7日の大阪ダブル選で当選した大阪府吉村洋文知事と大阪市松井一郎市長が報道各社のインタビューに応じた。吉村、松井両氏は、大阪で6月に開催される主要20カ国・地域首脳会議G20サミット)や、2025年の万博の成功への意気込みを語った。また松井氏は、重大な児童虐待ゼロに向けて対策を急ぐ方針を示した。

万博・IR 相乗効果狙う 吉村知事

 万博をぜひ成功させたい。経済成長の大きな起爆剤になる。また、万博を見据えて府と大阪市の「副首都推進本部」で、「(情報通信技術を使った先端都市の)スマートシティー戦略」の基本計画を策定する。4月か5月にスマートシティーのキックオフ会議をしたいと思う。

ログイン前の続き プロジェクトチームを立ち上げ、万博までに府全域でどういった街づくりをしていくのか、新しい技術をどう取り込んでいくのか。そういった取りまとめを今年中にしたい。府庁内に新組織「スマートシティー戦略部」(仮称)を設置し、来年4月に始動させる。(都市として)東京か大阪かの二者択一になるくらい、新技術をやるなら大阪がいいと思ってもらえる土壌を作りたい。

 G20は最高峰の国際会議。大阪の魅力を発信するいい機会だ。世界の首脳が集まるのを子どもや若者に肌で感じてもらい、将来世界で活躍しようと思う子どもが増えたらと思う。

 IRの誘致については、事業者からコンセプトを夏までに求めていきたい。公募は秋以降になるだろう。世界最高水準(のIR)で、万博との相乗効果も生みたい。25年の万博開催までの開業が目標だ。(吉川喬)

重大児童虐待ゼロめざす 松井大阪市長

 児童虐待については(市幹部と)協議を始めた。まずは重大虐待の(対応)レベルを5段階に分ける。(内容は)来週の記者会見で伝えたい。また、市内24区で実情はそれぞれあるので、各区長に具体的な提案をするように伝える。4カ所目の児童相談所(こども相談センター)の着工計画を作るよう指示もした。重大児童虐待ゼロは可能だと思っている。

 G20サミットの認知度アップのためCMをやる。府警とも協議しているが、どういうエリアで交通規制があるのかを具体的に伝えたい。

 カジノを含む統合型リゾート(IR)は府市一体で誘致を進めてきた。全国の中でも準備は我々が先頭を走っている。2025年万博の跡地は(吉村・前市長が意欲を示していた)F1誘致に賛成。ただ、一番の問題は音。周辺環境に負荷がかかるので環境アセスメントをきちっとしないといけない。

 府市の統合案件では、市立大と府立大は運営組織が一体になり、1法人2大学体制になった。議会の議決が必要だが、これは完全に1大学にしたい。また「大阪消防庁」を進めたい。東の東京消防庁、西の大阪消防庁が、災害が頻発する時代に日本のセーフティーネットとして必要だ。(楢崎貴司)