なおじい(HOBBY:カメラ・ビデオ撮影・DVDオーサリング/資格:ラジオ体操指導員・防災士・応急手当普及員)

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軽自動車と小型車を比べると維持費はどう変わる…?

2019年04月25日 08時51分21秒 | NBOX

軽自動車と小型車を比べると維持費はどう変わる…? その意外な結果

情報詳細:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64046

軽自動車は小型車に比べて税金が安い。その代わりボディサイズとエンジンの排気量も小さく抑えられている。税金の安さと引き替えに、制限があるわけだ。

そうなると、「どのくらい税金を節約できるか」を具体的に知りたい。あまり安くならなければ、制限が生じる分だけ軽自動車が割高になることもあるだろう。

そこで軽自動車のホンダN-BOXと、小型車のホンダフィットで、購入後3年間の維持費を比べた。エコカー減税の適用によって金額が変わったり、各種代行手数料も販売会社よって異なるから注意したい。あくまでも概算だ。

N-BOXとフィットのグレードは、ほぼ同じ価格でそろえた。N-BOXカスタムG・Lホンダセンシング、フィット13G・Lホンダセンシングは、両車とも売れ筋グレードになる。今はN-BOXに限らず、軽自動車は機能や装備が充実して、価格が小型車と同程度になった。

その維持費の比較結果を示したのが以下の表である。

N-BOXとフィットの維持費比較(購入後3年間)

拡大画像表示※ガソリン代は実用燃費がJC08モード燃費の85%、レギュラーガソリン価格は1L当たり145円で計算されています。上記の金額はすべて概算で、購入時期や販売会社によって異なります。エコカー減税の実施状況によっても左右されます。

まず項目別に金額を比べると、差額が最も大きいのは自動車税だ。

フィット13G・Lホンダセンシングは、エンジン排気量が1.3Lだから、自動車税は年額3万4500円になる。N-BOXの軽自動車税は年額1万800円だから、約3倍の開きがあり、3年間では7万円以上の差が付いた。

「自賠責保険料」の意外な真実

次に重量税も3年分では差額が1万円を超えるが、それ以外はあまり違いが生じない。

JC08モード燃費は、N-BOXが27km/L、フィットも24.6km/Lだから同程度といえる。フィットのエンジン排気量はN-BOXの約2倍だが、1060kgの車両重量とバランスが取れている。逆にN-BOXの車両重量は900kgだが、排気量は約半分の658ccだから、エンジンに過剰な負担を与えてしまう。ギヤ比を下げて、常に高めの回転域を使わねばならない。その結果、N-BOXは燃費数値を伸ばせず、フィットに近い27km/Lとなった。

それでも今の軽自動車には低燃費技術が数多く採用され、相応に優れた数値を達成するが、1.0~1.3Lエンジンの小型車に比べると、実用燃費を含めて大きな差を付けられないのが現実だ。

〔photo〕gettyimages

自賠責保険料にも注意したい。以前は小型/普通車は約3万5000円、軽自動車は約3万円と安かったが、今は差額が1000円少々に縮まった。

その理由は、自賠責保険料が、税金と違って軽自動車の金額を安くする仕組みになっていないからだ。

自賠責保険料は、保険料収入と保険金支出のバランスで決まる。最近は軽自動車の人身事故(自賠責保険料が補償するのは対人賠償のみ)による自賠責保険の支出が増えており、これを補うために、自賠責保険料が小型/普通車並みに高まった。

従って今後さらに軽自動車の事故が増えて、自賠責保険金支出が高まると、軽自動車の自賠責保険料が小型/普通車を超えることもあり得る。いずれにしろ、自賠責保険料の差額も縮まったから軽自動車の経済的なメリットが薄れた。

軽自動車のメリットを享受する方法

オイルやタイヤの交換に伴う費用は、軽自動車と小型車ではあまり差が付かない。オイルの量やタイヤのサイズに少し違いがあっても、流通や交換のコストはほぼ同じで、差が付きにくいからだ。

同じことがクルマの価格にも当てはまる。ここで取り上げたN-BOXとフィットからも分かるように、クルマの価格もサイズではなく、部品点数や製造コストで決まる。

ちなみに昔の軽自動車は、小型車に比べて価格が安かったが、それはボディの造りを簡素にしたり装備の数を抑えていたからだ。それが今の軽自動車は、ボディ剛性が小型車と同様に高く、装備も充実する。コストが高まり、価格も小型車と同等になった。

この関係はパソコンの価格と同じだ。特別な性能を追求しなければ、小さなノートパソコンの機能はデスクトップパソコンと同等で、価格も下がらない。ノートパソコンも部品点数は多く、むしろコンパクト化するためにコストを費やした面もあり、価格が高まった。軽自動車にも同様のことがいえる。

〔photo〕gettyimages

その結果、購入後3年間の税金や維持費は、軽自動車のN-BOXが38万7630円、小型車のフィットが51万6904円だ。差額は12万9274円になる。1年当たりなら約4万3000円だから、あまり差が開かないともいえるだろう。

しかし公共の交通機関が使いにくい地域で、1人に1台、一家で4台のクルマを所有したらどうなるか。1年に17万2000円の差額になる。1台のクルマを所有する世帯では、軽自動車の安さは目立たないが、複数所有になると際立ってくる。

従って複数所有の多い佐賀県、鳥取県、長野県、島根県、山形県などでは、10世帯に10台以上の軽自動車が所有される。逆に東京都では10世帯に1.2台、神奈川県は2.3台だ。都市部では軽自動車の普及率が低く、その経済的なメリットは、複数のクルマを所有してこそ実感できる。

軽自動車の「増税」はあるのか?

それでも状況は変わりつつある。2005年頃までは、東京都の軽自動車普及率は10世帯に1台以下、神奈川県も2台以下だったが、今は前述のように普及率が少し高まった。軽自動車が税金の安さだけでなく、運転のしやすさとか、日本のユーザーニーズに応えるクルマ造りで選ばれるようになったからだ。

軽自動車の魅力が増したのは喜ばしいが、そのために軽自動車の販売比率が高まりすぎると悪影響も生じる。軽自動車の増税という話になるからだ。

以前は軽自動車税が7200円だったが、2015年4月1日以降に購入すると1万800円になった。以前は新車として売られたクルマに占める軽自動車の比率は30%以下だったが、2000年以降は30%を上まわり、2010年代は40%近くに達する。そこで軽自動車の増税に発展した。

日本はクルマ税金大国だから、公共の交通機関が未発達な地域に住んでいて、クルマを使わざるを得ない人達には非常に冷たい。軽自動車はこのような状況で、年金で暮らす高齢者も含め、貴重な移動手段になっている。つまり軽自動車には公共性が伴うので、今以上の増税は許されない。小型/普通車の販売にも力を入れて、税収のバランスを保ち、軽自動車の増税を防ぐ必要がある。