『植物 オヤジ』

日々出会う植物たちの「たくましさ」と「美しさ」を再発見する、ハードボイルド・ボタニカルライフ。音楽、美食なども。

花、空に舞う

2014年10月27日 | 日記


新潟の友達からステキな写真をいただいた。
短い秋の、短いお天気の日曜日。
ちょうど10年前に起きた震災、中越地震の復興イベントがあったという。
多くの風船は亡くなった方や傷を負われた人や動物、物達への鎮魂だろう。
目的はともかく一足早い紅葉を迎えた空に舞う風船は美しい。

中越の中心の街、長岡市は空襲でこっぴどくアメリカにやられた。
俗説では山本五十六連合艦隊司令長官の出生地だから、パールハーバーの仕返しをされたという。
ともかく多くの犠牲者を鎮魂するため毎年その空襲の日が祭りとなり、花火を上げる。

  

日本有数の花火である、長岡花火。
日本一の川、信濃川沿いを1㎞ほど雄大に使う川花火だ。
打ち上げられた花火を見上げて人は祈る。
ほんとに、祈る。
感動で涙する人も多いのだ。
他所の人には違和感があるだろうが、そういう花火も日本にはある。
そもそも祭りとはそういう地域の人のためのものだ。
想いを込められたその火の玉がきれいに咲いたら拍手喝采である。




紅葉や花火の花をむりやり植物にからめたつもりだが
風船でも花火でも重力に逆らって昇っていくものは見ていて楽しい。
ましてや人の想いが詰まったものは美しい。
みんな天をめざして伸び上がれ。

嗚呼、ボタニカル!

ディコトマ

2014年10月26日 | 日記
  

箱が届いた。
子どもが作った段ボールのロボット、ではない。

開けると今度はミイラ状のスリムなロボットが。

  

実は先日頼んだアロエが届いたのだ。
ディコトマという種類で幹がつるつるしている。
微妙な緑色の縞模様がきれいだ。
前からネットで探していたが、だいたい10センチくらいの数百円のものか
堂々1メートル以上で幹も立派に太い数万円のものに2極化している。
間がないのだ。
あってもみな品切れ中。
たまたま楽天サイトで遊んでいて大きく安いのを見つたものだから
あわててクリックしてしまった結果だ。



なかなか美しい。
すらりとしてというより、ひょろひょろなのが少し頼りないが。
順調に育つと10メートルくらいになるらしいが
もちろんそれは原産地の熱い国に自生している場合だ。
ここでは3階を超えてしまって迷惑だ。
それでも一年に10センチ程度は成長するらしい。
すでに1メートルくらいあるので10年もしたら天井に届きそうだ。

岡山からの旅の疲れがあるかと思ったが葉っぱの真ん中の成長点は元気そうだ。
ひょろ長いのがもう少し太くがっしりと育ってくれたら言うことはない。
こちらはとっくに成長点は消滅し、あとは縮んでいくばかりだ。
なるほど、植物にひかれるのはすり減りつつあるオレの代替行為かもしれないな。
歳をとってから小さな子どもを愛したり、家庭菜園を始めるのはそういうことなのだ。
安心して大きく育て、植物どもよ。

嗚呼、ボタニカル!

落ち葉 おいしい匂い

2014年10月25日 | 日記
森はいい匂いに満ちている。

先週東山動植物園に行った。
実は先週に限らず毎週行っている。
年パスを持っているからだ。
入場料は500円だが、年パスでも2000円なのだ。
買わない理由はない。
これで好きな熱帯の植物やオランウータンが見放題だ。
そういえばオランウータンのゆっくりとした優雅な動きは
植物的といえなくもない。
長く観察していないと良さがわからないからだ。


               

さて、落ち葉がいい匂いがする。
静かに耳を立てるように鼻をたてる(?)と確かに淡い匂いがする。
カツラの木の落ち葉だ。

   
ほのかなカラメルのにおい。
なんだか美味しそうだ。
吸い込むとからだがきれいになった気がした。


               

温室にも匂いがある。
名前は知らんがランの仲間ではある。
こちらは少し濃厚で肉感的な匂いだ。
二度見するようににおってしまう。


              

歩道沿いにはキクが群れて咲いていた。
蝶も匂いに吸い寄せられて食事中だ。

みんな植物たちのにおいやひかりに集まってくる。
オレもその一つだ。
今日もまた。

嗚呼、ボタニカル!



イオナンタ、開花す。

2014年10月20日 | 日記

         

うちのチランジア族、イオナンタが開花した。
少し前から葉っぱの真ん中が赤くなっていた。
時節柄紅葉するのかと思っていたら昨日花芽らしき紫色の突起を確認。
むむむ。
これはもしや、開花の前兆ではないのか。
チラ族とつきあいだして約4年ほどで初めての経験だ。
そうだ、確か開花の前に葉っぱが赤く色づくという話を聞いたことがある。
開花の期待にオレは胸と鼻を膨らませて今日になった。




なんと、既に花が咲いているではないか!
か・わ・い・い!
初めての開花にテンションはあがり、危うく朝の6時から祝杯のビールを取り出しそうになった。
ビールはあとの楽しみにしてしばし観察タイムだ。
花はエイリアンのように口からもう一つ口が飛び出すような形状だ。
ミドリ・ピンク・紫・黄色と色のバランスも美しい。

しかし、咲くときはあっさり咲くものなのだ。
まだ開花を期待されるチラ族はおよそ20点ほど。
今日も業者のトラップにひっかかり大型新人チラを投入した。




下仁田葱ではない。
こやつも中南米からやってきたチラ族だ
みんな大きく育て、そしていつか花咲け!と
気分は花咲かじいさんだ。

嗚呼、ボタニカル!


一生に一度の花、開花。

2014年10月19日 | 日記


一生に一度の花が開花した。
このブログで9月6日に記した東山植物園の吉祥冠(アガベ)だ。
つぼみがついてから毎週様子を見に行ったが開花するまで一ヶ月以上かかった。

             

そのからだに似て力強い花だ。
花びらの大ざっぱな感じは野菜の花のようにたくましい。
茎の長さは4メートルくらいはあり、まるで竿だ。
おおらか。
ほがらか。
のびやか。
熱帯の植物たちは屈託がない。



開花まで2、30年という。
アガベ族は一回結実生植物といい、花は一生に一度。
そして一度の開花でこの株は枯れるという。
枯れた後にはしっかりと子株を残すのだろう。
生命のリレーだ。

大空へ天高く直立する吉祥冠。
いのちのバトンの受け渡し、しっかりと見届けます。

嗚呼、ボタニカル!