ポテトチップスは湖池屋、フルーツグラノーラは日清シスコ――。イオンが8日、プライベートブランド(PB)商品に、製造したメーカー名などの情報の表示を始めたと発表した。これまでは「販売者」の欄にイオンの名前と住所、製造した都道府県名のみの表示で、どの企業が製造したかは分からなかったが、表記を改めることにした。

 この日発売したPBの新商品「トップバリュ フローズンクックキット」のパッケージの裏面には、「製造所」の欄を設け、商品を作った企業と工場の名称、住所を記載した。

 従来は乳製品など一部を除き、だれがどこで作ったのかを知りたければ、「製造所固有記号」をイオンのホームページで検索しなければならず、製造者名そのものの表示はなかった。「PBはイオンが責任を持って商品を企画し、販売している」(広報)というのが理由だ。

 だが、2015年に施行された食品表示法で、一般消費者向けの加工食品は製造者の名称や工場の所在地の表示が義務づけられた。企業は20年3月末までに対応しなければならなくなり、表示を改めた。イオンはすでに今年初めから、4千~5千品目ある食品PBの2割ほどで表示を追加しているという。

 ログイン前の続き8日に会見したイオンの和田浩二マーケティング本部長は「期限が迫ってきているので対応した。お客さまの知りたいことを分析し、表示方法の設計に時間がかかった」と話した。

 一方、約4千品目のPB「セブンプレミアム」を展開するセブン&アイ・ホールディングスは、販売開始の07年当初から商品にメーカーの情報を表示してきた。「どこが作っているのかは、消費者の関心事で表示することで安心につながる」(広報)という。ローソンもPB「ローソンセレクト」の商品の大半でメーカーの情報を記載。無印良品で多くのPBを展開する良品計画も「昨年から切り替えを進めている」という。