みんな大好きな「マグロ」。何気なく食べてしまわずに、ちょっとお勉強してみませんか
2018年10月15日
トロは捨てていた?!
世界も注目!マグロ争奪戦
2016年のマグロの漁獲量を世界で見てみてみると、1位はインドネシア。2位に台湾、3位に日本と続きます。消費量については日本が断トツで、およそ世界のマグロの1/5を日本で消費していることになります。
毎年恒例のニュースとなっている東京都築地市場の「初競り」。豊洲に移転前の最後となる、今年の築地市場の初競りは青森県大間産クロマグロが3645万円、1kgあたり9万円の価格で落札されました。過去最高額は2013年、1億5540万円。ギネスブックにも認定されています。
和食ブームなどによって海外からも大きく注目され始めたマグロですが、世界中で天然マグロの数が大きく減っていることや、消費量が増えたことなどから乱獲が行われ、結果、マグロの漁獲量を制限・規制しようという動きがありました。ニュースなどで耳にしたことのある人も多いでしょう。食料として『食べるためのマグロ』と、高い価値のある商品として『売るためのマグロ』、各国がせめぎあいを続けています。
美味しく食べて、元気に。マグロのチカラ
・DHA(ドコサヘキサエン酸)
オメガ3と呼ばれる不飽和脂肪酸で、脳に多くあると言われる。情報伝達をスムーズにして、記憶力の低下を防いだりと受験生にはもってこいの栄養素。また、気力の低下や不安を抑え精神を安定させる効果が期待できます。血中DHAが高いと、認知症になるリスクが下がるとして近年、注目されています。
・EPA(エイコサペンタエン酸)
同じくオメガ3脂肪酸の一種で、主に、血液内で血管を拡張したり収縮させたりする働きがあると言われている。血液をサラサラにするので、血栓を予防し心臓病を予防する効果が期待されています。
・タンパク質
3大栄養素の1つであるタンパク質は、筋肉をはじめとして皮膚、髪、爪など体のほとんどの部分に存在していて、体を作る大切なものです。マグロは良質なタンパク質でアミノ酸スコアが90と優れているうえに、100g当たりのタンパク質含有量は牛肉や鶏肉よりも多くなっています。
・アミノ酸
硫黄を含むアミノ酸(メチオニン、シスチン)は肝臓の働きを助ける効果が期待できます。赤身マグロにはこれらのアミノ酸が豊富に含まれています。
・鉄分、ビタミンB12
バランスの取れない食生活や自己流のダイエットなど、貧血の予防や解消に必要な成分が赤身マグロに多く含まれています
・ビタミンB6、パントテン酸
栄養素の代謝を助ける働きが期待できます。お子さんに摂って欲しい栄養素のひとつです。
美味しく食べるために知っておきたいこと
・クロマグロ(本マグロ)
体長約4m、重量約600kgもある大型。トロの部分が多く、マグロの最高級品。日本近海他、大西洋、地中海で捕れる。
・ミナミマグロ(インドマグロ)
体長約2m、重量約200kg。赤身が濃く硬くしまっていて、寿司に最適。アフリカケープタウン沖、ニュージーランドなど南半球で捕れる。
・メバチマグロ
体長約2m、重量約150kg。身がやわらかい。赤道を挟んで広い範囲に生息していて漁獲量が多い。
・キハダマグロ
体長2m、重量200kg。メバチマグロとほぼ同じ範囲で生息。あっさりした赤身は、刺身にしても色が変わりにくく重宝される。
・ビンナガマグロ
分布は世界中に広がり大回遊する種類。主に缶詰用に使われる。
種類が分かったところで、今度は『見分け方』です。
一般的にスーパーで売られている、刺身にするための切り身=「サク」の状態で見分けるコツをみてみましょう。
・表面の筋目が平行に入っているものが一番よい
・筋目の幅が狭いものや半円状のものは避けましょう
・白い筋がはっきりしているものは避けましょう
・身の色に透明感があるものがよい
・脂が乗ったものは身の端に白っぽい脂肪の色が入っています
最後に、『保存目的だけではもったいない、美味しいヅケのタレ』のレシピを。
しょうゆ:みりん:酒=3:2:1
※調味料を合わせて軽く煮切り、粗熱をとってから漬けましょう