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公立病院、膨らむ「隠れ赤字」 税で穴埋め増える懸念
【イブニングスクープ】
2019/4/25 18:00
イブニングスクープ
翌日の朝刊に掲載するホットな独自ニュースやコラムを平日の午後6時ごろに配信します。地方自治体が運営する公立病院の赤字拡大が止まらない。自治体の補填を除いた本業の赤字総額は2017年度に4782億円となり、12年度比で5割増えたことが日本経済新聞の調べでわかった。最終的な損失も膨らんでおり、公的負担が急増する恐れがある。公費投入が増えると、医療費抑制に必要な過剰病床の削減・再編を遅らせる懸念が強まる。
■本業の赤字は5年で5割増
公立病院は都道府県や市町村がつくり、国立や大学の病院と異なる。民間病院が手がけたがらない救急や小児など不採算の医療を提供したり、過疎地の医療水準を維持したりする役割があり、公費投入に意義はある。ただ赤字体質が続くと自治体財政は悪化し、保育や介護などほかの公的サービスにしわ寄せがいく。
総務省が集計する公立病院決算は医業収入にも自治体の補助を含み、本業の実態が見えにくい。日経新聞は本業の力を見るため、公費を除く「純医業収支」を独自に算出した。対象は都道府県や市町村が持つ783病院のうち、12~17年度に比較できる671病院。
その結果、損益悪化が止まらない状況が判明した。純医業収支が黒字の病院数は12年度の45から17年度は19に減り、全体に占める割合は7%から3%に下がった。合計赤字額は5割増えたのに対し、公費投入額は5%増にとどまり、15年度以降は借入金に頼っている。
■経営のプロ育たず
環境が厳しいのは民間病院も同じだが、公立病院は非効率な業務構造が温存されている。全国公私病院連盟によると、民間は医業の費用が収入と均衡するが、公立は費用が1割多い。公務員の看護師は人員配置や給与体系を柔軟に変えられない。事務職は短期で異動するため経営のプロが育たず、無駄遣いが生まれやすい。建設費単価は公的な日赤病院などよりも1割ほど高い。厚生労働省の調べでも、17年度の一般病院の経常利益率は民間が2.3%、公立はマイナス1.5%との結果が出た。
埼玉県立がんセンター(伊奈町)は典型例だ。13年に建て替えて病床を増やしたものの、患者数は想定を下回り赤字が急増。18年度予算は同センターを含む県立4病院への一般会計からの繰入額が建て替え前の1.8倍に膨らんだ。県病院局は「見通しが甘かった」と認める。
建て替えて増床したが、患者数は想定を下回った埼玉県立がんセンター
■首都圏で目立つ公費投入
過大な公費投入は民間との競合が激しい首都圏で目立つ。17年度の1ベッドあたり公費投入額の首位は東京都の617万円で、全国平均の約2倍。総額で見ると都立8病院だけで400億円と、全国の1割近い公費を使った。都病院経営本部は「都立しかできない機能がある」と訴えるが、広尾病院(渋谷区)と大塚病院(豊島区)は空きベッドが増え、外来患者数は全国平均を下回る。
日本総合研究所の河村小百合上席主任研究員は「都は財政規模が大きいため、巨額の公費投入が見過ごされている」と指摘する。千葉県も病院に過大投資し、損失の穴埋め額が膨らんだ。
国内の病床は過剰感が強く、公立は全国の病床の15%弱に達する。病床を埋めるために入院患者を増やそうとすれば、ムダに医療費が膨らむ。総務省は07年に公立病院改革の指針を作り、全国の公立病院に施設・診療機能の再編を促した。すでに60を超す再編例があるが、多くの地域では再編の取り組みが様々な壁に阻まれている。
■病院再編、年収減に強い抵抗感
4月1日、兵庫県川西市の市立川西病院の運営者が医療法人・協和会に変わった。赤字脱却を目指すための民間委託だ。3年後に別の場所に新病院を建て、協和会の別病院と統合する。2病院の医師を新病院に集めて救急体制を充実させる。現在の病院跡地には診療所と介護施設を整える。
ハードルは市立病院の看護師らの処遇だった。民間運営になると年収が平均153万円、率で3割近く下がる。当初4年は市が差額を補うが、半数の職員は退職か市役所事務職に異動した。「公務員でなくなることに抵抗感は強い」(同病院経営企画部)。
川西市はなんとか乗り越えたが、往々にして労務問題は公立病院改革にブレーキをかける。
「都立病院は独立行政法人化すべきだ」。2018年1月、東京都は有識者委員会から提言された。実現すれば人事や予算を柔軟に決められる。7千人超が非公務員になるが、都立病院労働組合は「労働条件を悪化させる」と反対を表明。都は「23年度までに検討を進める」(病院経営本部)と、結論を出すかどうかも不透明だ。
■自治体間の責任分担、調整が難航
複数の自治体が絡むと、運営責任や資金分担を巡り綱引きが生じる。
千葉県香取市にある県立病院と国保小見川総合病院(市と東庄町で開設)。数年前に2病院の建て替えとセットの再編案が浮上した。県は市主導で赤字額が大きい県立病院を小見川病院に統合する案を推した。市は責任を押しつけられると警戒し、逆に県主導の建て替えを求め、小見川病院を市単独で建て替えた。これで再編案は消え、県立病院の赤字は膨らんだ。
公立病院再編は縦割り意識を脱した発想が要る。08年に地方独立行政法人として発足した日本海総合病院(山形県酒田市)の前身は近接する市立と県立の2病院。県立の赤字が膨らみ、建て替えを控えていた市立病院が統合を提案した。原動力は「このままでは共倒れになる」との危機感だった。
県立と市立の2病院が統合して発足した日本海総合病院(山形県酒田市)は急性期医療を担う(日本海総合病院提供)
県と市、病院間で厳しい調整を重ね、県立は規模を拡大し重症者向け拠点病院、市立は縮小してリハビリ病院とする役割分担を決定。職員には業績手当てを入れた。中小病院との連携も進め、開業以来、黒字を続ける。
栗谷義樹理事長は「個々の病院ではなく地域全体の医療を効率的に提供する経営が必要だ」と説く。サービス水準を落とさずに効率化するには、自治体や職員が既得権益にしがみつくのをやめる必要がある。
■民間との連携がカギ
そのためには民間病院をまじえた医療体制の見直しもカギを握る。
神奈川県は16年度に、総合病院の汐見台病院(横浜市)を医療法人に譲渡した。知事が「県立は小児科などに特化すべきだ」と判断した。従来の医療を続けることを条件に譲渡先を公募し、毎年7億円超あった公費繰入額はゼロになった。
医療情報を分析するケアレビューの加藤良平代表は「都市部は公立病院が民間との役割分担を徹底し、規模を縮小すれば公費に依存する問題は改善する」と指摘する
ゴールデンウィーク 天気の注意点「平成最後の雪も」
2019年04月25日16:34
今回は、平地でも雪が降るのがポイント。札幌や盛岡でも、26日の夜から27日は、雪やみぞれになる可能性があり、すでに桜が開花している所では、桜と雪の共演が見られそうです。雪は27日にかけても断続的に降るため、北海道はオホーツク海側を中心に、平地でも積雪状態となるでしょう。東北北部の平地でも、積雪となる所がありそうです。
注意点② 北海道・東北北部 道路を走行する際の注意点 交通機関への影響も
また、交通機関への影響も心配されますし、冬装備のない方は、27日以降に日程変更するなど、「出控え」の選択ができると安心です。北海道や東北北部の標高の高い所では、いっきに冬景色に逆戻りするため、山へ出かける予定の方は、予定の変更を視野に入れることも考えて下さい。
注意点③ 関東北部・北陸 標高の高い所は「季節外れの雪」
また、新潟県でも標高の高い峠を中心に、積雪や路面の凍結によって、交通機関に影響がでる恐れがあります。レジャーなどで山へ出かける場合は、冬山と同等の装備を用意するなど、十分な対策を心がけて下さい。
注意点④ ゴールデンウィーク前半は 寒の戻り
25日に発表された、最新の1か月予報でも、4月27日~5月3日の平均気温は、北海道から九州にかけて平年より低く、東日本や西日本では5月4日~10日の平均気温も平年より低い予想です。寒さで連休中に体調を崩さないよう、予想気温をしっかりチェックしながら、服装を選んで下さい。
注意点⑤ 西日本 29日~30日 平成最後の大雨か
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