中国の国家衛生健康委員会は19日、新型肺炎診療ガイドラインの改訂版を発表し、空気を漂う飛沫(ひまつ)核を通じて感染する「エーロゾル(エアロゾル)感染」の可能性を初めて認めた。せきやくしゃみを通じた飛沫(ひまつ)感染や接触感染と比べ、より広範囲に感染する可能性があるという。

 同委は19日に公表した新たなガイドラインで、「比較的密閉した環境下で長時間高濃度のエーロゾルにさらされた場合、感染の可能性がある」と指摘した。

 これまでの同委のガイドラインは、主な感染経路として飛沫感染と接触感染を挙げていた。

 同委によると、エーロゾル感染は飛沫に含まれる水分が失われ、病原体を含む飛沫核が空中を漂うことによって感染を引き起こす。

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 エーロゾル感染について、上海市が8日の会見で主な感染ルートの一つと指摘したが、中国疾病予防コントロールセンターの専門家は「明確な証拠に欠けている」と懐疑的な見方を示していた。

 日本エアロゾル学会によると、エーロゾルとは気体中に漂うごく小さい液体や固体の粒子のこと。できかたの違いにより、粉じんやミストなどとも呼ばれる。(北京=高田正幸)