『植物 オヤジ』

日々出会う植物たちの「たくましさ」と「美しさ」を再発見する、ハードボイルド・ボタニカルライフ。音楽、美食なども。

バンダ

2015年10月31日 | 日記


ラン族とは手を切ろうと思っていた。
なのに。
高価なバンダが見切り品の棚に並んでいたのをオレは目ざとく見つけた。
花を見るとまだしばらくは保ちそうだ。
ただ肝心の値札が張っていない。
店員に尋ねた時点で既に決意は崩れ去った。
「満開も過ぎているので…千円でいいですよ」
安い。
見切り品でも2千円と値踏みしていたオレは動揺した。
「買うしかない」と動揺は決意に変わった。
手を切る決意が手を握る決意に変わったのだ。



バンダは美しい。
扇状に開く個性的な葉っぱ。
長く伸びた根は空気に当てて育てるためむき出しだ。
花は紫ではなく、白い。
うっすらとピンクが滲む花びらは美しい。
その淡い色合いとマッチして控えめにいい匂いがする。
もうだめだ。
手を切れない。

ラン族はあざとい。
縁が切れそうで切れない腐れ縁の女みたいだ。
やつらは美しさといい匂いでオレを引きつける。
かくして1年中面倒を見ないといけない手のかかるやつがまた増えたのである。
ああ、憎らしい。

嗚呼、ボタニカル!



ビカクシダとシャバーニ

2015年10月25日 | 日記


ビカクシダたち。
ヘラジカの角のような立派な葉っぱが伸びている。
東山動植物園の温室にはいろんな種類のビカクシダがいる。
初めはどれも同じかと思っていたがよく見るとタイプがいろいろあるものだ。
サイズはどれも本当に大きなシカの頭くらいある。





園芸店で売られてるものは高価だ。
サイズが大きいと数千円もする。
上のような巨大なものはもちろん売っていない。
ささやかな手のひらサイズのものを以前買って来た。
貯水葉という葉っぱはまだ出てこない。
来年の楽しみだ




さて、ここには最近の有名人(?)がいる。
イケメンで有名なローランドゴリラのシャバーニ君だ。
久しぶりに訪れて驚いた。
人だかりが以前の10倍くらいになっている。
もっと驚いたのはシャバーニがカメラ目線をおくったり、派手なアクションをかましたりするのだ。
すっかりスターである。
それを見ている女子たち(お母さんたち)が歓声をあげる。
以前は普通に暮らしていたのに。
シャバーニ一家に平穏な生活が戻る日がくるのを祈るばかりである。


ところで今夜は月がきれいですよ。
満月にはあと二日あるけれど。

嗚呼、ボタニカル!







LOHASというか、日常

2015年10月25日 | 日記



気持ちのいい朝を迎えた。
半年ぶりにサイフォンでコーヒーを淹れてみる。
ここのところ水を切らしていて水道水で作ったが不思議にとがった味がしない。
水道水をドリップで淹れるとどうしても苦みがでるがそれがない。
ゆっくり淹れるのがいいのかもしれない。
なかなかLOHAS的な朝だ。
というかわざわざそんな言葉を使わなくてもいい。
植物と生活していると普通の朝である。



ここにやってきて1年が経つドラティも朝日を浴びて機嫌が良さそうだ。
最近特に葉っぱのうねりが増した気がする。
1年前の写真をみると下仁田葱みたいだっかが。


これが1年前の姿。
野菜みたいだ。



ネオレゲリア・ファイヤーボール。
陽の当たる窓際においてからピンクが増した。
太陽が好きなのだ。
夏以外は直射がいるようだ。

こいつらを眺めながら静かにバッハの平均律を聴く。
一番好きな朝がやってきた。

嗚呼、ボタニカル!


枯葉

2015年10月18日 | 日記


秋は夜が長い。
というか、夜が早い。
夏の休日は夕日に照らされる植物たちを眺めながらビールを飲み
いい感じにできあがると既に8時頃になっていた。
今日はもういい感じに酔っ払っているがまだ6時である。
身体に悪い。
秋の夜長に「枯葉」のジャズピアノを聴きながらぼんやりしているといい匂いがした。
ユーカリのドライフラワーからだ。
少しねっとりしているがいい匂いだ。




この落ち葉は桂の葉っぱ。
カルメラのようなほのかに甘い匂いがする。
純日本的な香りだ。

植物は死んでもなお自己を主張する。
動物で言えば毛皮を残す虎か熊。
毛皮からいい匂いがするとは思えないがこの葉っぱたちはいい感じだ。
少し涼しくなった風に吹かれてその匂いをかぐと得をした気分になる。
植物は枯れても五感を刺激してくれるとてもいいやつであった。

嗚呼、ボタニカル!





秋深し

2015年10月17日 | 日記


半月ぶりに土曜日の朝をゆっくり過ごす。
日差しが部屋の中に深く入り込むのに驚く。
秋が確実に深まっている。
アウトドアで過ごしていたチラたちも窓の内側に移動した。
明るい秋の光りでよく観察ができてありがたい。
2杯目のアールグレイを飲みながらぼんやり植物たちを眺められるのは幸福だ。



ネオレゲリアを一つ枯らしたが他は概ね元気に育ってくれた。




洋ランたちをバケツに入れて水浴びさせた。
水苔に霧吹きで水をやるのに疲れたからだ。
もっと力の要らない霧吹きがないものかと思う。
一鉢に10回プッシュすれば全部で140プッシュすることになる。
毎日ではないが手がだるくていやになる。
手間がかかる割に1年近く花芽もつかず納得がいかない状態ではある。
ただ一鉢だけ花も無いのにいい匂いを放つやつがいる。
奥行きのあるいい匂いがするのだ。
「まあまあ」となだめられているようにも思う。
まあ、大目に見てやろうか、今のところは。
彼らに生かされているのも確かなのであった。

嗚呼、ボタニカル!