富士山展望マニアの田代博さん(69)=横浜市旭区=が先月、1~3月のすべての日付の「ダイヤモンド富士」を撮影した「毎日ダイヤ」を完成させた。1998年1月29日に撮影を始めてから22年目、撮影回数689回での達成だった。撮影を試みたが失敗した日数は、「この何倍か知れない」という。

 日付ごとの写真を整理するうちに「毎日ダイヤ」の完成を目指すようになった。大気の状態や天候など展望条件がいい1~3月期を狙った。最後に残されたのは「3月24日」。自らの誕生日の前日だった。

 一般財団法人「日本地図センター」(東京都目黒区)の相談役に就く田代さん。高校の地理教諭だったころの教え子らが、横浜市戸塚区内の公園展望台が絶好の撮影地点、と教えてくれた。大気中に舞うスギ花粉による光環が何とも美しい会心の1枚になった。

 ログイン前の続きかつては撮れる場所を求めて歩き回った。時には不審者扱いされるなど大変だった。現在はインターネットやデジタルカメラ、位置データなどを入力するとその地点からの展望画像がつくれるソフトの普及などで、格段に苦労は減った。

 とはいえ、お天気にだけは勝てない。何年かけても撮れない日はある。

 次の目標は11~4月に広げた半年間の「毎日ダイヤ」。現在のところ撮れていないのは11月に3日、12月に2日、4月に3日の計8日を残すのみという。そしていずれは究極の「365日」に挑むつもりだ。

 気温が上がる夏場は水蒸気などの影響が出るが、台風一過や大雨の後などを狙えば、何とかなるという。「一人でやるのは無理でも、何人かで力を合わせれば可能かも知れない」と夢を膨らませる。

 「毎日ダイヤ」は、インターネットの「田代博のホームページ」(http://yamao.lolipop.jp/別ウインドウで開きます)で公開している。(三浦亘)