選抜高校野球、あす開幕 32校が12日間の熱戦
- 2016年3月19日18時02分
第88回選抜高校野球大会は20日、開幕する。福井工大福井(福井)―智弁学園(奈良)の開幕試合から、32校が12日間(休養日を含む)の熱戦を繰り広げる。開会式は午前9時から。入場行進は、昨年の優勝校で史上3校目の春連覇を狙う敦賀気比(福井)を先頭に、北の札幌第一(北海道)から南へ順に進む。選手宣誓は小豆島(香川)の樋本尚也主将が行う。
■東邦5度目Vへ充実 常総も投手陣安定
好投手が多いなか、東邦の総合力が目を引く。歴代単独最多、5度目の優勝に届く可能性は十分ある。
エース藤嶋は最速146キロで、打っても出場校中で1位の5本塁打を昨秋に放った。この大黒柱に目が行きがちだが、左腕松山も投打で同等に近い力を持つ。チーム打率も32校中2位の3割7分9厘。龍谷大平安、八戸学院光星といった近年上位進出が多い学校がそろうゾーンの中でも頭一つ抜けた存在だ。
守備力で対抗できるのが常総学院。エース鈴木は球威と投球術を兼ね備えた左腕。佐々木監督が「崩れることはないと思う」というほど安定感がある。2番手以降の投手陣も充実しており、打線がどれだけ援護できるか。松葉が成長して投手陣に厚みが出た東海大甲府、打力が高い秀岳館も頂点を狙えそうだ。
大阪桐蔭は、全32校の主将による優勝候補アンケートで最多10票を集めた。秋に6試合登板した岩本悠が開幕直前に故障で選手登録を抹消され、エース高山には秋以上の安定度が求められる。
史上3校目の春連覇を狙う敦賀気比は、大会前の練習試合でエース山崎の調子がいまひとつ上がらず、試合巧者の青森山田との初戦は山場になる。好左腕・高橋昂のいる花咲徳栄や明治神宮大会覇者の高松商、関東王者の木更津総合もあなどれない。
初出場組では明石商と滋賀学園が力を持っている。
好投手を複数そろえる明石商は、秋は練習試合を含めて50勝4敗1分け。攻撃は犠打を多用するが、土台には筋トレで鍛えた強打がある。滋賀学園は秋まで2年生エース神村に頼りがちだったが、冬場の振り込みで打線が強化された。4番馬越を中心に、8強以上も見込める戦力だ。
選手17人の小豆島、被災地の思いを背負う釜石、長田の挑戦にも注目したい。(鈴木健輔)
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▼出場選手の登録変更 大会本部が19日、発表した。15日付のメンバー特集紙面から代わった選手は次の通り。(円内数字は背番号、カッコ内は旧登録者)
▽桐生第一 ⑰佐藤海凪、2年、180センチ、78キロ(川崎晟也)▽東海大甲府 ⑨林健太郎、3年、176センチ、78キロ(梅沢佑悟)⑱菅原俊介、3年、166センチ、65キロ(内藤武人)▽龍谷大平安 ⑱佐藤貴弘、3年、182センチ、73キロ(上野鈴太郎)▽大阪桐蔭 ⑩徳山壮磨、2年、181センチ、71キロ(岩本悠生)⑮大石航輝、3年、172センチ、72キロ(坂本義生)▽明石商 ⑤岩城諄、3年、170センチ、58キロ(高島直道)▽南陽工 ⑱藤井傑、3年、170センチ、63キロ(吉永廉)▽秀岳館 ⑯染矢佳佑、3年、180センチ、80キロ(幸地竜弥)⑱藤本舜、2年、170センチ、65キロ(天野零弥)