猫の写真を撮っていたら、後ろで気配がした。
振り返ったら時々散歩で出合うおじさんが立っていた。
このおじさん ちょっと奇妙なんだなぁ・・・いつもバンダナで頭をすっぽり隠している。
顔は、いつも赤く日焼けしていて無精ひげがところどころ伸びている。人懐っこいような瞳だが・・・必ず視線をずらして話す。
このおじさん、ある一軒の家に入ってゆく姿を何回も見ているので、この人はここに住んでいる主人だなぁ・・・と思っていた。
それが、その家が取り壊され建売住宅が3軒建った。
おじさんが自宅を叩き売って老後はどこかで悠々自適の生活かと妄想をめぐらしていたら、ちゃんとおじさんはまだ近所を散歩していた。
このおじさん今度は何処に住んでいるのだ。マンション?アパート?疑問におもっていた。
そうしたら、おはよう猫がエサをもらいにくる家に出入りしている姿を何回もみるのだ。
おはよう猫が来る家の奥にはプレハブの小屋が建っていて、そこから出てくる姿をみているのだ。
自宅を売り払ってプレハブ?・・・?
しかし今日は「おはようございます」と挨拶してプレハブの方ではなく本宅の方へ入ってゆくのだ。
この人は何処に住んでいるのだ。
もともとおはよう猫がくる家は違う人が住んでいたのになぁ・・・親戚なの?・・・
おはよう猫はオイラには関心が無いが、このおじさんにもまったく関心を示さない。
この家に住むようになったとしたら「にゃ~」と泣かなくても、どこか態度が変化するはずなのに猫の態度は変わらないのだ。
オイラはこのおじさんに「何処に住んでいるの?職業は?年齢は?」と聞きたい気持ちがあるのだが、知ってしまうと関心が薄れるから、このまま疑問で奇妙なおじさんのままのほうが良いなぁ・・・と考えつつも・・押しがないから・・・なかなか訊けない。