近所の海辺に自生するウチワサボテン。
何世代かが同居して集落のようになっている。
形は団扇というよりしゃもじに近い。
春になるとしゃもじの先から新しいやつが出てくる。
とってつけたようで笑える。
花もまたとってつけたようにあっけらかんと咲く。
トゲ族の花は皆鮮やかできれいだ。
ただし迂闊に触ると大変なことになる。
大きなトゲは見たらわかるが、目み見えないくらいの小さいトゲが隠れているのだ。
見えないトゲが薬指に刺さりチクチクと痛んだ。
結局見つけられず一週間くらい地味に苦しめられた。
腹がたつが仕方がない。
奴らはトカゲや動物たちに食われないように自衛しているのだ。
一枚の成長が一年とすると十年くらいはここで暮らしているようだ。
海風に煽られながらたくましく生きる。
ここの遊歩道を走る時の楽しみである。
嗚呼、ボタニカル