『植物 オヤジ』

日々出会う植物たちの「たくましさ」と「美しさ」を再発見する、ハードボイルド・ボタニカルライフ。音楽、美食なども。

トトロの夏

2014年07月30日 | 日記
 

先日の連休、長久手にある「サツキとメイの家」を訪れた。
モダンな建物と明るいひまわりはよく似合う。
残念ながらトトロが住むクスノキの大木は見当たらなかったが
井戸や縁側などリアルに再現されていて懐かしく楽しかった。

クスノキは西日本を代表する大樹で照葉樹林の代表格だ。
あちこちで見かけるし、いつものジョギングコースの空をも覆う。
特にこの暑い夏は日差しを防いでくれてありがたい。
                

葉っぱは少し薬くさいがいい匂いがする。
昔はタンスの防虫剤として使われていたのだ。
「タンスにゴン」のオリジナルだ。
早朝にまだ薄暗いクスノキの森を駆けると
どこかにトトロ一家が覗いていそうでうれしくなる。
そんな楽しいイメージを与えてくれた宮崎先生、最大限に感謝します。

  嗚呼、ボタニカル


こがでた、こがでた!

2014年07月27日 | 日記



瀕死のオンシジウム、オンシーが子株をつけた。

咲き終わりで、しわしわお肌のオンシジウムをスーパーの花屋で500円で買ってきたのは、この6月17日だ。
となりに並ぶ咲き始めの娘達は一鉢2800円だった。
脅威のディスカウントぶりを怪しむよりも、けなげさに惹かれ(ほんとは安さに惹かれ)買って帰ったのだった。
そのバレリーナのようなかわいい黄色い花はそれでも半月ほど咲き続けてくれた。
ワンコイン以上の幸福を与えてくれたのだ。

それからオレの介護生活は始まった。
オンシーに恩返しだ。
まず花の枝をきり、本体を解体した。
別に虐待したわけではなく、混み合った株を分けて住みやすくしたのだ。
そしたら何と16センチくらいの鉢に3つの株が、あろうことか黒いビニールポットのまま3個詰め込まれていたのだ。
虐待発覚!
ショックを受けたオレは児童虐待ホットラインに電話をしかけたくらいだ。
それくらいひどい扱いだったのだ。
こみあう根っこ達はまるで纏足状態。
直ちに素焼きの鉢を買ってきて3つに分けた。
水苔を敷き詰め、栄養ドリンクを2本づつ突き刺し、毎日水をやり介抱したのだ。

変化があったのは10日ほど前だった。
ん?なんか緑のとげが出てきたぞ。
そのうちだんだん大きくなってきた。
しわくちゃばあさんの根本から子株がでたのだ。
オレは涙し、植物の素直さに感動した。
植物音痴なオヤジの好意に応えてくれたのだ。




3月まで住んでいた新潟からの連れ子、チランジア(エアプランツ)2名にも子株ができた。
この子らの特長は根本から子が出るのではなく、中央突破だ。
チラ族はどうやらこの灼熱の新天地、名古屋が気に入ってくれたようだ。
なんだか自分がこの土地になじんだかのようでうれしい。

子どもはいい。
未来を感じる。
自分の未来が少なくなってきたからこそわかることがある。
でもオレはこんなにカラダを張って子を育てることが果たしてできるだろうか。
「そんなんきまってるやん」(あたりまえ、の意)
というオカン族の声が聞こえる。
オヤジはまだまだ勉強中だ。

 嗚呼、ボタニカル!


一円玉に収まるトンボ

2014年07月22日 | 日記



ハッチョウトンボ。

「珍しいトンボがいますよ」
東山動植物園を訪ねると、職員さんが教えてくれた。
ほんとに小さく、一円玉に全身が収まるサイズだ。
あまりに小さいのでぼーっと歩いていたら気がつかない。
Wikipediaによれば「日本一小さなトンボとして知られ、世界的にも最小の部類に属する」とある。

  

かわいい。
その小さな身体を彩る赤は深く鮮やかだ。
こんなトンボがいるとは今まで生きてきて知らなかった。
自分が知っていることの方がはるかに少ないのだと改めて思う。

名前の由来は名古屋は谷田川の八丁畷からきているらしい。
浅く水を張った休耕田などに住むが、人間の開発により数が減り
希少種となっており、ここ名古屋でも守る会がいくつかあるようだ。

植物と昆虫は仲良しだ。
水草はトンボのエサとなる虫を引きつけ、トンボは虫を駆除してくれる。
共生ということだ。
植物に飽きたら昆虫世界に踏む込むか、な。
いやいや、植物界は日々の発見に充ち満ちていて終わりがない。

  嗚呼、ボタニカル!

モンスターは兵器を手に入れた

2014年07月21日 | 日記


石垣のモンスターを定点観測しにいった。
観測と言ってもご近所なので散歩と変わらない。

7月6日につけていたモンスターサボテンの花は既にない。
こいつの花は一日で潔く咲き終わるのだ。
そしたら何と、双頭のモンスターが新たに出現していた。

見ているだけで笑える、強烈な新キャラ登場だ。
スターウォーズに出てくる異星人か、やはりアラレちゃんに出てくるタイプだ。

やつは2基のミサイルを備え、「Fire」の合図を待つ。
その弾頭にはパワーがみなぎってはちきれそうだ。
やがて発射されたミサイルは、誰かのハートを打ち抜くだろうか。

  嗚呼、ボタニカル!

ダニアのピンチ

2014年07月17日 | 日記



ブラジルから来た少女、ダニアがピンチだ。

今朝目を向けるとダニアがぐったりとうなだれている。
毎日見ていたはずが、忙しさにかまけてちゃんと見ていなかったのだ。
その姿は顔が大きいのでよけい痛々しい。
どうも水が足りなかったか、暑さで蒸れたのか。

すまない。

あわてて水と栄養ドリンクを与える。
どうか持ち直してくれ。
ブラジルから娘を受け入れた責任があるのだ。
祖国のパパ、ママ達に申し訳がたたない。
どうか。



しばらく容態が気になりじっと見続けるが変化がない。
あたりまえか。
人間も点滴を数時間受けるのだ。

5時間後、おお、ダニアよ、お帰り!
しなしなの葉っぱは張りを取り戻し
竹久夢二の女達のようにしなだれた頚と顔は
しゃんと正面を向いている。

すまなかった。

これから毎日指さし確認をするよ。
金魚1のエサよし。
金魚2のエサよし。
ダニアよし!

夢二と言えば、リトグラフを買った。



夏らしくいい感じだ。

 嗚呼、ボタニカル!