これから定年記念、卒業記念、お別れ会などの連続がはじまる。
今日はその第1弾。一挙に4人の定年。そして年に一度、すでに定年した人たちが集まる。
話を聞いていると、20年とか30年とか一飛びである。
なぜ地球科学を選んだというところからはじまる。
大水害が一生を変えた、などいうのもあった。
そして、定年による寂しさよりも、忙しさから解放されることの喜びの方が大きそうに見える。
それでも、まだきっと忙しさが続いているのだろう。
その安堵感にまだ実感が伴っているようには見えない。
そして、70を超えた大御所の先生のあいさつ。
定年後の人生を見ているとおもしろいよ、と。
まだ研究に未練があるひと、
全く別の世界へ行く人、
上からお目付的に見ている人(このひとはそうなのだが)
現役の人、頑張ってください、だって。
いいよな、気楽で。
早く定年して、第2の人生と行きたいね。
でも、まだ大分先だな、(グス)
あしたもまただ。
今日は内輪だったが、明日は学部全体。
おまけになんか一言、って頼まれてる。
何を言えばいいのかな?
5分前に考えよ。
起承転結、一言ジョークは何にしよ?
ブツブツ
今日はその第1弾。一挙に4人の定年。そして年に一度、すでに定年した人たちが集まる。
話を聞いていると、20年とか30年とか一飛びである。
なぜ地球科学を選んだというところからはじまる。
大水害が一生を変えた、などいうのもあった。
そして、定年による寂しさよりも、忙しさから解放されることの喜びの方が大きそうに見える。
それでも、まだきっと忙しさが続いているのだろう。
その安堵感にまだ実感が伴っているようには見えない。
そして、70を超えた大御所の先生のあいさつ。
定年後の人生を見ているとおもしろいよ、と。
まだ研究に未練があるひと、
全く別の世界へ行く人、
上からお目付的に見ている人(このひとはそうなのだが)
現役の人、頑張ってください、だって。
いいよな、気楽で。
早く定年して、第2の人生と行きたいね。
でも、まだ大分先だな、(グス)
あしたもまただ。
今日は内輪だったが、明日は学部全体。
おまけになんか一言、って頼まれてる。
何を言えばいいのかな?
5分前に考えよ。
起承転結、一言ジョークは何にしよ?
ブツブツ
いま、ちまたにあふれるポスドク達。
この知的財産をこの国はどうするのか?
極めて、極めて深刻である。
私の時代にもポスドク問題はあった。オーバードクター問題といった。
しかし、今のポスドク問題の深刻さは、その時と比べるべくもない。はるかな広がりとシステムとしての困難を持っている。
私たちの時は何をやったか。
私はある学会で院生の代表をしてものをいう役割りを引き受けていた。そこで全国の院生に呼びかけて、研究者の定年予定リスト専門分野一覧表を作成するとともに、院生の側から全国学位取得者一覧リストを作成、いわば人の売りと買いのための、公開リスト回しを行った。学会に院生会費を設けさせるためのキャンペーンも張った。
学会の長老に怒られた。「甘えるな!一人前の研究者と認められたければ、一人前払え!」
<な、なんと理不尽な>と思いつつ、生活実態データを取り、粘り強く攻めた。
定年リストは院生・オーバドクターの側からすると、自分の専門分野のポストの売れる見通しである。そして、極めて優秀な仲間なのに売れていないポスドク支援の大キャンペーンを張ったのである。自主的なサイエンスシンポも若手が主催で開き、おもしろく、かつ頑張っているポスドクの講演会を開催するのである。そのような場は同時に自由な情報交換の場でもあった。それぞれの大学の教授達のポスドク問題への対応もしっかりと把握され、使い捨て教授は誰か、「えさ」でしばりサイエンスの自由を抑圧するのは誰か、自分のことしか考えないのは誰か、など筒抜けであった。ポスドク支援の輪は、やがて理解ある教員も含めたネットワークへと拡大し、1つ、また1つと解決へ向かった。
私はラッキーなほうで、学位取得まで2年オーバー、その後ポスドク1年で職をえることができた。
しかし、私の4つ上の先輩が職を得たのはそれから5年後、歳は40になっていた。当時としては群を抜いていた、この分野で日本最長老のポスドクであった。彼が決まった時は心から喜んだ。
私は院生そしてポスドク諸君にいいたい。
1。まず、自分のサイエンスを磨きなさい。しっかりとした自己主張を持ちなさい。その人の独創と主張が見えなければ誰も買いに来ません。人の手の平の上では、その人の手の平の上にしか可能性はありません。手の平の人を買いにくる人が欲しいのは、あなたではありません。その手です。大きな手なら、と思うかもしれません。しかし、今はどの人の手のひらでも追いつかないくらいポスドク問題は深刻です。だから自立なのです。自立して自己主張をし、人の輪を重んじる人はどこへでも売れます。皆、買いたがります。それを金の卵といいます。
2。そして、「競争社会において最も強いことは共同である」ことを信じて、ポスドクあるいは院生で連携をしなさい。全国ネット、世界ネットであればあるほどいい。サイエンスの基軸を絶対に外さす、大いに活躍しなさい。その輪は必ず広がります。理解ある研究者たちは大々的支援するでしょう。
3。そして、その仲間達が職を得た時に皆で喜びなさい。その仲間の連携は、その後の人生の一生の宝となるでしょう。
なんてね、ちょっと説教臭いな~やっぱり。
でもポスドク支援のキャンペーンを私は大々的に支援したいと思う。
たとえば、おじさん、おばさん達が飲むと「今時の若いもんはーー」の議論に似て、以下のような無理解は横行している。
「今の院生、ポスドクは結構金持ち、なんで優遇しなければならんのだ!そんなことをするから甘えて、贅沢に走る」
「俺たちの時は苦しかったから良かった。ハングリー精神を養うためには苦しい方がいいんだ。苦労させろ!」
「自分たちが飲むためには1万2万、平気で払うじゃないか!なのになんで学会の時だけケチる!アメリカの学会に比べたら破格の値段だ!」などなど。
これらを突破するには、「待ち」の姿勢では変わらない。「攻め」である。
このシリーズは続けます。だからまず(1)
この知的財産をこの国はどうするのか?
極めて、極めて深刻である。
私の時代にもポスドク問題はあった。オーバードクター問題といった。
しかし、今のポスドク問題の深刻さは、その時と比べるべくもない。はるかな広がりとシステムとしての困難を持っている。
私たちの時は何をやったか。
私はある学会で院生の代表をしてものをいう役割りを引き受けていた。そこで全国の院生に呼びかけて、研究者の定年予定リスト専門分野一覧表を作成するとともに、院生の側から全国学位取得者一覧リストを作成、いわば人の売りと買いのための、公開リスト回しを行った。学会に院生会費を設けさせるためのキャンペーンも張った。
学会の長老に怒られた。「甘えるな!一人前の研究者と認められたければ、一人前払え!」
<な、なんと理不尽な>と思いつつ、生活実態データを取り、粘り強く攻めた。
定年リストは院生・オーバドクターの側からすると、自分の専門分野のポストの売れる見通しである。そして、極めて優秀な仲間なのに売れていないポスドク支援の大キャンペーンを張ったのである。自主的なサイエンスシンポも若手が主催で開き、おもしろく、かつ頑張っているポスドクの講演会を開催するのである。そのような場は同時に自由な情報交換の場でもあった。それぞれの大学の教授達のポスドク問題への対応もしっかりと把握され、使い捨て教授は誰か、「えさ」でしばりサイエンスの自由を抑圧するのは誰か、自分のことしか考えないのは誰か、など筒抜けであった。ポスドク支援の輪は、やがて理解ある教員も含めたネットワークへと拡大し、1つ、また1つと解決へ向かった。
私はラッキーなほうで、学位取得まで2年オーバー、その後ポスドク1年で職をえることができた。
しかし、私の4つ上の先輩が職を得たのはそれから5年後、歳は40になっていた。当時としては群を抜いていた、この分野で日本最長老のポスドクであった。彼が決まった時は心から喜んだ。
私は院生そしてポスドク諸君にいいたい。
1。まず、自分のサイエンスを磨きなさい。しっかりとした自己主張を持ちなさい。その人の独創と主張が見えなければ誰も買いに来ません。人の手の平の上では、その人の手の平の上にしか可能性はありません。手の平の人を買いにくる人が欲しいのは、あなたではありません。その手です。大きな手なら、と思うかもしれません。しかし、今はどの人の手のひらでも追いつかないくらいポスドク問題は深刻です。だから自立なのです。自立して自己主張をし、人の輪を重んじる人はどこへでも売れます。皆、買いたがります。それを金の卵といいます。
2。そして、「競争社会において最も強いことは共同である」ことを信じて、ポスドクあるいは院生で連携をしなさい。全国ネット、世界ネットであればあるほどいい。サイエンスの基軸を絶対に外さす、大いに活躍しなさい。その輪は必ず広がります。理解ある研究者たちは大々的支援するでしょう。
3。そして、その仲間達が職を得た時に皆で喜びなさい。その仲間の連携は、その後の人生の一生の宝となるでしょう。
なんてね、ちょっと説教臭いな~やっぱり。
でもポスドク支援のキャンペーンを私は大々的に支援したいと思う。
たとえば、おじさん、おばさん達が飲むと「今時の若いもんはーー」の議論に似て、以下のような無理解は横行している。
「今の院生、ポスドクは結構金持ち、なんで優遇しなければならんのだ!そんなことをするから甘えて、贅沢に走る」
「俺たちの時は苦しかったから良かった。ハングリー精神を養うためには苦しい方がいいんだ。苦労させろ!」
「自分たちが飲むためには1万2万、平気で払うじゃないか!なのになんで学会の時だけケチる!アメリカの学会に比べたら破格の値段だ!」などなど。
これらを突破するには、「待ち」の姿勢では変わらない。「攻め」である。
このシリーズは続けます。だからまず(1)
今日、セミナーでちょっと議論になり、昔、考えたことと今の読書で思うこと。
個別と一般と科学。
先に、プラトンのことを書いた。
彼は具体的事象・現象の影に隠れた一般性「イディア」を探せといった。
それは2,000年の時を超えて、デカルトのことば、「個別と共通的本性」などという言葉で繰り返された。
それは地球科学で言えば、「地域と地球一般」となる。
「四国って何様?地球を考える上でなんか意味あんの?」なんてね。
地球上のある特定の地域を研究していても(気象現象、地殻変動、地質の歴史なんでも)、地球全部に共通という一般性を考えなさいということ。現在を考えても、過去も未来も考えなさいということ。
地球を研究していても、いつもいつも他の惑星を考えなさいということ。
太陽系を研究していてもいつもいつも他の恒星のことを考えなさいということ。
銀河系を考えてもいつもいつも他も考えなさいということ。
宇宙を考えても他の宇宙を考えなさいということ。
ここまではすべて個別を対象とした科学である。だから天文学も地域科学。
それを超えたところが物理学と化学(ひょっとしたらこれはこの宇宙だけのことかもね)である。
生命を考えても、地球生命だけではなくほかを考えなさいということ。
てな訳で、「万物に共通するもの・こと=それを真理という」を追い求めたプラトン・デカルトの夢が科学になったのだね。
でもね、その個別も実は美しい。個別だから美しい。(アリストテレス万歳!先のブログ参照)
ほらほら、男、女という一般的言葉だけじゃ、つまんないでしょう。
その目鼻のバランス、プロポーション全部違う。
「あの子が最高!」なんて若いうちはとまどう(諸行無常、諸法無我だよ!)
でも長年の人生。見てくれじゃないね。
やっぱり性格と人格が一番です(涅槃寂静だよ)
見てくれは持たない!
へたに持たせようとすると醜くなる(自然な心配りの方がよほど美しい)
<またまた脱線>
その「個別の美しさとはなんだ?」とまたまた一般化を試みる奴がいる。対称性の幾何学。数学。
すなわち、科学とは、まず個別を素材として徹底的に攻めまくる。その中に「イディア」を求めて。
地球の中の地域の、その中の「ちっぽけな」事実。
そこから偉大な一般メッセージを引き出したものが人類の知的遺産として残っていく。
さー、地球科学で個別地域を研究しているみなさん。しようとしている学生諸君。
頑張りましょう!
きょうはちょっと哲学でした。
(深夜でも花粉は飛んでるね)
個別と一般と科学。
先に、プラトンのことを書いた。
彼は具体的事象・現象の影に隠れた一般性「イディア」を探せといった。
それは2,000年の時を超えて、デカルトのことば、「個別と共通的本性」などという言葉で繰り返された。
それは地球科学で言えば、「地域と地球一般」となる。
「四国って何様?地球を考える上でなんか意味あんの?」なんてね。
地球上のある特定の地域を研究していても(気象現象、地殻変動、地質の歴史なんでも)、地球全部に共通という一般性を考えなさいということ。現在を考えても、過去も未来も考えなさいということ。
地球を研究していても、いつもいつも他の惑星を考えなさいということ。
太陽系を研究していてもいつもいつも他の恒星のことを考えなさいということ。
銀河系を考えてもいつもいつも他も考えなさいということ。
宇宙を考えても他の宇宙を考えなさいということ。
ここまではすべて個別を対象とした科学である。だから天文学も地域科学。
それを超えたところが物理学と化学(ひょっとしたらこれはこの宇宙だけのことかもね)である。
生命を考えても、地球生命だけではなくほかを考えなさいということ。
てな訳で、「万物に共通するもの・こと=それを真理という」を追い求めたプラトン・デカルトの夢が科学になったのだね。
でもね、その個別も実は美しい。個別だから美しい。(アリストテレス万歳!先のブログ参照)
ほらほら、男、女という一般的言葉だけじゃ、つまんないでしょう。
その目鼻のバランス、プロポーション全部違う。
「あの子が最高!」なんて若いうちはとまどう(諸行無常、諸法無我だよ!)
でも長年の人生。見てくれじゃないね。
やっぱり性格と人格が一番です(涅槃寂静だよ)
見てくれは持たない!
へたに持たせようとすると醜くなる(自然な心配りの方がよほど美しい)
<またまた脱線>
その「個別の美しさとはなんだ?」とまたまた一般化を試みる奴がいる。対称性の幾何学。数学。
すなわち、科学とは、まず個別を素材として徹底的に攻めまくる。その中に「イディア」を求めて。
地球の中の地域の、その中の「ちっぽけな」事実。
そこから偉大な一般メッセージを引き出したものが人類の知的遺産として残っていく。
さー、地球科学で個別地域を研究しているみなさん。しようとしている学生諸君。
頑張りましょう!
きょうはちょっと哲学でした。
(深夜でも花粉は飛んでるね)