奈良県生駒市シルバー人材センターが、電球や電池の交換、家具の移動などが困難な市内の高齢者らを手助けする「エリアサポート事業」を、4月1日から始めることになった。同センター会員が地区ごとにチームを編成し、申し込みがあれば駆けつけてワンコイン(500円)で軽作業を請け負う仕組みだ。

 同センターによると、高齢者の世帯が増えているなか、日常生活でのちょっとした困りごとが多くなっているとして、会員の間からエリアサポートのアイデアが生まれた。県内では初の取り組みという。

 実際に作業をするエリアサポート委員は現在、41人。二つの小学校区ごとにチームを作っているので、作業申し込みから数時間以内で駆けつけることができる。作業には、灯油や電池の購入代行、ストーブ・扇風機の入れ替え、ゴミ出しなども含まれる。対象は、市内に住む65歳以上の人や体が不自由な人で、90歳以上の人は無料になる。

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 今月7日、同センター事務所がある同市北田原町の施設でチームの発足式があり、関係者ら約30人が出席した。事業の運営委員長を務める田中善之さん(75)は「元気な高齢者が困っている高齢者をお手伝いすることで、センターへの地域の信頼を深めたい」などとあいさつ。式の後、委員らは校区ごとに分かれて業務分担や連絡体制などについて話し合った。

 センターは今後、エリアサポート事業を足がかりに、空き家の状態を確認して遠方にいる持ち主に知らせる「空き家見守りサポート業務」にも力を入れていく方針だ。

 問い合わせは市シルバー人材センター(0743・71・3300)へ。(伊藤誠)