はやぶさ2のカメラ、飛び散る岩石撮影 衝突装置が成功
2019年4月5日21時31分
小惑星「リュウグウ」に人工クレーターができた可能性が高い――。探査機「はやぶさ2」が5日、リュウグウに金属の塊を撃ち込むことに成功した。2月の着陸に続く快挙で、世界初となる地中の岩や砂の採取に一歩近づいた。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、はやぶさ2は午前10時56分、リュウグウの高度約500メートルで銅の塊を地表にぶつける衝突装置を分離。爆発によって飛び散る岩石などの破片で機体が損傷することを避けるため、はやぶさ2はリュウグウの裏側へ退避した。
分離から40分後、装置は高度約200メートルで爆発し、その力で重さ2キロの銅の塊を秒速2キロでリュウグウの地表に撃ち込んだ。
事前に分離したカメラが捉えた爆発1~2秒後の画像には、地表から岩や砂が噴出している様子が確認できた。さらに高精度の画質でも記録しており、今後詳細を解析するという。
吉川真ミッションマネージャは「地表に大きな変化が生まれた可能性がある。どんなクレーターができたのか早くみたい」と話した。
爆発によって、リュウグウの周辺には岩石の破片が漂っている可能性が高いため、はやぶさ2は今後、2週間かけて高度20キロまで移動。4月下旬に降下してクレーターの状態を詳しく調べる。
着陸に支障がないことを確認できれば、5月下旬以降に2回目の着陸と試料採取を試みる予定。
津田雄一プロジェクトマネージャは「はやぶさ2オリジナルの世界を開けた。大変興奮している。衝突は成功した」としている。