先進国並みに豊かになりたいと思っている。世界が人口抑制と生きるためのエネルギーフラックスのありようを変えなければ、地球温暖化問題は解決しない。このままの人口爆発では50年以内に人間社会は破綻するのである!先の松井孝典氏の論を待つまでもない、明々白々のことである。この人類史上未曾有の危機は、20世紀中盤の核兵器による人類絶滅の危機をはるかに超えている。なぜなら、人口爆発によるエネルギー危機の国が、次々とそれを突破する道具として核兵器を所有しようとしている、あるいはしたからである。人口爆発悲劇のシナリオは大量死である。その死を恐れる人間は難破船から脱出を試みるネズミの大群のごとく、飢えた人間は文明国へと押し寄せてくるであろう。あるいはなけなしで作った核兵器による脅しと引き換えにエネルギーを求めるであろう。かの国のように。
私たち地球科学者としてできる最大限のこと、地球物質エネルギーフラックスのしくみを徹底して研究し、最適化シナリオを政治へ、経済へ、提言することが求められている。
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第2の原点へ返る

2007-02-17 09:34:35 | 人間
忙殺の日常から、あす第2の原点へ返ります。
大学院を終えても職がなく、先が見えなかった時に転がり込んで来て救ってくれた大学へ明日返ります。
その時救ってくれた先生の定年記念の祝賀会があすあるのです。
そこで過ごした12年。私の第2の青春の地でした。その時の春の日差しは今でも忘れることができません。
本当に楽しい日々を過ごしました。学生たちとはほとんど遊んでいたように思います。
彼らとも再会です。その原点に返り、エネルギーをもらってこようと思います。
彼らももうおじさん、おばさんだな!
ということは私は??


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松井本最新

2007-02-15 20:48:07 | 科学
われわれはどこへ行くのか?

筑摩書房

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私は同業者でもあり、松井ファンである。
彼流の毒舌と「俺が俺が」が、この本には満載である。
着実に新しいメッセージが書かれている。
この新書も、あっと言う間に読んだ。同業者であることもあり、繰り返しのメッセージは飛ばしたので。
地球科学を学ぶ学生諸君!必読である。
この世界観、自然観、地球観、そして「人間観」は学ぶべきである。
彼は学界ではその毒舌故に損をしているが、私は支持したいと思っている。
なぜなら、私は多くを彼のメッセイージから学んでいるからである。
日本学術会議地球惑星委員会、地球人間圏分科会の「人間圏」は彼の作り出した言葉であること、
は私の読書歴の中では明らかである。
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ちょいスケ

2007-02-15 18:09:28 | 読書
スケッチは3分

光文社

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本屋に行って気がつく最近の特徴は、新書の氾濫。
いくら読みやすいといっても凄すぎる。それもほとんどキャッチーなものばかりが一方的に増える。
その意味は、瞬時にして読み終わるということ。手頃であるとも言えるが何か損をした気分になる。
岩波のような重厚なものは売れないのだろう(新戦略で頑張ろうとしているようだが)。
いわば、漫画化している。
でも、ワンポイントメッセージがあればまだ許せる。
(ちなみに私は漫画を馬鹿にしている訳ではない。昔はその中で生きていた。手塚治虫なんてほとんど全部読んだ。立派な作品は山のようにある。相当長い間私はスピリッツファンであった。いまはほとんど見ない。たまに子供のを横取りしたりしてみているが。)

これはそんな本かな?
電車片道(30分)で読み終わった。
でもメッセージは良かった。ワンショットでつかみ取る。なにやら自然から瞬間で直感でメッセージをつかみ取る科学に通じるものがある。私は絵を描くことは大好きであったが、昔この本に出会っていたら良かったなと思う。
いまからでも遅くないかな?老後の楽しみにしよう。
科学と芸術の違いは、そのつかみ取ったものが人間の頭の中ではなく、自然の中に誰が見ても存在することであることを証明する作業が求められること。
でも、観察観測から誰も描いていないメッセージを抽出する瞬間は同じである。
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本の出版

2007-02-15 04:31:42 | 科学
昨日、仲間内が集まって本を出版することを決めた。一人で書くのではなく皆で書く。タッチをそろえ、一貫したものとするためには編集の腕が問われる。本と論文の違いは、本には体系があるということである。論文は一点もの。一人で本を書く場合は明らかにその人の自然観や世界観が問われる。集団で書く場合は、その集団がオーケストラを構成しなければならない。編集者は指揮者。そこが論文特集号と違うところ。本にはその醍醐味がある。昨日の執筆陣オーケストラ結成は盛り上がった。秋の出版をめざすが、それまでは何度も何度も集まって議論に議論を重ねなければならない。学生でイラストのうまい人に全てを発注しようかな、と思う。図は特に大事であるから。写真と絵に凝っている人、腕の見せ所です。もちろんバイトです。付録に図表のカラー版pdfをつけ、多くの人に講義や講演などで引用してもらえるようにもしようと思う。ちょっとわくわくする仕事である。
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