神戸の住吉川を自転車散歩に。
JR住吉駅を下車し東に向かうと遊歩道が整備された住吉川に出ました。
この辺りは天井川になっていて、実はこの川の下をJRが横切っています。
毎日通勤でここを通っているので不思議な感じがします。
六甲山に向かって上流へ向かいます。
遊歩道は途中で途切れ、車道沿いに進むも勾配は所々かなりキツく休み休み自転車を漕ぎます。
昭和13年の阪神大水害の記念碑が立っていました。この辺りはすでに川は谷底に流れていて、この碑の辺りまでは10メートルほどあるのでその規模は甚大だったと想像できます。
電気以前の動力としてこの地域では80余りの水車が精米や油絞りなどで活躍していたようです。
小さな橋を渡ると自転車の走行は無理で、ここからは徒歩。
すぐにそれらしき場所に出ます。
「水車滝壺跡」と書かれています。 堀は長さが7、8メートル、幅は1メートル程度で深さもそれくらいでここに水車が回っていたと思われます。
川底までは数メートルと相当な落差があるので今とは違う水路が近くにあって、上から水を引き込む方式だったのではないかと推測できます。
その水車で精米された酒米と六甲の宮水は日本最大の酒造業を興します。 白鶴、大関、日本盛。
剣菱、福寿、菊正宗などナショナルブランドがずらりとこの地域に並んでいます。
灘五郷。
灘五郷は、西郷、御影郷、魚崎郷、西宮郷、今津郷の5つの地域からなる
日本を代表する酒どころです。
その酒造りを支えてきた川。
石屋川、住吉川、芦屋川。
川は海へと注ぎ、海から湧いた雲はやがて雨となり六甲山に降って水脈から水路を辿ってこの川に戻ります。
その循環のシンプルな美しさはもとより、この川の物語は酒呑みの端くれとしては格好の酒の肴となりました。