オイラは、ある写真集を手に入れた。
それは2002年に晶文社から刊行された坂川栄治著「写真生活」の中で「横たわる女」と題して紹介されているE.J.BELLOCQ写真集「BELLOCQ」です。
E.J.べロックは身長は1.5m程度で脳水症を患った広い額を持った異彩の人だったらしい。
その人が、ガラス乾板の8x10(B5サイズ)のカメラで1910年代のアメリカ・ニューオリンズの娼婦達の写真を撮り89枚を残した。
ガラス乾板は、そのまま放置されていたのを1966年に写真家のりー・フリードランダーが買い取り1996年に「BELLOCQ」と題して写真集が刊行された。
「写真生活」では、その娼婦達のポートレート集から一枚の女性に魅せられて、オリジナルプリントをアメリカで手に入れるまでの事を記載してある。
体重=59.8Kg
オイラはこいう紹介記事を読むと手に入れたくなる性分で、どうしょうもない衝動が湧き上がってくるのです。
しかしね・・・この写真集はアマゾンで古本として売っているけれど、4万円近くもするのです。
おいそれとポチッとできませんよ。それも海外ばかりですからね・・・それで欲しいなぁと思ってから15年も放置してあったのです。
しかし偶然にも古書専門のネット書店で、この写真集「BELLOCQ」を見つけてしまったのです。それも半額で・・・何か不具合があるかなぁとは思ったのですがポチッとした。
FUJIFILM X-E1 f2.8-4/18-55mm
早速に届いて見てみると、裏表紙に「阪D」とマジックで蔵書サインがしてある。そして買値と12.500と年号なのか?H6362と鉛筆でかいてある。(落書きがあるので安かったはずです)
写真集の内容は、確かに紹介の写真集の中の一枚は少女の面影を残した女性のヌード姿が、割れてしまったガラス乾板の為に神秘的に写っている。・・・
極端なことを言うならこの写真集はこの一枚だけで成り立っているといっても過言ではない。
なんだかガッカリしました。ニューオリンズの娼婦が妄想で膨らんだイメージと写真の現実のギャップは酷かった。
坂川氏も、この一枚の写真だけの事しか記事にしていない。
ひょっとしてりー・フリードランダーもこの一枚の写真乾板を手に入れる為に89枚の乾板を購入させられたんじゃないか・・・
現実を一枚の写真にするという事は、出会わなけれが写真にする事が出来ないから、
出会っていても自分が考えていなければ、現実を見過ごしてしまうものだから、一枚の写真にするという事は厄介で、気まぐれな女神に出会うようなものです。